私たちの体は食べたものによって作られます。
最近、体調が思わしくない、または健康診断の検査結果が良くなかったなど、不安を抱えていませんか。
日々の食事内容を見直し、自分の体に必要な栄養素について理解していくことで、さらに充実した毎日を送れるようになります。
今回は、栄養素の中でも馴染みの深いビタミンCの効果、含まれる食品についてご紹介し、不足時に起こる症状についても取り上げていきます。
- ビタミンCの効果
- ビタミンCを摂取するのに適した食品と効果的な食べ方
- ビタミンC不足の影響・症状
ビタミンCをうまく摂取し、健康な体づくりの参考にするためにもぜひ最後までご覧ください。
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ビタミンCとは
ビタミンCと聞くと、レモンや柑橘類に多く含まれ、美容によいイメージが強いと思います。
ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれ、皮膚の成分であるコラーゲンの生成に必須の栄養素です。
その他にも、抗酸化作用による癌の予防・心臓血管系疾患の予防や、免疫力向上による風邪予防、植物性鉄の吸収促進作用などさまざまな働きがあります。
多くの哺乳類は、体内でビタミンCを合成できますが、人間はできません。
そのため、食事から摂取することが必要になります。
また、ビタミン群の中でも水溶性ビタミンに分類され、体の中に蓄えておけません。
そのため、一気に必要以上摂取しても尿として排出されてしまいます。
ビタミンCは、毎日の食事の中で必要な量を摂取していく必要があります。
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ビタミンCの効果
次に、ビタミンCの効果を見ていきます。
抗酸化作用
抗酸化作用とは、活性酸素から体を守る作用のことです。
活性酸素は、呼吸で取り込んだ酸素の一部が活性化したもので、細胞の働きに大切です。
しかし、紫外線やストレス、喫煙などの影響により活性酸素の生産が過剰になると、細胞を傷つけ酸化させてしまいます。
それが、しみ・しわ・たるみなどの肌トラブルの原因になります。
ビタミンCは、強い抗酸化作用を持ち、しみ・そばかすの原因となるメラニン色素が黒くなるのを防いでくれます。
すでに酸化してしまったメラニン色素を元に戻す作用もある為、美白作用が期待できます。
また、ビタミンCはコラーゲンの合成を助ける働きもあります。
コラーゲンには、皮膚や骨・血管・筋肉などを丈夫にする働きがあり、肌にハリとツヤを与えて丈夫に保ってくれます。
ビタミンCを摂取することで、皮膚の細胞を酸化から守り、肌トラブルを予防できます。
免疫力の向上
ビタミンCには、免疫を司る白血球を活性化させる働きがあります。
特に白血球の一種であるリンパ球を活性化させ、ウイルスを排除するなど増殖を抑える働きがあります。
体の中にウイルスや細菌が入ってきたとしても、しっかりとビタミンCを摂取できていれば、ウイルスや細菌に対抗して風邪をひきにくい体を作れます。
風邪をひいてしまった後も、白血球がウイルスなどと闘うためには、ビタミンCが必要となる為、積極的に摂取するようにしましょう。
また、ビタミンCはストレスから体を守るための副腎皮質ホルモンを作るための栄養素でもあり、抗ストレス作用としても大切です。
がん予防
ビタミンCの作用の1つである抗酸化作用は、がんの原因である酸化による細胞損傷を低減させる働きがあります。
多くの症例対照研究で、がん患者の方が対照群に比べてビタミンCの血中濃度が低い値であり、さまざまながんとビタミンC摂取量との逆相関が示されています。
一方で、ビタミンCを摂取することでがんを予防できるという確実なエビデンスは示されていません。
現時点ではビタミンCを摂取することでがんを予防するという確実な証明はできません。
しかし、がん細胞が酸化による細胞損傷からおきること、またビタミンCには酸化を抑える抗酸化作用があることは明らかです。
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ビタミンCが含まれる食品
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれています。
いちごや甘柿などは、1食分で1日の摂取量を満たせる程度のビタミンCが含まれています。
他にも海苔や玉露茶・煎茶にも含まれています。
【ビタミンCを多く含むおもな食品(食品100g中)】
〈野菜類〉
赤ピーマン | 170mg |
菜の花 | 130mg |
