被介護者を抱える方の中に介護施設への入所を考える方は多いのではないでしょうか。
一方で、一口に介護施設といっても種類はもとより、特徴や入所条件などは様々です。
今回は、数多くある介護施設の中でも特別養護老人ホームについてご紹介します。
- 特別養護老人ホームの特徴
- 特別養護老人ホームの入所基準と費用
この記事をご覧いただき、特別養護老人ホームについての理解を深めるための参考にしてください。
最後までお読みください。
- 1特別養護老人ホームとは
- 2特別養護老人ホームの特徴
- 3特別養護老人ホームのサービス
- 4特別養護老人ホームの費用の相場
- 5特別養護老人ホームの入居状況
- 6特別養護老人ホームの種類
- 7特別養護老人ホームの人員配置基準と設備基準
- 8特別養護老人ホームにある居室タイプ
- 9特別養護老人ホームの入所基準
- 10特別養護老人ホームで提供される介護度
- 11特別養護老人ホームのメリットとは?
- 12特別養護老人ホームのデメリットとは?
- 13特別養護老人ホームの申し込みの流れ
- 14特別養護老人ホームに早く入所するには?
- 15特別養護老人ホームとその他の施設との比較
- 16特別養護老人ホームと介護保険施設との違い
- 17特別養護老人ホームと介護老人保健施設との違い
- 18特別養護老人ホームと養護老人ホームとの違い
- 19特別養護老人ホームと有料老人ホームとの違い
- 20特別養護老人ホームと他の介護施設との違い
- 21介護施設の中で特別養護老人ホームがおすすめな人
- 22特別養護老人ホームまとめ
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特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームとは、常時介護を必要とする在宅生活が困難な高齢者の方を対象にした公的施設の一つです。
特養や介護老人福祉施設とも呼ばれています。
食事や入浴における介護をはじめ、掃除や洗濯などの生活支援、健康管理、レクリエーションなどの様々なサービスを提供しています。
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特別養護老人ホームの特徴
特別養護老人ホームの特徴について
- 公的機関による運営
- 介護保険施設の一つ
- 終身利用・長期入所が可能
などがあります。
それぞれみていきましょう。
公的機関による運営
特別養護老人ホームは、公的機関が運営している福祉施設です。
公的機関としては、地方自治体や、社会福祉法人などがあります。
公的機関が運営しているので、国や都道府県のサポートを受けています。
特別養護老人ホームは、別名「介護老人福祉施設」といいます。
老人福祉法の第11条の市町村による入所措置の対象施設となります。
そのほか、運営に関しては都道府県が定める「特別養護老人ホームの設備および運営に関する基準」に沿ってサービスが提供されます。
介護保険施設の一つ
特別養護老人ホームの特徴として、介護保険の適用になるという特徴があります。
特別養護老人ホームは、要介護3以上の高齢者が入居でき、介護保険施設の一種となります。
通常、終身にわたって介護が受けられます。
また、介護サービスの利用料を支払うときに介護保険が適用されます。
そのため、自己負担額を抑えられます。
終身利用・長期入所が可能
特別養護老人ホームは入居期間に決まりがないため、終身利用・長期入所が可能です。
施設によっては気管切開や人工透析などの医療処置に対応できない場合もあるため、最期まで入居できない可能性があります。
しかし、医療処置の必要な利用者を受け入れる施設も増えており、終身で利用しやすい傾向にあります。
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特別養護老人ホームのサービス
特別養護老人ホームにはどのようなサービスがあるのでしょうか?
以下でみていきましょう。
特別養護老人ホームで受けられるサービスには
- 食事
- 入浴
- 排せつ
- 健康管理・緊急対応
- リハビリ
- 生活支援
- レクリエーション・イベント
- 看取り
などがあります。
以下でご紹介いたします。
食事
食事は、栄養士が献立を立てて提供しています。
具体的には、栄養バランスや入居者の身体状況・嗜好などを考慮しています。
自立支援を促すためにできるだけ離床して食事を摂り、家庭と同じような時間に食事します。
食事は、入居者にとって楽しみの1つです。
そのため、旬の食材を使ったメニューや季節に応じたイベントの食事、誕生日の特別食などさまざまな工夫がされています。
入浴
特別養護老人ホームでの入浴回数は、基本、週に2回とされています。
入浴が難しい場合は、清拭をして身体を清潔にします。
また、寝たきりの方も機械浴槽などを利用して入浴できます。
排せつ
入居者の身体能力を最大限に活用するため、排せつの自立を促した上で援助を行います。
尿意や便意を感じない方には、排尿リズムを把握してトイレに誘導します。
本人がトイレまで移動できる方は、できる範囲でトイレでの排せつを促します。
寝たきりの方は、ベッドの上で排せつの介助を行います。
健康管理・緊急対応
施設に常駐している医師、訪問診療を行う医師や看護師が健康管理を行います。
また、緊急時や夜間に看護師がいない場合、すぐに連絡が取れるように緊急体制を整えています。
そのほか、施設職員が感染症や食中毒の予防対策をしています。
リハビリ
入居者の身体状況に応じて、生活リハビリを行います。
主に食事や排せつなどの日常生活を送るために必要な機能の改善や維持を目的としています。
また、身体機能の減退を防止するために訓練を行います。
レクリエーションやイベントもリハビリの1つとして提供されています。
生活支援
居室や共有スペースの清掃は、施設職員が定期的に行うため清潔に保たれています。
洗濯はクリーニングが必要な場合は実費になりますが、通常の洗濯は無料でできます。
レクリエーション・イベント
レクリエーションでは、手芸や習字など手先を使ったり、身体を使ったりするゲームが行われます。
