特別養護老人ホーム(特養)への入居や転職を検討する際、多くの方が悩むのが「ユニット型」と「従来型」の違いです。両者は部屋の間取りやケアのスタイルだけでなく、毎月の利用料金や介護スタッフの働き方にも大きな違いがあります。
本記事では、ユニット型特養と従来型特養の違いを、費用・介護サービス・メリット・デメリット・働き方の5つの視点から分かりやすく徹底比較します。
- ユニット型と従来型の根本的な違い(間取り・ケア体制)
- 毎月の利用料金シミュレーションと比較
- 入居者目線でのメリット・デメリットと向き・不向き
- 介護スタッフ目線での働き方や夜勤体制の違い
特別養護老人ホームの利用や就職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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ユニット型特養とは?少人数ケアに特化した最新スタイル
ユニット型特養とは、10人程度の少人数を1つの「ユニット(生活グループ)」とし、専用のリビングと個室で生活するスタイルの介護施設です。
自宅に近い環境でプライバシーを確保できる
2000年代以降に新設された特養の多くはユニット型を採用しています。入居者一人ひとりに個室が用意されているため、プライバシーを守りながら自分のペースで生活できます。また、個室のすぐ外には共有のリビングスペースが配置されており、他の入居者やスタッフと自然に交流できるアットホームな環境が特徴です。
専任スタッフによる個別ケアが受けられる
ユニット型では、固定の専任介護スタッフが配置されます。スタッフが同じ入居者を継続して担当するため、個人の好みや生活リズムに合わせた「個別ケア」を提供しやすいメリットがあります。

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【一覧表】ユニット型特養と従来型特養の主な違い
ユニット型特養と従来型特養の違いを一目でわかるように表にまとめました。
| 比較項目 | ユニット型特養 | 従来型特養 |
|---|---|---|
| 居室タイプ | 原則「完全個室」 | 「多床室(4人部屋など)」が主流 |
| ケアの単位 | 約10人の小グループ(ユニット) | 施設全体(フロア全体) |
| スタッフ配置 | ユニットごとの専任配置 | フロア全体で複数人を担当 |
| 夜勤体制 | 1〜2ユニット(10〜20人)を1人で担当 | フロア全体を複数人で担当 |
| 月額費用の目安 | 約13万〜15万円(居住費が高め) | 約9万〜11万円(多床室で居住費が安い) |
| プライバシー | 非常に守られやすい | カーテン仕切り等で限定的 |
| アットホーム感 | 自宅に近く、落ち着きやすい | 病院や施設に近い雰囲気 |
ユニット型と従来型の共通点
違いが多い両者ですが、基本的な入居基準や提供される介護サービスの内容は共通しています。
入居条件は同じ(原則要介護3以上)
どちらのタイプであっても、特養の入居条件は共通しています。
- 65歳以上で要介護3〜5の認定を受けている方
- 40歳〜64歳で特定疾病により要介護3〜5の認定を受けている方
- 要介護1・2であっても、やむを得ない事情により特例入居が認められた方
提供される介護・医療サービスの内容
食事・排泄・入浴などの身体介護、日常の生活支援、機能訓練(リハビリ)、健康管理、レクリエーションなどの提供サービス自体に基本的な違いはありません。

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ユニット型と従来型の月額費用・料金の違い
初期費用(入居一時金)は、どちらのタイプも0円です。しかし、毎月かかる月額費用(特に居住費)には明確な差があります。
月額費用の内訳と比較(要介護5・1割負担の場合)
| 費用項目 | ユニット型(個室) | 従来型(多床室) | 差額・特徴 |
|---|---|---|---|
| 居住費(家賃相当) | 約62,000円 | 約26,900円 | 個室であるユニット型が約35,000円高い |
| 食費 | 約43,350円 | 約43,350円 | 基準費用額(1,445円/日)で同額 |
| 施設介護サービス費 | 約28,700円 | 約24,100円 | 手厚い配置のためユニット型がやや高い |
| 日常生活費 | 約10,000円 | 約10,000円 | 日用品代、理美容費などで同額 |
| 合計目安 | 約144,050円 | 約104,350円 | 月額で約4万円の差 |
※居住費・食費は最新の基準費用額に基づきます。所得に応じた「特定入所者介護サービス費(補足給付)」の適用により、実際の負担額は段階別に軽減されます。
居住費の差額がそのまま毎月の支払額の差となっています。費用を少しでも抑えたい場合は多床室のある「従来型」、予算に余裕がありプライバシーを重視したい場合は「ユニット型」が選ばれます。

