ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>介護お役立ち記事>自立支援ケア>足の形にフィットした靴の選択

足の形にフィットした靴の選択

スポンサーリンク

自分の足の形を知っていますか?(足と靴の関係)

自分の足をじっくりと眺めたことはありますか?
指、爪の形はどうなっていますか?皮膚が硬くなっている場所はありませんか?足の裏はどうでしょう?
私達の足は、一人ひとり生まれつき異なっています。さらに、生活形態や運動の頻度、使用する靴によっても変化していきます。
足の形からその方のルーツが分かるということを耳にしたこと方もおられるのではないでしょうか?足の形は5種類(*1)に分かれるといわれています。ここではその中でも日本人に多い3分類をあげてみます。*

  1. 第1趾が一番長く、小指に掛けて段々と短くなっているのがエジプト型
  2. 第1趾より第2趾の方が長いのがギリシャ型
  3. 第4指と第5指以外の指の長さにほとんど差がないのがスクエア型足の形

日本人の足で一番多いのはエジプト型といわれています。どの足の指が一番長いかだけでも、靴を履いた時に指が当たる場所が異なることが見えてきますね。

次に足の爪の形が変形していたり、色が変わっていたりしませんか?私は理学療法士としてこれまで約20年間で10,000名の方に関わり治療をおこなってきましたが、多くの方が足の問題を抱えており、第5趾が靴に当たり爪が変形したり小さくなってしまっている方、足幅のサイズや足の形に合っていない靴を履いていることで爪の色が変わっている方を多く見てきました。例えばエジプト型の足の方が先が細くなっている靴を履くと、親指が当たり爪の変色につながったり、外反母趾の原因になったりもします。

皮膚が硬くなっている、胼胝(たこ)ができている場所はありませんか?胼胝は、皮膚の角質層が肥厚したもので、機械的な圧迫や摩擦が繰り返しおこることで生じます。歩行の際に力が入りやすい場所や靴に指が当たる場所によくできます。例えば、外反母趾の方は第1趾の裏側や第1趾の裏のつけ根の外側の皮膚が硬くなっていることが多くあります。まずは、自分の足の形や現在の足の状態を知り、ご自身の足に適合した靴を知ることから始めてみましょう。

 

スポンサーリンク

高齢者の足には問題がいっぱい

高齢になるとこれまでの生活により様々な足の問題を抱えることがあります。そのため、なかなか自分の足に合う靴が見つからないという方が多くなります。ここでは、歩行に必要な足の構造と高齢者の特徴的な状態を見ていきたいと思います。まずは歩行に欠かせない、歩行を効率的に行うために必要な要素となる足の3つのアーチについてです。

  1. 内側縦アーチ(踵骨、距骨、舟状骨、楔状骨、第1中足骨)
  2. 外側縦アーチ(踵骨、立方骨、第4〜5中足骨)
  3. 横アーチ(1〜5中足骨(前・後部))足の形

高齢者の足は、歩行の機会が減ることにより足裏の筋肉や靭帯が弱くなるという特徴があります。その結果として、それぞれのアーチの減少や消失が起こります。
内側縦アーチが消失していくと扁平足となり、足底が接地したときの衝撃吸収ができなくなります。
外側縦アーチの消失では、左右のバランスが悪くなり外側へ倒れやすくなります。
横アーチが保てなくなると、開帳足となり横幅が広がり、足の指のつけ根あたりに衝撃を受けるようになります。そのため足の指のつけ根に胼胝ができやすくなります。

これらの年齢的変化に加え、外反母趾、爪白癬(つめはくせん)、巻き爪などの問題も加わり、自分の足に合った靴を見つけることが難しくなる傾向にあります。

高齢者の方は開帳足への変化から、横幅が大きいEEE(*2)以上の靴を選択したり、履きやすさを重視し大きめなサイズを選択することが多くあります。たしかに履きやすさは靴を選択する際には重要なことですが、これにより靴の中での足の動きが大きくなり、歩行中に靴と指の当たりが多くなり足の指に傷ができやすくなります。また、爪や変形した足の指が靴にあたるという理由から、柔らかい素材の靴を選択する方も多くおられます。柔らかい素材は足のホールド力が弱いため、左右の動揺を制限できず、靴の型崩れも早く、歩行に向かない傾向があります。