手先や身体を使うことで、リハビリにつながります。
また、お祭り、クリスマス、誕生日会などの行事や、ショッピング、お花見などの外出イベントがあります。
施設のスタッフがさまざまなプログラムを計画しています。
看取り
最近の施設の多くは、看取りに取り組んでいます。
住み慣れた施設で最期を迎えられるように医師、看護師、介護職員が共同して看取りの体制を整えます。
本人や家族にしっかりと説明し、同意を得たうえで看取りのための介護を受けられます。
厚生労働省が定める基準を満たした入居者の看取りを行った場合、施設は「看取り加算」を請求できます。
そのため、「看取り加算」の料金が発生します。
特別養護老人ホームの費用の相場
特別養護老人ホームの費用について
- 費用内訳
- 費用の仕組み
- 費用を減免する制度
などがあります。
それぞれみていきましょう。
費用内訳
特別養護老人ホームの費用負担は、入居後の月額料金のみ負担します。
入居する際に入居一時金などの初期費用の支払いはありません。
月額費用は以下のとおりです。
- 施設介護サービス費
- 介護サービス加算
- 居住費
- 食費
- 日常生活費
ここからは、具体的な費用項目と金額をご紹介します。
施設介護サービス費
施設介護サービス費とは、施設内で受けたサービスに対して支払う費用です。
介護度や居室タイプによって金額が変わります。
介護度・居室タイプ別の施設介護サービス費自己負担額(三十日間)は以下の通りです。
介護度 | 居室タイプ | 自己負担額(30日間) |
要介護1 | 多床室・従来型個室 | 17,190円 |
ユニット型個室・ユニット型個室的多床室 | 19.560円 | |
要介護2 | 多床室・従来型個室 | 19,230円 |
ユニット型個室・ユニット型個室的多床室 | 21,600円 | |
要介護3 | 多床室・従来型個室 | 21,360円 |
ユニット型個室・ユニット型個室的多床室 | 23,790円 | |
要介護4 | 多床室・従来型個室 | 23,400円 |
ユニット型個室・ユニット型個室的多床室 | 25,860円 | |
要介護5 | 多床室・従来型個室 | 25,410円 |
ユニット型個室・ユニット型個室的多床室 | 27,870円 |
居住費
居住費とは、特別養護老人ホームで生活する上で欠かせない家賃にあたる費用です。
一日あたりの標準的な金額は、厚生労働省によって居室タイプ別に以下の通りに定められています。
居室タイプ | 居住費(1日あたり) |
多床室 | 855円 |
従来型個室 | 1,171円 |
ユニット型個室的多床室 | 1,668円 |
ユニット型個室 | 2,006円 |
介護サービス加算
介護サービス加算とは、設備や職員体制、対応する処置などに応じて基本料金にプラスされる費用です。
加算内容や費用は施設によって異なることはもちろん、入所者の利用頻度によっても金額が変わります。
食費
特別養護老人ホームでは、一日三食分の食費がかかります。
たとえ外出などで一・二食しか食べなかったとしても、三食分の費用を支払う必要があります。
厚生労働省が定める一日あたりの食費の基準費用額は、居室タイプ問わず1,392円になります。
その他必要な費用
医療費や理美容費、嗜好品、レクリエーション参加費などその他必要な費用も発生します。
ただし、おむつ代は自己負担する必要はありません。
費用の仕組み
特別養護老人ホームの費用の負担限度額は、入居者本人と配偶者、子どもの合計所得によって決定します。
合計所得とは、年間の収入から公的年金控除、給与所得控除、必要経費を引いた金額です。
基礎控除や扶養家族の状況による所得控除をする前の金額のため、課税所得ではないので注意しましょう。
費用を減免する制度
特別養護老人ホームは、介護保険制度の介護老人福祉施設、老人福祉法の特別養護老人ホームの2つの名称が掲げられています。
介護老人福祉施設、特別養護老人ホームは、高齢者保護の機能があるため、費用負担を軽減できる制度があります。
費用を減免する制度には
- 社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度
- 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
があります。
【社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度】
有料老人ホームなどへの入居が難しい低所得者や生活保護受給者でも入居できるように、利用者負担が軽減される制度です。
しかし、社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度を実施していない法人もあるので注意が必要です。
【特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)】
所得や資産などが一定以下の方に対して、負担限度額を超えた分の居住費と食費の負担額を介護保険から支給する制度です。
そのため、限度額を超えた分の費用を払う必要はなくなります。
また、特定入所者介護サービス費を利用するためには、市区町村の負担限度額認定を受ける必要があります。
詳しい手続き方法などは、市区町村の窓口に相談しましょう。
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特別養護老人ホームの入居状況
特別養護老人ホームの入居状況について
- 終身利用・長期入所が可能
- 空き状況と待機期間について
- 地域ごとに入りやすさが異なる
などがあります。
それぞれみていきましょう。
空き状況と待機期間について
特別養護老人ホームは、料金が安いため入居を希望する方が多いです。
そのため、特別養護老人ホームに入居するのは難しいといわれています。
また、入居待ちとは申し込みをしてから実際に入居するまでの期間のことをいいます。
2014年3月の厚生労働省の調査では、約52万人が待機している状況でした。
しかし、2015年4月の介護保険制度改正で、入居条件が要介護3以上に変更になりました。