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ユニット型と従来型のメリット・デメリット
入居者やそのご家族にとってのメリット・デメリットを整理しました。
ユニット型のメリット・デメリット
- 個室でプライバシーが守られ、自分のペースで過ごせること
- 専任スタッフとの信頼関係が築きやすく、手厚い個別ケアが受けられること
- 少人数グループのため他の入居者と自然に交流しやすいこと
- 日中の活動量が増え、生活リズムが整いやすいこと
- 従来型に比べて月額費用(居住費)が高いこと
- ユニット内の人間関係(他の入居者やスタッフ)が合わない場合にストレスを感じやすいこと
従来型のメリット・デメリット
- 多床室(相部屋)のため月額費用を安く抑えられること
- 常に周囲に人の気配があるため、孤独感を感じにくいこと
- 濃密な人間関係が発生しにくく、程よい距離感を保てること
- 多床室ではプライバシーの確保や生活音の遮断が難しいこと
- 大人数の集中ケアとなるため、一人ひとりに合わせた柔軟な個別ケアが難しいこと
- 感染症が発生した際、施設内感染が広がりやすいこと
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どちらがおすすめ?タイプ別の向き・不向き
入居者の性格や身体状況、ご家族の予算状況によって最適な施設タイプは異なります。

ユニット型特養が向いている人
- プライバシーを重視したい人
- 認知症があり、環境の変化に敏感な人(アットホームな環境で落ち着きやすい)
- 要介護度が高く、丁寧な個別ケアを受けたい人
- 月額費用にゆとりがある人
従来型特養が向いている人
- 毎月の介護費用をできるだけ抑えたい人
- 要介護度が比較的軽度で、集団生活に馴染みやすい人
- 他者との過剰な濃密関係を避け、あっさりとした付き合いを好む人
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【働く人目線】仕事内容や働き方の違い
介護スタッフとして就職・転職を検討している場合、ユニット型と従来型では働きやすさや求められるスキルが異なります。
ユニット型特養の働き方・メリット・デメリット
働き方の特徴:配属されたユニットの専任として勤務。入居者10人を固定スタッフでケアします。
- 入居者一人ひとりとじっくり向き合った介護ができること
- 施設や設備が比較的新しく、きれいな環境で働けること
- 夜勤時は1人で1〜2ユニットを担当するため、ワンオペでの判断力が求められること
- ユニット内で欠勤が出た際のシフト調整やカバーが大変なこと
従来型特養の働き方・メリット・デメリット
働き方の特徴:フロア単位で勤務。大人数のスタッフで大人数の入居者をチームケアします。
- 夜勤も複数人体制が多く、緊急時に先輩スタッフへすぐ相談できる(初心者も安心)こと
- さまざまなスタッフの介助技術や対応方法を間近で学べること
- 業務効率優先になりがちで、一人ひとりに時間をかけたケアが難しいこと
- 建物や備品が古めの施設が多いこと
まとめ
ユニット型特養と従来型特養には、以下のような違いがあります。
- ユニット型は「個室・少人数の個別ケア」で、プライバシー重視だが費用が高め
- 従来型は「多床室・大グループケア」で、費用が安く抑えられるがプライバシーに制約あり
- 働く側にとっても、個別ケア重視(ユニット型)かチーム・複数人体制重視(従来型)かで適性が変わる
ご本人の性格や希望する生活スタイル、予算に合わせて適切な特養を選びましょう。まずは見学やショートステイを利用して、実際の雰囲気を体験してみることをおすすめします。

