介護職をしていて、自分のボーナスがいつ支払われるのか、平均額が気になりませんか?
職種や資格の有無、勤続年数、年齢、他の職場でのボーナス額についても知りたいのではないかと思います。
そこで今回の記事では介護職のボーナスについて以下の点を中心にご紹介します。
- 介護職のボーナスの相場
- サービス形態別のボーナス額
- 職種ごとのボーナス額
- ボーナスを増やすには
ぜひ最後までお読みください。
介護とは人の命に係わる仕事です。いろいろな専門性が求められるため、国家資格から民間の資格までさまざまな資格があります。具体的にはどのような資格があるのでしょうか?本記事では、介護の資格について以下の点を中心にご紹介します[…]
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介護職のボーナス(賞与)とは
ボーナスとは毎月の定期給与と別に支給される給与のことをいいます。
ボーナスは支払いの時期や回数に関する規定がないため、勤務する会社により異なります。
年に1~2回支給する会社や、ボーナスが設定されていない会社もあります。
ボーナス査定の基準は基本給に設定されているところが多いです。
求人広告等では「基本給の〇〇ヶ月分」とボーナスの額が記載されています。
業績が良い会社の場合、ボーナス支給額が多い傾向にあります。
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介護職のボーナスが平均いくらかの相場
介護職のボーナス相場について金額を交えて解説していきます。
ここでは公益財団法人である介護労働安定センターが統計している数字を引用し解説します。
まずボーナスの制度がある事業所は全体では76.2%です。
ボーナスを支給する義務はなく、事業所ごとに支給するか否か決めており、ほとんどの事業所でボーナスの制度を採用しているといえます。
次に正社員のボーナス支給額です。
介護職員に支給された年間の平均ボーナス額は61万円です。
年に2度支給されるので、一度に支給されるボーナス額は約30万円です。
次に、雇用形態別のボーナス支給割合をご紹介します。
正社員の介護職員になれば、高い割合でボーナスが支給されるといえます。
一方非正規雇用の場合、正規雇用と比べるともらえる割合は小さくなっていますが、半分以上の事業所は非正規雇用の方でもボーナスを支給しています。
正社員 | 非正規雇用職員 |
76.6% | 64.0% |
男女別の平均賞与は以下の通りです。
大きな金額の差ではありませんが、男性の方がやや高い傾向があります。
男性 | 女性 |
64万円 | 60万円 |
年齢別の平均支給額
以下の表は年齢別の平均支給金額です。
何歳であっても安定したボーナス額がもらえるともいえます。
年齢が高いほどボーナスの支給額が高いわけではありません。
年齢 | 平均支給金額 |
20歳未満 | 33万円 |
20歳以上25歳未満 | 46万円 |
25歳以上30歳未満 | 52万円 |
30歳以上35歳未満 | 58万円 |
35歳以上40歳未満 | 62万円 |
40歳以上45歳未満 | 66万円 |
45歳以上50歳未満 | 66万円 |
50歳以上55歳未満 | 66万円 |
55歳以上60歳未満 | 67万円 |
60歳以上65歳未満 | 54万円 |
65歳以上70歳未満 | 42万円 |
70歳以上 | 39万円 |
勤続年数ごとの平均支給金額
経験年数が多いほど基本給が高くなるため、ボーナス額も比例して高くなります。
年数が多くなれば役職や資格もつくため、金額は上がる傾向があります。
新卒1年目のボーナス支給額も記述してあるので、新卒1年目の方もチェックしてみてください。
勤続年数 | 平均支給金額 |
1年未満 | 36万円 |
1年以上2年未満 | 36万円 |
2年以上3年未満 | 51万円 |
3年以上4年未満 | 54万円 |
4年以上5年未満 | 56万円 |
5年以上10年未満 | 59万円 |
10年以上15年未満 | 69万円 |
15年以上20年未満 | 79万円 |
20年以上 | 100万円 |
サービス形態別のボーナス額
サービス形態別の年間ボーナス額について統計表を解説します。
事業形態 | 平均支給金額 |
介護老人福祉施設(特養) | 81万円 |
介護老人保健施設(老健) | 73万円 |
特定施設入居者生活介護 | 53万円 |
訪問介護 | 46万円 |
通所介護 | 50万円 |
グループホーム | 38万円 |
特定施設入居者生活介護が中央に位置しています。
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)、訪問介護、通所介護では大きな差はありません。
ですが他のサービス形態と比べると低くなっています。
介護老人保健施設、介護老人福祉施設などの入居型サービスは他のサービスと比べると金額が高い傾向があります。
他の業界でもそうですが、介護業界でも事業所の規模が大きくなれば給料が高い傾向があります。
訪問介護や、通所介護、認知症対応型共同生活介護事業所などは小さい規模での運営となっています。
一方で介護老人福祉施設、介護老人保健施設は医師や看護師がいる事と、24時間運営しているため事業規模が大きいです。
事業規模が大きいと、ボーナス額や給料も比例して大きくなります。
通所介護や訪問介護の仕事をしながらボーナス額を上げたい場合は、特養や老健を一緒に運営している事業規模の大きい事業所で働くのがおすすめです。
介護施設の種類や違いについても解説していますので、以下の記事も併せてご覧ください。
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職種ごとのボーナス額
職種ごとのボーナス額は以下の通りです。
業種別 | 平均支給金額 |
全体平均 | 61万円 |
訪問介護員 | 46万円 |
介護職員 | 56万円 |
サービス提供責任者 | 65万円 |
生活相談員 | 70万円 |
看護職員 | 73万円 |
介護支援専門員 | 70万円 |
訪問介護員は事業規模が小さいためか、ボーナス額が一番小さいです。次いで介護職員のボーナス額が小さくなっています。
訪問介護員や介護職員のボーナス額から他の職種を比べると、サービス提供責任者や生活相談員、看護職員、介護支援専門員のボーナス額が高い傾向にあります。
サービス提供責任者や生活相談員、介護支援専門員は、介護職員として経験を積んで資格を取得する場合が多いです。
看護職員も看護師の資格を必要とする職種です。
資格の有無がボーナス額に大きな影響を与えているといえます。
ボーナスの支給時期・査定基準
ボーナスの支給時期は一般的な企業と同じであり、夏のボーナス(賞与)は6月または7月、冬のボーナス(賞与)は12月が多いです。
ボーナス月は6月、7月、12月となります。
審査基準は、個人への評価が難しいため、基本給から査定されることが多いです。
事業所によっては保有している資格、役職から査定されることもあります。
遅刻や欠勤といった勤怠の悪い行動が多いと、ボーナス額を減らされてしまいます。
遅刻や欠勤をしないように体調管理や日常生活に気を配るのが良いです。
ボーナスを増やすには?