そのため、改正以降、入居待ちしている方は大幅に減っている傾向にあります。
地域ごとに入りやすさが異なる
前述したように、入居条件を引き上げたことにより、入居待ちの方は減少傾向にあります。
また、地域によってはほとんど待たずに入居できるようになっています。
従って、入居を検討している施設の待機者が多い場合は、地域の問題の可能性もあります。
もし、近隣の施設の待機者が多いときは、探す地域を広げてみましょう。
平均待機期間
特別養護老人ホームは入居条件が要介護3以上であり、緊急性の高い方から入居することになります。
そのため、施設や地域によって変わりますが平均2〜3年の待機期間を要する場合もあります。
また、首都圏では地方に比べ待機期間が平均して長くなる傾向があります。
施設、生活環境によって早ければ1ヵ月以内の入居が可能であるため、詳しくは各自治体に確認をすると良いでしょう。
特別養護老人ホームの種類
特別養護老人ホームの種類には
- 広域型特別養護老人ホーム
- 地域密着型特別養護老人ホーム
- 地域サポート型特別養護老人ホーム
があります。
それぞれみていきましょう。
広域型特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームといえば、広域型特別養護老人ホームが一般的です。
定員が30名以上の施設を広域型特別養護老人ホームといいます。
広域型の特徴は、利用者の居住地がどこであっても申し込みができる点です。
地域密着型特別養護老人ホーム
地域密着型特別養護老人ホームは、定員が30人未満の施設です。
原則として、施設が所在している市区町村に住民票がある方のみ申し込めます。
地域密着型特別養護老人ホームは
- サテライト型
- 単独型
の2つに分かれます。
サテライト型
サテライト型は、別名サテライト型居住施設ともいいます。
定員が30人以上の特別養護老人ホームが本体施設となります。
サテライト型は、本体施設と連携をとりながら運営されています。
また、サテライト型は本体施設から交通手段を利用して20分以内に設置されています。
単独型
単独型は、通常の特別養護老人ホームと同等の設備、介護サービスを単独で提供する施設をいいます。
地域サポート型特別養護老人ホーム
地域サポート型特別養護老人ホームは、在宅で介護生活をしている方を対象に高齢者をサポートする施設です。
24時間年中無休で見守りの体制をとっています。
対象となる方は、
- 要介護認定を受けていて生活に不安がある方
- 介護認定は受けていないが見守りを希望する65歳以上
の方が対象です。
とくに独居生活、高齢夫婦世帯、家族と同居しているが日中に1人で過ごす高齢者を対象としています。
特別養護老人ホームの人員配置基準と設備基準
特別養護老人ホームの人員配置基準と設備基準についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
人員配置基準
人員配置基準は以下の通りです。
職種 | 人員配置基準 |
医師 | 入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数 |
生活相談員 | 入所者の数が100またはその端数を増すごとに1以上 |
介護職員または看護職員 | 入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上 |
栄養士または管理栄養士 | 1以上 |
機能訓練指導員 | 1以上 |
介護支援専門員 | 1以上(入所者の数が100又はその端数を増すごとに1を標準とする) |
出典:厚生省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」
設備基準
設備基準は以下の通りです。
居室
- 定員は1人、ただし入所者への指定介護福祉施設サービスの提供上必要と認められる場合は2人とすることができる。
- 入所者1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上
- ブザー又はこれに代わる設備を設けること。
静養室
- 介護職員室又は看護職員室に近接して設けること。
浴室
- 要介護者が入浴するのに適したものとすること。
洗面設備
- 居室のある階ごとに設けること。
- 要介護者が使用するのに適したものとすること。
便所
- 居室のある階ごとに居室に近接して設けること。
- ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、要介護者が使用するのに適したものとすること。
医務室
- 入所者を診療するために必要な医薬品、医療機器を備える他、必要に応じて臨床検査設備を設けること。
食堂及び機能訓練室
- それぞれ必要な広さを有するものとし、合計した面積は3平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上とすること。
- ただし、食事の提供又は機能訓練を行う場合において、支障がない広さを確保することができるときは、同一の場所とすることができる。
廊下幅
- 1.8メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は2.7メートル以上とすること。
消火設備、非常災害設備
- 必要な設備を設けること
出典:厚生省「指定介護福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」
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特別養護老人ホームにある居室タイプ
特別養護老人ホームの居室タイプは
- 従来型個室
- 多床室
- ユニット型個室
- ユニット型個室的多床室
があります。
それぞれご紹介いたします。
従来型個室
従来型個室の居室タイプは、部屋に廊下が面している居室になります。
いわゆる病院のような作りになっており、部屋をでると廊下があり、複数の部屋が設置されています。
個室なら独立した空間を1人で過ごすことができ、プライバシーは保護されています。
多床室
