介護職員初任者研修は、試験に落ちたら当然資格を取得できません。
ただし、資格試験に落ちた場合でも、資格を取得できるチャンスはあります。
本記事では、介護職員初任者研修の試験に落ちた場合について、以下の点を中心にご紹介します。
- 介護職員初任者研修試験に落ちた場合
- 介護職員初任者研修試験に合格する方法
介護職員初任者研修の試験に落ちた場合のためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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介護職員初任者研修のカリキュラムと試験内容
介護職員初任者研修を取得するにはまず130時間のカリキュラムを受講し、その後、資格試験に臨みます。
カリキュラムの科目や試験内容をみていきましょう。
カリキュラム
カリキュラムは全部で10科目です。
各科目によって受講時間が決められており、合計130時間以上の受講が必要です。
科目名と受講時間数は以下の通りです。
【科目名と受講時間数】
- 職務の理解:6時間
- 介護における尊厳の保持・自立支援:9時間
- 介護の基本:6時間
- 介護・福祉サービスの理解と医療との連携:9時間
- 介護におけるコミュニケーション技術:6時間
- 老化の理解:6時間
- 認知症の理解:6時間
- 障害の理解:3時間
- こころとからだのしくみと生活支援技術:75時間
- 振り返り:4時間
介護職として働くための基礎的な知識や技術を習得します。
認知症や障害に関する科目がある点も、介護職員初任者研修の特徴の一つです。
試験内容
筆記試験と実技試験の2種類があります。
試験内容や試験時間はスクールによって異なるものの、おおむね以下のような内容です。
【介護職員初任者研修の筆記試験】
- 試験時間:1時間
- 設問数:最低32問
- 出題形式:選択式と記述式の混合
- 合格基準店:100点中70点程度
【介護職員初任者研修の実技試験の内容】
利用者に扮したモデルを相手に実践的な介護を行います。
知識に基づき、安全な介護を提供できるかどうかを試されます。
出題例は以下の通りです。
- ベッドメイキング
- 体位変換
- 衣類の着脱
- 排泄の介助
- 食事の介助・口腔ケア
- 歩行・車いすなどへの移乗の介助
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介護職員初任者研修試験に落ちた場合
介護職員初任者研修試験に落ちた場合は、追試や再試験が実施される場合がほとんどです。
一度試験に落ちた場合でも、追試や再試験で合格できれば、介護職員初任者研修は修了とみなされます。
試験に落ちた場合の追試や再試験は、カリキュラムを受講したスクールで受験できます。
多くの場合、追試や再試験は何度でも受けられます。
つまり、何度試験に落ちたとしても、合格するまで受験し続けられるわけです。
そのため、基本的に介護職員初任者研修の試験はほぼ全ての方が合格できます。
試験自体もさほど難しくはないため、落第についてはそこまで心配する必要はありません。
ただし、再試験を放棄した場合は、当然ながら修了書は交付されません。
そうはいっても、試験不合格は精神的につらいものです。
試験に再挑戦する気力が萎えることもあるかもしれません。
しかし、せっかく130時間のカリキュラム受講を終えたのですから、できれば合格するまで追試を頑張ってみましょう。
追試・再試験を受けるときは、自分の不得意分野を重点的に勉強するのがおすすめです。
点数が伸び悩んでいる科目を克服できれば、次の機会での合格チャンスが大きくなります。
ちなみに、追試や再試験は無料で実施していることが多いです。
スクールによっては有料のところもあります。
あるいは、試験に落ちた回数が一定数を超えると、追試に料金がかかる場合もあります。
追試や再試験の有無・料金については、あらかじめスクールに確認しておくのがおすすめです。
介護職員初任者研修試験の難易度
介護職員初任者研修の試験はさほど難易度は高くありません。
基本的には、真面目に授業を受けていれば、問題なく試験に合格できます。
追試や再試験についても難易度は変わりません。
たとえ落ちたとしても、復習をしっかり行えば合格のチャンスはあります。
介護職員初任者研修の試験の目的は、受験者を振るい落とすことでありません。
目的は、いままで学んだ内容が身についているか確かめることです。
そのため、介護関連の資格の中では比較的取得しやすい資格の一つでもあります。
正確な合格率は公表されていませんが、一般的には9割以上の方が合格をつかんでいます。
落ちたとしても追試・再試験という救済制度があるため、基本的にはほぼ全ての方が合格できる試験なのです。
一度落ちたとしても諦めず、勉強しなおして何度でも挑戦しましょう。
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介護職員初任者研修試験に合格するポイント
できれば試験には一発で合格したいものです。
そこで、ここからは介護職員初任者研修試験に合格するためのポイントを紹介します。
授業内容の理解
介護職員初任者研修の試験では、カリキュラムで学んだ内容しか出題されません。
つまり、授業をまじめに聞いていれば合格は難しくないのです。
専門的な知識を学ぶため、ときには難しい内容もあります。