かぶの葉 | 82mg |
カリフラワー | 81mg |
かぼちゃ | 43mg |
〈果物類〉
レモン | 100mg |
甘柿 | 70mg |
ドライマンゴー | 69mg |
いちご | 62mg |
グレープフルーツ | 36mg |
ビタミンCの効率的な取り方
ビタミンCは、水溶性のビタミンのため、水に溶けやすい性質をもっています。
野菜や果物を水で洗っているときにも流れ出てしまいます。
また、熱にも弱く、調理中などに失われやすい成分です。
そのため、茹でると多くのビタミンCが失われてしまいます。
そして、光に弱く酸化しやすい為、できるだけ新鮮な食材を摂取することをお勧めします。
効率的な摂り方としては、生のまま食べられる果物がおすすめです。
また、野菜は加熱せず、生で食べることをお勧めします。
加熱しないで野菜を摂取する方法として、スムージーがおすすめです。
生のままでも十分な量を摂取できます。
また、野菜を加熱調理する際は、手早く調理することを心がけ、スープにして召し上がると、水に溶け出したビタミンCも摂取できます。
加熱料理では電子レンジの使用や、蒸し料理にすると失われにくいといわれています。
じゃがいもやさつまいもなどの芋類に含まれるビタミンCは、芋類に含まれるデンプンによって守られています。
この為、加熱調理による損失が少なく、効率的に摂取できます。
体内のビタミンCは、約400mgで飽和状態となり、それ以上摂取しても蓄えられず、尿として排出されてしまいます。
毎回の食事で摂取することを心がけましょう。
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ビタミンCの推奨摂取量
ビタミンCは喫煙やアルコール飲料の摂取、ストレスなどによって消費量が増加します。
特に、喫煙者は非喫煙者よりも1日35mg多く摂取することが推奨されています。
ストレスを感じやすい人も、推奨摂取量より多めに摂取した方がよいでしょう。
年齢別ビタミンC推奨摂取量
年齢 | 男性 | 女性 | 妊婦 | 授乳婦 |
生後0〜6ヶ月 | 40mg | 40mg | ー | ー |
生後7〜12ヶ月 | 50mg | 50mg | ー | ー |
1〜3歳 | 15mg | 15mg | ー | ー |
4〜8歳 | 25mg | 25mg | ー | ー |
9〜13歳 | 45mg | 45mg | ー | ー |
14〜18歳 | 75mg | 65mg | 80mg | 115mg |
19歳以上 | 90mg | 75mg | 85mg | 120mg |
出典:厚生労働省【厚生労働省eJIM参照】
ビタミンCが不足すると
では、ビタミンCが不足するとどうなるのでしょうか。
解説していきます。
壊血病のリスクがある
壊血病は、ビタミンCの欠乏による疾患です。
初期症状としては、倦怠感や不安感があります。
進行していくとコラーゲンの合成が障害され、血管や皮膚の張りがなくなり出血しやすくなります。
そのため、点状出血やあざが出るようになります。
さらに症状が進行すると、歯茎や消化管・粘膜から出血し、治療しなければ死亡してしまいます。
その他にも、コラーゲンが生成されないことで、関節痛などを発症することもあります。
壊血病は、現代の先進国では稀な疾患です。
ビタミンCを何週間にもわたって10mg/日以下しかとらなかった場合に発症します。
普通の食事をとっていれば壊血病になるリスクは少ないでしょう。
ただし、喫煙やアルコールの飲用でビタミンCは消費されてしまいます。
ヘビースモーカーや慢性的なアルコール中毒の方は、ビタミンCが不足している可能性があるので注意が必要です。
日本では食べ物が豊富にありますが、偏った食事でビタミンCは不足してしまいます。
なるべくバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
疲れやすくなる
疲労の原因の1つに、活性酸素の蓄積があります。
ビタミンCの抗酸化作用は、活性酸素を除去する働きがあるため、不足することで疲労が蓄積する原因となります。
また、ストレスに抵抗するための副腎皮質ホルモンを合成する為に、ビタミンCが必要になります。
ビタミンCが不足すると、ストレスに弱くなり精神的な疲労が溜まりやすくなります。
ビタミンC不足については詳しく解説しているので、こちらもあわせてご参考ください。
ビタミンCを過剰摂取した場合
ビタミンCは水溶性のビタミンであり、過剰に摂取した分は尿として体外に排出されます。
ビタミンC自体も毒性が低いため過剰に摂取したとしても、問題になることはほとんどありません。