多床室の居室タイプは、1部屋に4人ほどが一緒に暮らします。
施設は、多くの入居者の介護をする必要があるため、多床室の居室では効率よく介護ができます。
また、家具やカーテンなどの可動なもので仕切られているため、プライバシーが保たれにくい可能性があります。
ユニット型個室
ユニット型個室は、10人以下の生活単位で、食堂、台所、リビングなどを囲むように個室が配置されています。
集団での介護よりも個室性が重視され、同じスタッフが介護をします。
そのため、入居者の身体状況を把握しやすくなり、安心して過ごせます。
ユニット型個室的多床室
ユニット型個室的多床室はユニット型個室と同じく、10人以下の生活単位で個室が配置されています。
しかし、個室はカーテンやパーテーションなど可動するもので仕切られるため、プライバシーは保たれにくくなります。
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特別養護老人ホームの入所基準
では、特別養護老人ホームの入所対象者はどのような方なのでしょうか。
ここからは、入所基準をご紹介します。
通常の場合
通常の入所基準は以下の通りです。
- 六十五歳以上で要介護三以上の認定を受けた方
- 四十歳〜六十四歳で特定疾病が認められた方
上記が入所基準になりますが、二十四時間医療ケアを必要とする方や伝染病の疾患がある方は入所できない場合があります。
特例
要介護一・二の方であっても、以下に該当する方は特例として入所を認められる場合があります。
- 認知症の症状によって日常生活に支障をきたし、行動やコミュニケーションの困難さが頻繁にみられる
- 知的障害や精神障害によって日常生活に支障をきたす症状や行動、コミュニケーションの困難さが頻繁にみられる
- 家族から深刻な虐待を受けている疑いがあり、心身の安全や安心の確保が困難
- 独居もしくは同居家族が病弱などの理由で家族からの介護が受けられず、地域での介護サービスや生活支援の提供も不十分
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特別養護老人ホームで提供される介護度
特別養護老人ホームは、原則要介護3~5の方が入居できます。
また、特別な事情がある方は要介護1、要介護2の方も入居が可能です。
要介護度の区分によって、介護保険内で利用できる介護サービスの限度額が決まっています。
入居者の身体の状況に合わせて、適切なサービスが提供されています。
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特別養護老人ホームのメリットとは?
特別養護老人ホームのメリットについて解説していきます。
費用が安いという最大の魅力
特別養護老人ホームは公的な施設のため、介護保険が適用されます。
そのため、民間の施設と比べて費用が安く設定されています。
有料老人ホームのように入居一時金がないため、初期費用を抑えることができます。
さらには、施設サービスの利用料金の約半額が医療控除の対象になります。
所得に応じて費用の減免制度もあります。
費用負担を減らす制度として、「社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度」と「負担限度額認定」があります。
社会福祉法人等による利用者負担の減額制度は、有料老人ホームなどへの入居が困難な低所得者や生活保護受給者でも入居できるように、利用者の負担が軽くなる制度です。
負担限度額認定は、所得や資産等が一定以下の方に対して、その方の負担限度額を超えた分の居住費と食費の負担額が介護保険から支給される制度です。
長期間または終身で入所ができる
特別養護老人ホームは原則として、終身で入所できるのがメリットです。長期入所を前提とした施設のため、ほかの高齢者施設のような入居期間の期限はありません。
例として、在宅復帰を前提とした高齢者施設である「介護老人保健施設」では、数ヶ月の入所期間で、原則退去することとなっています。
特別養護老人ホームでは、看取り介護を行う施設も多いため、入所期間は気にならず安心できます。
厚生労働省の調査では、特別養護老人ホームのうち約60%が個別に計画を立てて見取りを行なっていると回答しています。
そのうち、約15%が見取りを行なっているが、看取りの計画は立てていないと回答しています。
特別養護老人ホームでは、全体の約75%が看取りを行なっていることがわかります。
出典:厚生労働省「施設、在宅での見取りの状況に関するデータ」
24時間の介護体制
特別養護老人ホームは、厚生労働省の定める配置基準によって、24時間介護スタッフが常駐しています。
特別養護老人ホームは、配置基準は日勤する介護職員(または看護職員)の人数は、入居者3人に対して1人以上となっています。
夜間や深夜帯でも必要数の配置が決められているのです。
介護スタッフは、専門的な介護の知識や技術を身につけているプロです。
特別養護老人ホームは、介護に適した設備が充実しているため、家族では難しい場合でも安心して任せることができます。
24時間にわたって、適切な介護を受けられる環境がメリットです。
倒産リスクが少ない
特別養護老人ホームは公的な施設のため、経営は地方自治体か社会福祉法人に限られています。
開設許可を取る際には収支等の厳しい審査があります。
補助金や税制面で優遇されるなど、民間企業に比べて倒産リスクが少ないと言われています。
地方やユニット型の特別養護老人ホームは待ち時間が少ない
特別養護老人ホームは、地方部であれば待ち時間はなく、申し込みから1〜2ヶ月で入居することができます。
特別養護老人ホームの中でも、ユニット型の特別養護老人ホームは比較的待ち時間が少なく、待ち時間なしで入所できる場合もあります。
ユニット型の特別養護老人ホームは、費用が高く設定されているため、多床室型と比較して人気がないのです。
地方にある特別養護老人ホームやユニット型の特別養護老人ホームは待ち時間が少なく入所できることがメリットと言えます。
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特別養護老人ホームのデメリットとは?