授業だけで理解できないときは、復習や質問を積極的に行い、あいまいな部分を残さないようにしましょう。
勉強時間の確保
予習・復習に取り組むためには、勉強時間をある程度確保しなければなりません。
働きながら資格取得を目指す方は、なかなか勉強に割く時間がないという場合も多いです。
勉強時間の確保ができない場合は、スケジュールを見直すなどして、まとまった時間をとれるように工夫しましょう。
あわせて、受験までの期間を計画的に組むことが大切です。
介護職員初任者研修の取得にかかる期間は、平均4カ月です。
カリキュラム受講には、通信課程と週1~2回程度の通学を併用します。
週1~2回の通学のみで受講する場合は、半年程度かかることが一般的です。
週4~5回程度通学できるなら、最短1カ月での取得も可能です。
ただし、資格取得間までの期間は短ければよいというものはありません。
授業をしっかり理解し、試験に合格できるだけの知識を身に着ける必要があります。
なるべく一度の試験で合格できるよう、勉強時間にゆとりを持てる通学期間を設定しましょう。
模擬試験に取り組む
ある程度知識が身についたら、模擬試験に取り組んでみましょう。
実践を重ねることで、本番の試験での合格チャンスを広げることができます。
また、模擬試験は自分の不得意分野を知るためにも有効です。
あらかじめ不得意分野を克服しておくことで、一発合格の可能性が高まります。
ちなみに模擬試験を受けるには、過去問題集や例題集を活用するのがおすすめです。
スクールによっては、模擬試験問題をインターネットに公開しているところもあります。
最近は、介護職員初任者研修試験の模擬試験用のアプリも増えています。
隙間時間に取り組めるものも多いため、自分の勉強スケジュールにあわせて柔軟に取り入れてみてください。
介護職員初任者研修を取得するメリット
介護職員初任者研修を取得するとさまざまなメリットがあります。
代表的なメリットを3つ紹介します。
資格手当
資格を有していると、給与に資格手当が上乗せされることが多いです。
資格手当は、正社員だけでなくパート・アルバイトにつくこともあります。
あるいは、基本給自体が引き上げられる場合もあります。
無資格で働く場合と比べると、収入アップが期待できます。
キャリアアップ
介護関連の資格はたくさんあります。
介護職員初任者研修の資格は、他の資格を取るための最初の一歩ともいえる資格です。
たとえば、介護職員初任者研修の上位には、介護福祉士実務者研修という資格があります。
介護福祉士実務者研修は、さらに上位の介護福祉士の取得に必要です。
介護職員初任者研修を取得していると、実務者研修取得がスムーズになります。
たとえば実務経験期間の短縮や、費用面での優待が受けられるのです。
介護職でのスムーズなキャリアアップを狙うなら、まずは介護職員初任者研修を取得するのがおすすめです。
知識を深めることができる
介護職員初任者研修は、介護に関する基礎的な知識・技術の習得を目的とします。
介護の知識や技術は、仕事だけでなく、プライベートでも活かせます。
たとえば、家族の介護をする際に、介護職員初任者研修の知識が役立つことも多いです。
自分や身近な方の将来に備えて、資格を取得するのもおすすめです。
ハローワークの介護職員初任者研修とは?
介護職員初任者研修を受ける際は、ハローワークの求職者支援制度が利用できます。
求職者支援制度は、求職中の方に対して、職業訓練の提供と早期就職を支援する仕組みです。
求職者支援制度を利用できるのは、雇用保険に入っておらず、ハローワークで求職の申し込みを行っている方です。
あわせて職業訓練受講給付金制度を利用すれば、月10万円の職業訓練受講給付金が受給できます。
一方、民間のスクールでの取得には、約5~7万円程度の費用がかかります。
資格取得のための金銭的負担を少なくしたいという場合には、職業訓練受講給付金制度の利用を検討してみましょう。
ただし、給付金を受給するにはいくつかの要件を満たす必要があります。
また、ハローワークで介護職員初任者研修を受講するにはいくつかデメリットもあります。
たとえば、資格取得までの期間が比較的長いことです。
民間のスクールでは、最短一カ月での取得が可能です。
一方ハローワークで受講する場合は、最低でも3カ月かかるケースがほとんどです。
また、ハローワークでの受講そのものができない場合もあります。
ハローワークの介護職員初任者研修は人気があるため、競争率が高いのです。
受講要件として、筆記試験や面接などの審査を設けている自治体もあります。
審査に落ちれば、当然ながらハローワークでの受講はできません。
介護職員初任者研修試験に落ちた場合まとめ
ここまで、介護職員初任者研修の試験に落ちた場合についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 介護職員初任者研修試験に落ちた場合、基本的に合格するまで追試・再試験を受けられる
- 介護職員初任者研修試験に受かるには、カリキュラムの内容をしっかり理解することが大切
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
介護の資格を取得する上で、どのような資格があるのか気になると思います。初任者研修以外にも介護の資格があり、介護福祉士実務者研修や介護福祉士についても知りたいところです。本記事では、介護福祉士実務者研修を中心に以下の点をご紹介[…]