ただし、腎臓の機能が低下している人は、腎結石のリスクが高くなるといわれています。
サプリメントなどで一気にビタミンCを摂取した場合などは、吸収されなかったビタミンCの浸透圧により下痢や吐き気、腹痛などの症状がおきることがあります。
ですが、普段の食事程度のビタミンC摂取量であれば、過剰摂取になることはありません。
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世界と比較した日本の果物摂取量
現代の日本は便利な食材や簡単に摂取できる食事が増えています。
ファーストフードや、外食チェーンも数多く展開されており、自炊する機会が減っています。
食事スタイルも欧米化してきており、野菜や果物より肉中心の食事になってきています。
日本は、世界的にみて果物の摂取量が先進国の中で低い水準にあります。
果物の摂取量が多いギリシャやイタリアに比べると約1/3と少なく、世界の平均よりも低い水準となっています。
また、サプリメントや栄養補助食品が手頃な値段で手に入る為、若い世代の野菜や果物の摂取量が減ってきています。
近年、ビタミンC欠乏症である壊血病患者はほとんどいません。
ビタミンCには免疫力を高めて風邪を予防する作用や、抗酸化作用による美容効果、コラーゲン生成などの作用があるため人間には必要なビタミンです。
サプリメントでビタミンCを補給しても、他の栄養素による相互作用は働かないためうまく機能するとは限りません。
栄養素は、食材から摂取する方が体にとってよい働きをしてくれます。
ぜひ、果物からビタミンCを積極的に摂取し、健康な体づくりをしていきましょう。
現代社会を生きる私たちにとって、ストレスは大きな敵とされています。そんななか、美容に定評のあるビタミンCがストレス解消にも効果があるということをご存じでしょうか。ここでは、ストレスが心身に与える影響について触れながら、ビタミンC[…]
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ビタミンCが含まれる化粧品
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれており、抗酸化力アップや免疫力アップに効果があります。
他にも、ビタミンCはお肌にも良い効果があり、化粧品にも含まれていることがあります。
ビタミンCが含まれている化粧品のなかには「ビタミンC誘導体」が配合されてる商品を多く見かけるかと思います。
ビタミンC誘導体入り化粧品とは、壊れやすいビタミンCを分子で覆って肌に作用しやすい状態に加工したものになります。
ビタミンC誘導体は、肌にある水分や油分と結合して分子が崩れて肌に作用していきます。
化粧品に含まれるビタミンC誘導体には溶けやすさによって種類が分けられています。
水溶性ビタミンC誘導体
ブドウ糖やマグネシウムと組み合わさったビタミンC誘導体であり、肌にすばやく吸収されやすい特徴があります。
脂溶性ビタミンC誘導体
イソパルミチン酸やステアリン酸と組み合わさったビタミンC誘導体であり、時間を掛けて肌に吸収される特徴があります。
両親媒性ビタミンC誘導体
水溶性ビタミンC誘導体と脂溶性ビタミンC誘導体の特性を持っているビタミンC誘導体になります。
水溶性と脂溶性に比べて安定性が低いという特徴があります。
また、値段も高い傾向があります。
ビタミンC誘導体が含まれている化粧品を選ぶ際は、商品に記載されている用法・容量を守って使用しましょう。
また、たくさんの効果を期待して複数種類のビタミンC誘導体入り化粧品を使うことは避けましょう。
ドラッグストアや化粧品専門店等で「ビタミンA配合」と書かれた化粧品を見たことがある人は少なくないはずです。ビタミンAはレバーやほうれん草に含まれ皮膚の健康を保つ働きを持ちます。化粧品にビタミンAが配合されるとどんな効果があるのでしょう[…]
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ビタミンCまとめ
ここまで、ビタミンCの効果や含まれる食品、不足時の症状を中心にお伝えしてきました。
- ビタミンCには強い抗酸化作用や風邪予防の効果がある
- 野菜や果物に多く含まれるが、水に溶けやすく熱や光に弱い
- ビタミンCが不足すると壊血病を発症したり、疲れやすくなる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立つことができれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。