特別養護老人ホームのデメリットについて解説していきます。
入所できるのは要介護3以上
特別養護老人ホームのデメリットは、要介護3以上の認定を受けた人しか入れないことです。
入居待ちが多いことが問題となったこともあり、入所が可能な人は要介護3以上に引き上げられました。
要介護1〜2でも入所できるケースもありますが、用件が厳しく定められています。
- 家族がおらず、介護者がいない
- 深刻な知的・精神的障害を抱えている
- 家族による虐待を受けている
などの場合は特例で入居することが可能となっています。
以上の点で要介護1〜2でも可能な場合がありますが、要介護3以上と入居条件が厳しいことがデメリットといえます。
入所までに時間がかかる
特別養護老人ホームは、安い費用で利用できるため、入居希望者が多い傾向があります。
そのため、入居までに長期間待つことになってしまいます。
特別養護老人ホームは、2015年に入居条件の改正があり、入居待機者は減少傾向にあります。
2019年12月の厚生労働省の発表では、特別養護老人ホームの待機者は29万2,000人で2016年の待機者数よりも3000人ほど減少しています。
待機期間は地域や施設によって異なります。
場所によっては数年かかることもあり、特別養護老人ホームは待機者が多いことが課題となっています。
出典:厚生労働省「介護老人福祉施設」
医療体制が不十分な場合もある
特別養護老人ホームは、医師の配置が義務付けられていますが、必ずしもずっと特別養護老人ホームにいるわけではありません。
週に1〜2回施設へ来る非常勤の医師になります。
入所者が定期診察を受けることができるのは、月に1〜2回のため、緊急対応が必要な場合や常時医療ケアを受けることはできないのです。
また、特別養護老人ホームは24時間の看護師配置は義務付けられていません。
施設の体制によっては、夜間のたん吸引や医療依存度の高い方の受け入れができない場合があります。特別養護老人ホームで受け入れられない場合は他の施設を検討しなくてはなりません。
そのため、特別養護老人ホームは、要介護3以上の方を受け入れていますが、重度の医療ケアには対応することができないことがデメリットといえます。
認知症の場合は入居できないことも
特別養護老人ホームでは、認知症を患っていて暴言や暴力などで周囲の入居者に迷惑をかける可能性がある場合は入居できない可能性があります。
特別養護老人ホームは、集団で生活する施設のため、他の入居者に迷惑をかける人の場合、個別に対応しなくてはなりません。
その場合、介護士が生活介助を効率的におこなえなくなってしまいます。
認知症であることがわかっており、症状も重いとわかっている場合は入居時の入所判定会議で断られることが多々あります。
認知症であっても、周りの人に迷惑をかけたりしない場合や徘徊などの可能性も高くない方は入居可能な場合もあります。
周囲に迷惑を及ぼす恐れがある場合は、入居することが厳しいと考えておきましょう。
ユニット型は費用が高くなる
特別養護老人ホームの中にも、多床室(相部屋)型の特別養護老人ホームではなく、1〜9人を1つのグループとして個別ケアを行うユニット型があります。
このユニット型では費用が高くなる可能性があります。
多床室型の養護老人ホームでは、集団ケアで食事や入浴の時間が決められています。
決められた順番に沿って入浴を行うなど、スケジュールが決められているのです。
ユニット型の場合は、Aさんは18時でBさんは19時、Cさんは17時というように個別でケアを行います。
ユニット型では、介護士の労力がかかり、効率も悪くなってしまいます。
そのため、入居者の数を少なくすることや介護職員を増員する必要があるため、費用が高くなってしまうのです。
特別養護老人ホームは費用が安いというメリットもありますが、ユニット型特別養護老人ホームでは民間の介護施設と変わらない費用がかかってしまいます。
所得によって費用が変わる
メリットにも記述している要素ですが、特別養護老人ホームは所得によって費用が変わるのが特徴です。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの公的施設では、負担限度額制度という軽減制度があることが一般的です。
負担限度額認定は5段階に分かれています。
負担限度額の第1段階と第4段階では、入居費用が約7万円も変わることがあります。
所得が高く、負担限度額認定が第4段階の方には、費用が高くなる場合があることがデメリットと言えます。
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特別養護老人ホームの申し込みの流れ
特別養護老人ホームの申し込みの流れはどのようになっているのでしょうか?
