介護の仕事をする方が最初に取ることをおすすめする介護職員初任者研修には、仕事をしながら気軽に受講できる通信講座があります。
介護職員初任者研修の通信講座は、一体どのような講座なのでしょうか?
今回は、介護職員初任者研修の通信講座について以下の点を中心にご紹介します。
- 介護職員初任者研修とは
- 介護職員初任者研修の通信講座について
- 介護職員初任者研修の通信講座の流れ
また介護職員初任者研修取得のメリットについても解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
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介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修とは、都道府県が指定した資格講座を修了することで得られる公的資格です。
これから介護の仕事を始めたいと思っている方や、無資格で介護関係の仕事をしている人におすすめの資格です。
介護職員初任者研修は介護に必要な基礎知識や技術を総合的に学ぶので、介護士としての土台をしっかりと作ることができます。
取得には年齢や経験等の条件がなく、働きながらでも資格が取得できる点もおすすめなポイントです。
受講内容は全130時間の講義や演習で、最後に修了試験に合格すれば自動的に資格が取得できます。
講座により詳細は異なりますが、最短で一ヶ月の取得も可能です。
なお、介護職員初任者研修はかつての「ホームヘルパー2級」が廃止された代わりに生まれた資格です。
よく「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」という表記を見かけますが、全く同じではありません。
ホームヘルパー2級しか持っていない人が履歴書に「介護職員初任者研修」と勝手に読み替えて記入することは認められていないので注意しましょう。
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介護職員初任者研修の通信講座とは
ここからは、介護職員初任者研修の中でも特に多い通信講座についてご紹介します。
介護職員初任者研修の通信講座の押さえておくべきポイントは以下の2つです。
- 介護職員初任者研修は通信講座だけで取れるのか
- 通信講座と通学の併用
介護職員初任者研修は通信講座だけで取れるのか
結論から申し上げると、介護職員初任者研修を通信教育だけで取得することはできません。
なぜなら、各都道府県の実施要綱によって通信学習が可能なのは「全130時間のうち40.5時間まで」と定められているからです。
介護職員初任者研修の通信講座は通信教育だけではなく、通信と通学の併用により実施されています。
通信講座とは言っても、通学も必ず必要になるので注意しましょう。
なお、通信講座以外には全て通学によって実施されている場合もあります。
【参考 通信形式で実施できる項目ごとの上限時間と各項目の総時間】
項目 | 通信講座時間 | 総時間 |
1.職務の理解 | 0時間 | 6時間 |
2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 7.5時間 | 9時間 |
3.介護の基本 | 3時間 | 6時間 |
4.介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 7.5時間 | 9時間 |
5.介護におけるコミュニケーション技術 | 3時間 | 6時間 |
6.老化の理解 | 3時間 | 6時間 |
7.認知症の理解 | 3時間 | 6時間 |
8.障害の理解 | 1.5時間 | 3時間 |
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 12時間 | 75時間 |
10.振り返り | 0時間 | 4時間 |
合計受講時間 | 40.5時間 | 130時間 |
※引用:東京都介護員養成研修事業実施要綱
通信と通学の併用
介護職員初任者研修の通信は、通信学習(自宅学習)と通学を併用して実施されています。
それでは、通信と通学が併用で実施されるスクールは通学のみと比べるとどのような違いがあるのでしょうか。
メリット
介護職員初任者研修の講座について、通学のみのスクールと比較したときの通信講座のメリットは以下の通りです。
- 自分のペースで学習できる
- 働きながら学習できる
- モチベーションも保つことができる
通信学習の自宅学習の部分は自分の空いた時間に取り組むことができるので、自分のペースで学習を進めることができます。
また、通信講座の場合は通学のスケジュールの週1回程度であるため、働きながらでも楽に資格を取得することができます。
さらには、スクールメイトと交流し励まし合いながら学習期間を過ごせます。
一般的な通信講座にありがちな「独りの学習はモチベーションが続かない」といったことも軽減されます。
注意する点
介護職員初任者研修の講座について、通学のみのスクールと比較したときの通信講座の注意点は以下の通りです。
- 講座修了まで時間がかかる
- 自宅での学習に集中できない可能性がある
通学講座は平日の日中に集中して実施するため最短1ヶ月で介護職員初任者研修が取得できるのに対し、通信講座の場合は3~4ヶ月程度かかるのが一般的です。
全130時間のうち通信部分は40.5時間に限られているので、スクーリングが週1~2回程度しかない通信講座の場合は資格取得までどうしても時間がかかってしまいます。
また、教室に通って集中できる環境の下で学習できる通学講座と比較し、通信講座の場合は自宅学習のため集中が途切れてしまうこともあります。
レポート作成をしていて分からない問題があったとき、すぐに質問をすることができないので学習が止まってしまう可能性がある点にも注意しましょう。
ただし通学の場合はスケジュール的に働きながら資格を取得することは困難です。
すでに介護の仕事に就いている方や現在別の仕事をしていて介護士に転職したいと考えているのであれば、通信講座の受講がおすすめです。
介護職員初任者研修の通信の流れ
介護職員初任者研修の通信の受講開始から修了までの流れは、概ね次のようになっています。
- 教材を受け取る
- 通信講座やスクーリングを受講する
- 修了試験に合格する
- 修了証書を受け取る
それでは、項目ごとに詳細を解説していきます。