ボーナス額を増やす方法を紹介します。
資格を取る
介護の資格を取得する方法があります。
まず資格がない場合は、介護職員初任者研修から取得します。
介護の初歩的な研修となっています。
次に、6ヶ月程度の研修期間を経て実務者研修を取得します。
次に介護福祉士を取得します。
3年以上の実務経験がなければ受験資格がなく、試験に合格する必要があります。
それぞれの資格の平均ボーナス額です。
保有資格 | 平均支給金額 |
無資格 | 40万円 |
介護初任者研修 | 44万円 |
実務経験者 | 44万円 |
介護福祉士 | 61万円 |
無資格よりも資格のある方が給料は高くなります。
介護福祉士を取得すれば、ボーナス額を大きく増やすことができます。
難易度が高い資格の方が、ボーナス額で優遇を受けられます。
管理職・役職に就く
管理職や役職に就く方法があります。
介護職にはユニットリーダー、介護主任、介護課長、サービス提供責任者などの役職があります。
毎月に役職手当がつくため、基本給があがり、ボーナス査定額も上げることができます。
基本給が高い職場に入る
基本給が高い職場に転職する方法があります。
ボーナスの査定額が基本給から算定される場合、ボーナス額が高い傾向があります。
介護業界は人手が足りないため、給料面での優遇で人材を集める職場もあります。
事業規模が今よりも大きい事業に転職すれば、基本給やボーナスも期待できます。
今の職場でボーナス額に不満がある場合、思い切って転職をするのも手です。
ボーナスは基本給の何ヶ月分?
ボーナスは勤務する会社により異なりますが、平均的には基本給の約3.5ヶ月分です。
しかし、毎年同じ額が支給されるというわけではありません。
理由として以下の要因が考えられます。
- 会社の業績(良ければボーナスアップ、悪ければボーナスダウンかゼロ)
- 個人の業績(会社に対する貢献度によりボーナス支給額は左右される)
- 管理職・役職の有無
- 雇用形態(正規職員は多く、嘱託・非常勤職員は少ない傾向にある)
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ボーナスが入ったら年収はいくらになる?
ボーナスを含めた平均年収は勤続年数により異なります。
勤続年数が長いほどボーナスを含めた年収は高くなる傾向があります。
令和2年2月末日の勤続年数別による平均年収は以下の表の通りです。
平均月給額(円) | 平均年収額(円) | |
全体(平均勤続年数:8.1年) | 31万5850 | 379万0200 |
1年(勤続1年~1年11カ月) | 28万3480 | 340万1760 |
2年(勤続2年~2年11カ月) | 28万7940 | 345万5280 |
3年(勤続3年~3年11カ月) | 29万1010 | 349万2120 |
4年(勤続4年~4年11カ月) | 29万6700 | 356万0400 |
5~9年 | 30万7980 | 369万5760 |
10年以上 | 35万0820 | 420万9840 |
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ボーナス支給日の調べ方は?
ボーナスの支給日は会社の就業規則などに定めているところが多いです。
人事部や総務部などが就業規則を保管していることが多いため、確認してみてください。
就業規則などが手元になく、わからない場合があります。
直属の上司や同僚、人事部や総務部などに直接聞いて確認してみてください。
勤め先が国家公務員の場合は人事院規則により6月30日、12月10日と定められています。
地方自治体の場合は条例で定められていますが基本的に国家公務員と同じ場合が多いです。
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契約社員でもボーナスは出る?
契約社員のボーナスについて解説します。
まず正社員ですが、企業に直接雇用されて働きます。
メリットは雇用された後は長期で働けることであり、デメリットは長時間労働や残業などが発生する場合があることです。
次に契約社員ですが、正社員と同じく企業に直接雇用されて働きます。
正社員と同じ給料で働くことができる一方、働き始めた際に雇用期間を定められます。
一定期間働いた後に契約が終わり、契約更新をしないと続けて働くことができません。
正社員にボーナスを支給している会社が多くても、契約社員にボーナスを支給するか否かは会社によって違います。
仕事内容は正社員と一緒ですが、正社員がもらえる賞与や退職金が、契約社員ではもらえない場合が多いです。
契約社員も5年働くことで無期転換することができますが、賞与や退職金が無いケースも多くみられます。
契約社員の給料やボーナスに満足できない場合は、正社員になる選択肢も必要です。
介護職のボーナスのまとめ
ここまで介護職のボーナスの相場について中心に書いてきました。
記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 介護職のボーナス相場は61万円
- 事業所の規模に比例してボーナス額も上がる
- 役職や資格の有無でボーナス額が上がる
- ボーナス額を上げるには、資格取得や役職に就く、転職を考えることが必要
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。