以下でそれぞれみていきましょう。
入居の申し込み方法
特別養護老人ホームを選ぶ際に、インターネットで情報を集めたり、資料請求をしたりして申し込む施設を決めましょう。
入居を希望する施設がみつかったら、見学をします。
ホームページや資料に載っている写真と実物が違うこともあります。
そのため、自分の目で確認することが大切です。
入居の申し込み方法は以下の手順で行います。
- 入居を希望する施設から、訪問や郵送で申し込み書類を入手する
- 入居申込書、介護保険証のコピーなど提出書類をそろえる
- 必要な書類をそろえたら、入居を希望する施設に直接申し込みをする
- 希望する施設が複数ある場合、施設ごとに申し込みをする
入居に必要な書類は、施設や市区町村によって異なります。
介護認定調査票の写しや健康診断書が必要な場合もあるので注意しましょう。
入居決定後の流れ
特別養護老人ホームに入居を申し込むと、施設は審査を行います。
入居決定後の流れは以下のとおりです。
- 入居決定の連絡が来たら、施設側と入居予定日の調整を行う
- 施設または自宅で、契約書、身元引受書、重要事項説明書など書類に関する説明を受け、署名および捺印をする
- 入居後は、特養の所在地に住民票を異動しておく
施設で入居日や契約の説明について話し合いをするときは、施設側で送迎を行ってくれる場合もあります。
そのため、事前に施設に確認しておきましょう。
また、入居後に住所変更を行わないときは、医療保険関係や介護保健関係の郵便物は施設に届くようにしておきましょう。
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特別養護老人ホームに早く入所するには?
特別養護老人ホームは人気があるため、なかなか入居できないことが多いです。
基本的に空き室がでるまで待機することになります。
しかし、早く入居するコツがあるので、どのようなコツがあるのかみていきましょう。
早く特別養護老人ホームに入居したい場合、複数の特別養護老人ホームに登録しましょう。
施設の登録は必ずしも1つまでとは決まっていません。
同時に2つ、3つなど登録できます。
複数の施設に登録しておくことで、入居できる確率が高まります。
また、費用は少し高くなりますが、ユニットタイプの居室がおすすめです。
特別養護老人ホームには、従来型とユニットタイプの居室タイプがあります。
ユニットタイプは、1室に1つのベッドがあるため、プライバシーが守られています。
ユニットタイプは月々の利用料金が数万円ほど高くなり、あまり人気がありません。
そのため、早く特別養護老人ホームに入居したい場合は、ユニットタイプに絞ってみましょう。
さらに、デイサービスやショートステイなどの福祉サービスを積極的に利用することが大切です。
福祉サービスを積極的に利用することで、介護が大変であることをアピールできます。
何度も福祉サービスを利用しアピールすることで、家族を覚えてもらいやすくなります。
その結果、施設を優先的に紹介してもらえる可能性があります。
介護保険における居宅サービスの中でも代表的な訪問介護。条件によっては、訪問介護が利用できない場合もあります。一体、どのような条件や特徴があるのでしょうか?今回は、訪問介護について以下の点を中心にご紹介します。 […]
特別養護老人ホームとその他の施設との比較
特別養護老人ホームとその他の施設には、どのような違いがあるのでしょうか?
主な違いについて、以下の表にあらわしています。
入所基準 | 費用 | 居室タイプ | サービス内容 | |
特別養護老人ホーム | (原則)要介護3以上 | 入居一時金:0円 月額費用:8~13万円 | 個室/多床室 | 身体介護を中心とした自立支援 |
介護老人保健施設 | 要介護1~5 | 入居一時金:なし月額費用:9~20万円 | 個室/多床室 | 医療的ケアとリハビリ |
養護老人ホーム | 自立した高齢者 | 入居一時金:なし月額費用:0~14万円 | 個室/多床室 | 食事の提供、健康管理を含む自立支援 |
有料老人ホーム | 自立・要支援1~要介護5 | 入居一時金:0~数千万円、月額費用:15~40万円※施設により異なる | 個室 | レクリエーションやイベントが充実 |
特別養護老人ホームとその他の施設には、入居基準や費用にさまざまな違いがあります。
具体的に以下でみていきましょう。
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特別養護老人ホームと介護保険施設との違い
介護保険施設には
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
があります。
それぞれ特別養護老人ホームとの違いについてみていきましょう。
介護老人保健施設
介護老人保健施設と特別養護老人ホームとの大きな違いは、入居目的にあります。
特別養護老人ホームは、介護を受けながら長期で生活をする施設です。
対して、介護老人保健施設は介護を受けながらリハビリをして在宅復帰を目指す施設です。
また、介護老人保健施設は3~6ヶ月程度の入居期間後に退去することが前提です。
そのため、特別養護老人ホームと比較すると空室が多く、入居しやすい施設です。
しかし、介護老人保健施設は終のすみ家として利用できないことには注意が必要です。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、医療保険で利用する「医療費療養病床」と介護保険で利用する「介護療養病床」に分けられます。
医療の必要度が低い方は、介護療養病床での生活を送ります。
介護療養型医療施設は、もともと社会的入院の解消のために作られました。
社会的入院とは、入院の必要のない方が退院後に住むところがない場合、長期間入院できることをいいます。
しかし、医療療養病床と介護療養病床との住み分けがうまくいかなかったため、2023年3月に廃止予定です。
介護医療院
介護医療院は、介護療養型医療施設の介護療養病床を引き継ぐ形で作られました。