なかなか自分に合う靴が見つからない、お気に入りのデザインなので履き続けたい、もったいないから捨てられない、などの理由で同じ靴を長年履き続けている方もおられますが、その場合、ソールのすり減りが激しくなり、歩行のバランスに支障が生じることがあります。ソールの外側がすり減った方であると、足を地面に着いたときに身体が外側に傾斜する歩容へと変わっていきます。歩けば歩くほど、靴により歩容不良を引き起こしている場合もあります。靴の擦り減り

自分に合わない靴を長年履くことで、足に抱える問題をさらに大きくすることは多くあることです。また、浮き指(*3)になっていて足裏を十分に使えなかったり、足底の痛みにより足底から脳への情報入力が十分できないことが転倒につながるケースもあるので、自分の足に合って心地よく歩ける素敵な靴を選択するようにしたいですね。

 

 

自分に合う靴をどのように選びますか?(足のサイズと形)

みなさんは靴を選ぶときにどのようなことを考えて購入していますか?見た目ですか?履きやすさですか?自分に合う靴を見つけるのは本当に難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。先述した通り一人ひとり足の形は違うのはもちろん、自分の足の左右でさえもまるっきり同じ形という足はないからだと思います。できるだけ自分の足に合った靴を履き、痛みや問題を引き起こさないようにするためのサイズ・形の選び方について話をしていきます。

まずは靴選びの最大の要素、サイズ計測から話したいと思います。靴のサイズは①足長②足幅③足囲があります。

  1. 足長:踵から一番長い指の先までの長さ
  2. 足幅:親指の根本の出っ張りから小指の出っ張りまでの長さ
  3. 足囲:親指の根本の出っ張りから小指の出っ張りまでを囲んだ長さ

この3つの計測を立位の状態で計測します。

  1. 足長が合わないと、つま先が当たったりするので、踵から一番長い指までの長さは必要です。足長+(捨て寸:1~1.5㎝)のサイズの靴を選ぶことをお薦めします。
  2. 足幅は靴と足の指の当たりで一番のポイントとなります。立位になると足の幅も広がるので、実際に歩いてみて第1趾と第5趾のつけ根部と靴の接触がないかを確認してみましょう。外反母趾の方は靴によっては足の指が当たりやすくなるのでより注意が必要です。
  3. 足囲は甲高(こうだか)(*4)の指標になります。甲の部分の当たりも靴により異なるので、紐靴であればしっかり紐を締めて当たりがないかを確認しましょう。また、靴の縫い目などの部分に当たりがないかを確認することも大切です。

計測する時間帯にも注意が必要です。朝と夕方では靴のきつさが異なるという経験をされた方も多いのではないでしょうか。ふくらはぎの筋ポンプが使用されないことで、下半身にたまったリンパ液が漂ってしまい、夕方の足部はむくむ傾向にあります。そのため、最も足のサイズが大きくなる夕方に計測し、靴を選んだ方が自分に合った靴に出会えると思います。

足の形について話しましたが、その形によって合う靴のつま先の形も変わってきます。

  1. エジプト型は、オブリークトゥ
  2. ギリシャ型は、ラウンドトゥ
  3. スクエア型は、スクエアトゥつま先の形

できるだけ自分に合うつま先の形である靴を選択するのが良いでしょう。適切なサイズ計測と足の形と靴の形の適合だけを考えるだけでも、自分に合った靴の発見につながるかもしれません。良好な足の状態を保ち、長く歩き続けていきたいですね。

 

*1 理学療法士のための足と靴のみかた 坂口顕編集
入谷式足底板 入谷誠著
*2 EEEとは足囲(そくい)を表すもので、A、B、C、D、E、EE、EEE、EEEE、F、Gの10段階ある
*3 立位や歩行時に足の指が床や靴底に接地しない状態
*4 足を横から見たとき甲が高く厚みがあること

健達ねっとECサイト
薬の使い方

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク