近年、ミドルステイサービスを提供する自治体や事業者が増えています。
ミドルステイは介護施設へのお試し入居としてはもちろん、要介護者の緊急時の受け入れ先としての利用も可能です。
利用したいと思いつつも、何ができるのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
本記事ではミドルステイについて、以下の点を中心にご紹介します。
- ミドルステイとは
- ミドルステイのサービス
ミドルステイについて知るためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
高齢化が進み、要介護者の増加や介護期間の長期化などがみられるようになりました。また、老老介護という言葉もあるように介護する家族も高齢化しています。そういった現状を踏まえ、介護の負担を減らすために作られた制度が介護保険です。[…]
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ミドルステイとは?
ミドルステイは比較的新しいサービスであるため、認知度はあまり高くありません。
まずは、ミドルステイの内容についてみていきましょう。
ミドルステイとは?
ミドルステイは、数カ月だけ介護施設に入所するサービスです。
おおむね、1~3カ月の滞在が平均的です。
ミドルステイを提供するのは、自治体や民間の有料老人ホームです。
介護保険サービスには含まれないため、施設によって利用料金やサービス内容が大きく異なります。
たとえば自治体が提供するミドルステイは、滞在期間が比較的短めです。
入所に厳しい条件を設けているところもあります。
一方、民間の施設が提供するミドルステイは、融通が利きやすい点が特徴的です。
年単位の入所に対応する施設や、入居条件を制限していないところもあります。
ミドルステイで利用できるサービスは?
ミドルステイで利用できるサービスは、一般的な入居型サービスとほぼ同じです。
具体的な提供サービスは、施設の種類や事業者によって異なります。
代表的なサービス例は以下の通りです。
【介護施設・有料老人ホームの提供サービス例】
- 日常生活援助(食事作り・洗濯・掃除など)
- 身体的介護(食事・入浴・排泄などの介助)
- リハビリテーション・機能訓練
- レクリエーション・娯楽
- 健康管理などの療養上の世話
- 安否確認・見守りサービス など
自治体や介護施設によっては、提供サービスに制限を設けている場合もあります。
【ミドルステイの費用】
上述した通り、ミドルステイは主に1〜3ヶ月が多いため、3ヶ月分の費用を以下にまとめます。
また、所得によって各段階に分けられ、それぞれ負担限度額が異なるので、気になる方は表下のリンクからお調べください。
基準費用額 | 負担限度額 | |||||
第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② | |||
食費 | 130,050円 | 27,000円 | 35,100円 | 58,500円 | 122,400円 | |
居住費 | ユニット型 個室 | 180,540円 | 73,800円 | 73,800円 | 117,900円 | 117,900円 |
ユニット型 個室的多床室 | 150,120円 | 44,100円 | 44,100円 | 117,900円 | 117,900円 | |
従来型個室 | 150,120円 | 28,800円 | 37,800円 | 73,800円 | 73,800円 | |
多床室 | 76,950円 | 0円 | 33,300円 | 33,300円 | 33,300円 |
ミドルステイの対象者は?
ミドルステイの利用対象者は、自治体や施設によって異なります。
自治体が提供するミドルステイサービスは、入所条件が制限されていることがほとんどです。
【各自治体の利用対象者の例】
- 介護者の病気・ケガ・その他やむを得ない事情で、介護を受けられない方
- 障がい者の方
- 要支援または要介護認定を受けた方
- 要介護1~5の認定を受けた方(要支援1・2を除く)
具体的な入所条件は自治体によって異なります。
詳しくは、お住まいの地域の情報を確認しましょう。
民間の介護施設についても、入所条件は施設ごとに差があります。
一般的には、半年程度を目処に退所される方が対象となります。
多いのは、将来的に本格的な入居を考えている方の「お試し」として入所するケースです。
引っ越しや自宅のリフォームなどにより、一時的な生活の場として利用されることもあります。
【民間の介護施設の利用対象者の例】
- 1~数ヶ月だけ介護施設に入所したい方
- 介護施設での生活を試してみたい方
- 退院後、すぐに自宅に戻るのが不安な方
ショートステイとの違いは?
一番大きな違いは、滞在日数です。
ミドルステイは多くの場合、最短1ヶ月から利用可能です。
最長期間は施設によって異なりますが、相場は3カ月~半年程度です。
一方、ショートステイは一日単位で利用できます。
利用可能日数は連続30日までです。
やむを得ない事情がある場合は延長できますが、基本的に1カ月以内の利用だと考えましょう。
ちなみに、民間の有料老人ホームのショートステイでの介護サービス部分は介護保険適用外になる場合があります。
つまり介護サービス費は全額自己負担です。
一方、有料老人ホームのミドルステイは、介護サービス費が一部介護保険適用される場合があります。
たとえば、滞在日数が1カ月を超える場合などです。
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ミドルステイはどの施設でも利用できる?
ミドルステイを提供しているかどうかは、自治体や介護事業者によって異なります。
自治体がミドルステイを提供する場合は、以下の介護施設が実際の提供元となります。
【自治体の介護施設の例】
どの介護施設がミドルステイを実施するかは、自治体によって異なります。
また、自治体の中にはミドルステイそのものを提供しないところもあります。
民間の老人ホームについても、サービス提供の有無は事業者によって異なります。
ミドルステイを受け入れている有料老人ホームの例は以下の通りです。
【民間の老人ホームの例】
高齢化が進み、要介護者の増加や介護期間の長期化などがみられるようになりました。また、老老介護という言葉もあるように介護する家族も高齢化しています。そういった現状を踏まえ、介護の負担を減らすために作られた制度が介護保険です。[…]
ミドルステイはどこで申し込む?
自治体と民間の老人ホームで申請方法が異なります。
自治体の場合は、役所窓口に申請書を提出するのが一般的です。
申請手順や様式は自治体によって異なります。
まずは、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。
民間の老人ホームは、事業者に直接利用を申し込みます。
具体的な手順については、各事業者に問い合わせてください。
ミドルステイを利用する場面とは?
ミドルステイの利用がおすすめなのは、以下のような場面です。
さまざまな場面でミドルステイの活用を検討してみてください。
- 退院後や他の施設からの退所後、日常生活訓練をして自宅に戻りたい
- 介護者が病気・ケガなどで介護できなくなった
- 介護者が出張などで家を空けるため、一時的な預かり先を探している
- 介護施設での生活を体験してみたい
- 豪雪地帯で、冬の間だけ安全な場所で過ごしたい
- 他の介護施設に入居する間の受け入れ先を探している
- 自宅をリフォームしたい
施設選びにはポイントがある
一時的にでも生活の場となるのですから、信頼できる施設を選ばなければなりません。
できれば、見学にいって実際の雰囲気を確かめるのがおすすめです。
見学の際は、以下のポイントに注目してみましょう。
- 入居者の方がリラックスできているか
- 施設内・居室は清潔感があり、整理整頓されているか
- どのような設備があるか(トイレ・風呂・レクリエーション室)
- スタッフのあいさつ・言葉遣い・態度が丁寧か
- 食事の好みがあいそうか
- 食事の介助が適切に行われているか
- 入居者とスタッフの人数のバランスがよいか
ロングステイもある?
ロングステイとは、約3カ月単位で入居する方法です。
3カ月ごとに審査が行われ、入居の延長可否が決まります。
ロングステイを利用できる施設としては、介護老人保健施設が代表的です。
介護老人保健施設は、要介護者を対象に自宅復帰支援を行う介護施設です。
具体的には、退院後や他の介護施設から退所した方が、自宅に戻る前に日常生活リハビリなどを受けます。
【利用対象者】
- 65歳以上で要介護1~5の認定を受けた方(例外で65歳未満の方も可)
- 容体が比較的安定している方
【利用できるサービス】
- 日常生活支援(食事作り・洗濯・掃除など)
- 身体的介護(食事・入浴・排泄などの介助)
- 医師・看護師などによる療養上の世話
- 自宅復帰に向けたリハビリや機能訓練(歩行・自力での食事 など)
【費用内訳】
- 介護施設サービス費(要介護度に応じて異なる)
- 家賃(従来型個室・従来型多床室・ユニット型個室・ユニット型個室多床室)
- 食費
- 消耗品費
- 洗濯代
- 娯楽費・レクリエーション費
- 散髪代・理容費など
- 介護サービス加算費(看護体制加算・サービス提供体制加算 など)
公的施設であるため、「入居一時金」のような初期費用は発生しません。
ミドルステイのまとめ
ここまで、ミドルステイについてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- ミドルステイとは、1ヶ月~半年をめどに期間限定で施設に入居すること
- ミドルステイのサービスは一般的な入居型サービスとほぼ同じ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。