介護医療院は、長期にわたって療養が必要な要介護1以上の方を対象にしています。
充実した医療ケアと日常的に介護を受けられます。
入院生活が抜け出せなくなってしまう介護療養型医療施設の反省点から、生活の場を提供することを意識しています。
喀痰吸引、経管栄養などの重度の方への医療ケアも充実しています。
そのため、医療ケアの必要な方には大きなメリットがある施設です。
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特別養護老人ホームと介護老人保健施設との違い
前述のとおり、介護老人保健施設は在宅復帰を目指す施設です。
そのため、リハビリを中心とした介護サービスが提供されます。
また、介護老人保健施設は3~6ヶ月の入居期間のため、長期での入居はできません。
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特別養護老人ホームと養護老人ホームとの違い
特別養護老人ホームは、常に介護を必要とする高齢者が介護を受けながら生活ができる施設です。
そのため、高齢者の介護が施設の主な目的です。
介護保険を利用して介護サービスを受けられます。
一方、養護老人ホームは介護保険を利用する施設ではありません。
養護老人ホームは、生活環境や経済的な理由で困窮した高齢者が、自立した生活を送れるようにするための施設です。
そのため、施設の目的は高齢者の養護であり、本人の社会復帰をサポートします。
また、特別養護老人ホームは施設と本人が契約して入居します。
養護老人ホームは市区町村が本人の調査を行った上で、入居の必要性があるか判断します。
特別養護老人ホームと有料老人ホームとの違い
特別養護老人ホームと有料老人ホームは、どちらも高齢者のための介護施設です。
しかし、特別養護老人ホームは公的施設であるのに対し、有料老人ホームは主に民間企業が運営する民間施設です。
特別養護老人ホームは公的施設のため、介護度の高い方や低所得者の保護や支援に重点を置いています。
一方、有料老人ホームは民間施設のため、高齢者のニーズを満たすことに重点が置かれています。
そのため、さまざまなサービスを提供しており、入居条件や費用、サービス内容が異なります。
一口に介護施設といっても種類は様々であり、入居条件や費用などがそれぞれ異なります。そのため、いざ入居を考えても実際にどの介護施設を選べば良いのか分からないですよね。被介護者に合った介護施設を見つけるためには、それぞれの施設の特徴[…]
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特別養護老人ホームと他の介護施設との違い
介護施設の種類と特徴
種類 | 運営 | 介護度 | 認知症 | 重度 認知症 | 看取り | 入居しやすさ |
特別養護老人ホーム | 公的施設 | 要介護3以上が入居可能 | 可 | 可 | 可 | 不可 |
軽費老人ホーム | 自立から要介護5まで 入居可能 施設によって条件あり | 施設によって可 | 不可 | 不可 | 施設によって可 | |
ケアハウス | 自立から要支援2まで入居可能 施設によっては要介護1~5まで 入居可能 | 施設によって可 | 不可 | 不可 | 施設によって可 | |
サービス付き 高齢者向け住宅 | 民間施設 | 自立から要介護5まで 入居可能 | 可 | 施設によって可 | 施設によって可 | 可 |
介護付き有料 老人ホーム | 要介護1~5まで入居可能 施設によっては自立から 要支援2まで入居可能 | 可 | 可 | 可 | 可 | |
住宅型有料 老人ホーム | 要支援1から要介護5まで 入居可能 施設によっては自立も 入居可能 | 可 | 施設によって可 | 可 | 可 | |
グループホーム | 要支援2から要介護5まで 入居可能 | 可 | 可 | 施設によって可 | 施設によって可 |
軽費老人ホーム
軽費老人ホームは、老人福祉法により定められている施設です。
社会福祉法人や地方自治体などが運営する福祉施設のことです。
身寄りがない人や家庭環境、経済状況によって自宅での生活が困難な高齢者が暮らす老人ホームです。
軽費老人ホームには食事提供サービスがある「A型」、自炊が必要な「B型」、食事と生活支援サービスがある「C型」の3種類があります。
入居者の条件は地域によって異なりますが、認知症の方には一般的に対応していません。
C型の軽費老人ホームは、一般的にケアハウスと呼ばれています。
近年では、設置基準の緩和により、東京などの大都市圏でも定額で利用ができる「都市型系老人ホーム」も誕生しています。
ケアハウス
ケアハウスは、経済的な負担が少ない「軽費老人ホーム」の一つです。
自宅での単身で生活することの不安や、家族の援助を受けられないなどの事情を持つ高齢者向けの施設です。
ケアハウスには一般型と介護型があります。
一般型は、主に自立状態の高齢者の方を対象にした施設です。
洗濯や食事など生活支援サービスを受けることができます。
介護が必要となった時には、訪問介護や通所介護などの在宅サービスを利用していきます。
一方、介護型は介護度が重くなっても住み続けることが可能な施設です。
生活支援サービスに加えて、介護サービスや通院の付き添い、安否確認などのサービスが利用可能です。
介護型ケアハウスは、一定の人員基準や設備基準を満たし、都道府県から事業認定を受けた特定施設です。
そのため、一定の水準が約束されている施設といえます。
入居対象者は60歳以上と幅広いため、特別養護老人ホームほどではないですが、待機者が多く、入居までに一定期間が必要です。
グループホーム
グループホームは、認知症の方が5人から9人程度の少人数でユニットを作り、専門職員からサポートを受けながら共同生活をする施設です。
入居者のできることやできないことに合わせて、洗濯・料理などの役割を入居者で分担しながら暮らしていることが特徴です。
自分ができる範囲は自分で行うことで、認知症の進行を遅らせつつ、専門職のケアを受けることができます。