1.教材を受け取る
申込をしたら、通信学習の教材や各種テキストを受け取ります。
受け取り方法は、介護職員初任者研修講座の開講式が開かれていた際に直接受け取る方法と、郵送にて受け取る場合があります。
どちらの場合も受け取ったすぐに内容を確認し、落丁や不足しているものがないかしっかり確認しましょう。
2.通信講座やスクーリングを受講する
教材を受け取ったら、早速通信学習やスクーリングが開始になります。
通信学習はテキストを使って自己学習をしながら課題をスクールに提出し、採点してもらいます。
万が一課題が合格点に至らなかった場合は再度学習して課題を提出し、科目ごとに合格点が貰えるまで繰り返します。
再提出となると別途料金がかかる場合があるので、提出する際には見直しをしながら慎重に回答し、一発合格を目指しましょう。
スクーリングは一回あたり6~8時間の講座が13~15回程度開催されます。
教室の場所や通学経路、移動手段については事前に確認しておきましょう。
遅刻すると出席が認められない場合もあるので、早めに移動してトラブルを未然に防ぐように留意しましょう。
3.修了試験に合格する
通信講座の全科目に合格し、スクーリングの全行程に出席することにより、修了試験を受験できます。
試験とはいっても難易度は低く、真面目に勉強してきた人であれば基本的に不合格になることはないでしょう。
4.修了証書を受け取る
修了試験に合格すると、晴れて介護職員初任者研修修了の資格を得ることができます。
資格保有の証明となるのは、修了時に受け取る修了証です。
修了証の氏名やスクール名、修了日などの記載内容に間違いがないかをしっかり確認しましょう。
修了証書は勤務先から呈示を求められることになるので、無くしたり汚したりしないよう、大切に保管しましょう。
介護職員初任者研修の取得メリット
介護職員初任者研修を取得すると、以下の3つのメリットがあります。
- 資格手当が貰える
- キャリアアップが期待できる
- 知識を深めることができる
それぞれのメリットについて、詳しくご紹介します。
資格手当が貰える
介護職員初任者研修を取得するメリットの一つ目は、資格手当が貰えることです。
実務者研修や介護福祉士といった上位資格と比較すると金額は少ないですが、無資格でも働くことができる介護施設の場合は資格手当を得られる場合があります。
金額は多くても3,000円程です。
また、資格手当以外にも介護職員初任者研修を取得することで基本給そのものが上がる場合もあります。
ひと月当たりの金額は小さくても、年収に換算するとそれなりのお金になります。
介護職員初任者研修の受講料も2~3年で元が取れる計算になるので、年収アップのための投資と考えて受講するのもよいでしょう。
キャリアアップが期待できる
介護職員初任者研修を取得するメリットの2つ目は、キャリアアップが期待できることです。
介護士は無資格でもなることができますが、介護職員初任者研修を取得することによって上司や管理者に対して意欲を示すことになります。
また、学習で得た知識や技術を仕事にフィードバックすることによって成果を上げれば、人事考課にもいい影響を与えるでしょう。
さらには、介護職員初任者研修を取得しておくと上位資格にステップアップするときも有利になります。
介護職員初任者研修の上位資格である実務者研修を受講する際に、一部の科目が免除されて学習期間短縮され、受講料も安くなるからです。
実務者研修を取得した次には、いよいよ国家資格である介護福祉士取得を目指すことになります。
介護士としてどんどん成長していきたいと思うのであれば、まさに初任者研修はその起点となる重要な資格なのです。
知識を深めることができる
介護職員初任者研修を取得するメリットの3つ目は、知識を深めることができることです。
たとえ無資格で介護の仕事ができるといっても、介護に関する技能がないと現場で活躍することはできません。
活躍するどころか、迷惑になったり足を引っ張ったりしてしまうこともあるでしょう。
介護の資格を持っているということは、つまり介護に関する知識や技術を保有しているということの証明でもあるのです。
また介護職員初任者研修を受講する人は、介護の仕事を目指している人だけではありません。
家族の介護や支援が必要な人のためにボランティア活動をしたいと思っている方も積極的に取得しています。
さらには、超高齢社会から人口減少社会へと変わりつつある社会情勢の中、高齢者に関するケアの知識は社会資源としても大いに期待されているのです。
介護職員初任者研修の修了試験に落ちるとどうなる?
介護職員初任者研修は、必ず最後に修了試験があります。
しかし、テストに自信がなくても心配する必要はありません。
なぜなら、万が一試験に落ちても再試験や追試験を受けることにより、試験に合格するまでスクールから面倒を見てもらうことができるからです。
スクールとしても、高い料金を払って受講してくれた人を、たった一回試験に落ちたからといって無下にすることはありません。
そもそも、介護職員初任者研修の修了試験は入学試験や国家試験と違い、基礎的な内容で学習成果を確認するような簡単な内容になっています。
このため合格率が非常に高く、スクール側としても何人も不合格になるような想定はしていないほどの簡単な問題です。
試験を怖がって受講をためらう必要は一切ありませんので、安心して受講して頂いて大丈夫です。
介護職員初任者研修に落ちた場合について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読みください。
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介護職員初任者研修の通信講座のまとめ
ここまで、介護職員初任者研修の仕組みや取得のメリットなどを中心にご紹介しました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 介護職員初任者研修とは、介護士が初めに取得するべき基本的な資格
- 介護職員初任者研修の通信は、通信学習とスクーリングが組み合わされて実施される
- 介護職員初任者研修の通信は、通信学習+演習の後に修了試験がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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