サービス付き高齢者住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、介護施設ではなく住宅として扱われる住まいのことです。
サービス付き高齢者向け住宅が必ず提供しなければならないサービスは、「安否確認」「生活相談」のみとなっています。
安否確認や生活相談が必須となっているため、いざという時は適切な対応やサービスが受けられる環境(医療・介護への繋ぎ)が確保されています。
外出や外泊ができることが多く、老後をのんびりと生活がしたい方におすすめの施設になります。
サービス付き高齢者向け住宅には「一般型」と「介護型」があります。
一般型は、外部事業者による居宅サービスを利用します。
介護型は、担当の介護職員が介護サービスを提供します。
高齢者向けの公的な賃貸住宅として、シルバーハウジングというものがあります。
実際には民間のサービス付き高齢者向け住宅が同様の役割を果たしています。
サービスの内容や質についても大きな差はありません。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、本格的な介護や生活支援など広範囲のサービスを入居者のニーズに合わせて提供する施設です。
介護が必要となっても、施設が提供する介護サービスである「特定施設入所者生活介護」を利用しながら、生活を継続することができます。
介護付き有料老人ホームは、「介護専用型」と「混合型」に大きく分けられますが、入居自立を条件とした、「自立型」も稀に見られます。
介護サービスの費用は、要介護度によって決められた定額を負担します。
介護保険サービスが定額となっているため、月々の予算が立てやすいことが特徴です。
住宅型有料老人ホーム
住居型有料老人ホームは、生活支援等のサービスがついた高齢者向けの住居施設です。
介護が必要ない自立の方から要介護度がある方まで、幅広く入居可能な施設です。
介護が必要となった場合は、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等のサービスを利用しながら、入所を続けることができます。
老人ホームの特徴である、生活を充実させるためのイベントやレクリエーションが充実しています。
また、他の入居者とコミュニケーションをとることなど、他者との交流を深め楽しく老後の生活を送ることができるのが魅力です。
住居型有料老人ホームは、介護付き有料老人ホームと比べて、施設が定めた介護サービスだけでなく、在宅介護サービスを組み合わせて利用することができます。
そのため、本人にあった介護サービスを受けられることが、住居型有料老人ホームのメリットです。
出典:厚生労働省「施設・居住系サービスについて」
出典:厚生労働省「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」
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介護施設の中で特別養護老人ホームがおすすめな人
様々な種類のある介護施設の中で、特別養護老人ホームがおすすめな人は、以下のことに当てはまる人です。
- 費用を抑えたい人
- 重度の医療ケアが必要ない人
- 長期間、または終身で入居したい人
以上のことについて、見ていきましょう。
費用を抑えたい人
毎月の費用を抑えたい方は特別養護老人ホームがおすすめです。
老人ホームの中でも、民間の介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームの場合は、豪華な設備や必要最低限以上の介護士が常勤しているため、充実したサービスが受けられる場合もあります。
しかし、それよりも費用の安さを重視したい方は、特別養護老人ホームが適していると言えます。
安さだけで特別養護老人ホームに入所するかどうかを決めることはできません。
特別養護老人ホームの入所条件を満たしており、費用をできるだけ安く抑えたい方には、特別養護老人ホームが向いているでしょう。
重度の医療ケアが必要ない人
次におすすめの人は、重度の医療ケアが必要ない人です。
特別養護老人ホームでは、前述したように配属医が非常勤で働いています。
各入居者が医師の診察を受けることができるのは1〜2ヶ月に1回の定期検診となります。
急な診察が必要になった場合に、特別養護老人ホームで対応できることは少なく、近隣の病院に搬送されることが一般的です。
そのため、重度の医療ケアが必要ない方の方が、特別養護老人ホームが向いていると言えます。
長期間または終身で入居したい人
最後に、特別養護老人ホームがおすすめの方は長期間や終身に渡って入居したい人です。
特別養護老人ホームは、看取り介護も行なっています。
そのため、終末期に病院で治療を受けながら最後を迎えることや、他の介護施設へ転居することが嫌な方には特別養護老人ホームは向いているでしょう。
途中から医療的ケアが必要になり、病院での最後を迎えることもあるかもしれません。
本人や家族の希望として、特別養護老人ホームで終身に渡って過ごしたいという方には特別養護老人ホームはおすすめです。
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特別養護老人ホームまとめ
今回は、特別養護老人ホームについてご紹介しました。
要点は以下の通りです。
- 特別養護老人ホームは国や自治体が運営する公的施のため、費用が安く、入所しづらいという特徴がある
- 特別養護老人ホームの入所基準は、原則として六十五歳以上で要介護三以上もしくは四十~六十四歳で特定疾病が認められた高齢者の方
- 特例として認められた場合は要介護一・二の方でも入所できる場合がある
- 特別養護老人ホームの入所にあたり、施設介護サービス費や居住費、食費など様々な費用がかかる
- 特別養護老人ホームと介護老人保健施設は目的やサービス内容、入所期間などに違いがある
これらの情報が皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。