「自律神経を整えるには、いったいどのような呼吸法があるのだろう?」
「自律神経を整える正しい呼吸法について詳しく知りたい。」
と多くの方が上記のような疑問や悩みを抱えていることでしょう。
実は自律神経を整えるには、正しい呼吸が大事といわれています。
そこで、この記事では以下のことについて解説していきます。
- 自律神経の乱れによる呼吸系の症状
- 自律神経を整える腹式呼吸
- 眠れない時の478呼吸法
自律神経で悩んでいる方の回復の手助けになったら幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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自律神経とは、内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間体制でコントロールする神経のことです。心と体を活発にする交感神経と、休ませる副交感神経がバランスを取りながら、私たちの体を支えています。自律神経が不調をきたしたり乱れたりす[…]
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自律神経の乱れによる呼吸系の症状
自律神経とは、交感神経と副交感神経の2種類のことを指します。
2つの神経のバランスが乱れることによって、体に以下のような症状を引き起こします。
交感神経優位 | 副交感神経優位 | |
症状 |
など |
など |
自律神経の乱れによる呼吸系の症状は、息苦しさや胸のつかえと呼吸困難そして動悸などがあります。
上記症状は、ストレスなどにより交感神経が刺激され過敏に働くことで生じる可能性があります。
それぞれの症状を解説します。
息苦しさ
息苦しさとは、息を吸うことや吐くことが通常よりも困難な状態を指します。
呼吸する筋肉の血流が低下することで起きる可能性があります。
呼吸する筋肉とは横隔膜や腹横筋などの筋肉群で、各筋肉を収縮することで正常な呼吸をすることができます。
また息苦しさにあわせて過呼吸などの症状も現れることがあります。
胸のつかえ
胸のつかえとは、胸部に圧迫されたような違和感がある状態を指します。
ただ人によって胸のつかえの感じ方が違い、「食べ物が詰まっている感じ」「喉に何かがくっついている感じ」「みぞおちの痛み」「ゲップをした時に内容物が逆流する感じ」などが挙げられます。
ストレスによる自律神経の乱れにより、胃酸の分泌量が多くなったり、胃の粘膜の修復力が弱くなったりすることで起きるとされています。
呼吸困難
呼吸困難とは、息が苦しいという主観的な症状とされています。
呼吸時の不快な感覚を指す自覚症状で、息切れ・呼吸が苦しい・息苦しいなど呼吸に関係する症状の総称です。
息苦しさの項で説明した神経筋疾患(呼吸筋の病変)や、精神神経疾患の一つである過換気症候群などが原因とされています。
動悸
動悸とは、心臓の拍動(収縮・弛緩の繰り返し運動)が自覚できる症状といわれています。
「心臓がドキドキする」といった表現をされることもあり、鼓動を感じる状態ともいえます。
主に心臓の病気(不整脈や心不全などの基礎疾患)と、それ以外の原因が考えられています。
それ以外の原因とは、自律神経失調症やパニック障害と心臓神経症などが挙げられます。
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自律神経を整える腹式呼吸
自律神経を整える呼吸法に腹式呼吸があります。
効果と方法について解説します。
腹式呼吸の効果
腹式呼吸の効果は、新鮮な酸素を体内に送り込むことやリラックスできることです。
腹式呼吸の特徴はゆっくりと大きく呼吸をするところにあります。
ストレスを感じている方は気づかないうちに呼吸が浅くなり、交感神経が優位に働きます。
すると自律神経失調症をはじめ呼吸困難による呼吸器系の疾患などを引き起こし、その結果心身に影響を及ぼします。
腹式呼吸を行い、新鮮な酸素を体内に取り込むことやリラックス効果により、副交感神経が優位となりストレス解消につながります。
腹式呼吸の方法
腹式呼吸の方法は以下の通りです。
- 仰向けに寝転びゆっくり口から息を吐く
- 鼻から深く息を吸い込む
- 再度、口から息を吐きだす
- 1~3の動作と呼吸を繰り返す
腹式呼吸のポイントは吸って吐くではなく、吐いてから吸うことにあります。
また腹部に雑誌など本を乗せることで、腹式呼吸を目視できるため意識しやすくなります。
さらに横になることができない時は、椅子に腰かけて行うことも可能です。
その場合はへその下辺りに両手を当て、下腹部の収縮と膨らみを意識します。
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眠れないときの478呼吸法
眠れない時に有効な呼吸法に478呼吸法があります。
効果と方法について解説します。
478呼吸法の効果
478呼吸法を取り入れることで、良質な睡眠効果(人によっては1分で寝られるようになる)を得るとされています。
この呼吸法は、アリゾナ大学医学部アンドリュー・ウェイル教授が提唱した方法です。
別名マインドフルネス呼吸法と言い、ヨガの瞑想で用いられる呼吸法を応用した方法といわれています。
睡眠に問題を抱えた49名(平均66歳)を対象に2つのグループに分けた実験で、高い睡眠効果(睡眠の質が良くなった)が得られたという結果が出ています。
478呼吸法の方法
478呼吸法の方法は以下の通りです。
- 楽な姿勢・態勢を取る
- 鼻で大きく息を吸いつつ、4秒数える
- 息を止め、7秒数える
- 口からゆっくり息を吐きつつ、8秒数える
- 2~4を繰り返す
478呼吸法のポイントは、焦らず自分のペースで行うことです。
慣れてきたら徐々に呼吸を深めていくことで、良質な睡眠効果を発揮するとされています。
片鼻呼吸ってなに?
片鼻呼吸法とはヨガの呼吸の1つで、片方の鼻を閉じ呼吸する鼻腔(鼻の穴)を左右交互に変える呼吸法です。
ヨガでは左の鼻での呼吸は心身の緊張と興奮を司り(交感神経が優位に働く)、右の鼻での呼吸は心身のリラックスと沈静を司る(副交感神経が優位に働く)といわれています。
そのため、上手く活用することで、ストレス対策や自律神経を回復させる効果を得られます。
その他の片鼻呼吸法のメリットは以下の通りです。
- 体調の変化を感じ取れる
- 呼吸を深く行える
- 眠気を取ることができる
- 集中力が高まる
特にストレスを感じている時に片鼻呼吸法を行うことで、交感神経と副交感神経のバランスの乱れが改善されるといわれています。
片鼻呼吸法の方法は以下の通りです。
- 楽な姿勢・態勢を取る(手は楽にももや膝の上に置く)
- 背筋を軽く伸ばす(頭頂部から天井に1本の糸で吊るされているイメージ)
- 右手親指で右の鼻腔を閉じ、左の鼻腔からゆっくり息を吸う
- 右手薬指で左の鼻腔を閉じ、右の鼻腔を開き右の鼻腔からゆっくり息を吐く
- そのまま右の鼻腔からゆっくり息を吸う
- 右手親指で右の鼻腔を閉じ、左の鼻腔を開き左の鼻腔からゆっくり息を吐く
- 3~6を繰り返す
片鼻呼吸法のポイントは、焦らず自分のペースで行うことです。
慣れてきたら徐々に呼吸を深め、およそ10回ほど繰り返します。
自律神経と呼吸のまとめ
こちらの記事では、自律神経を整える正しい呼吸などについて詳しく解説しました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 自律神経の乱れによる呼吸系の症状は息苦しさ・胸のつかえ・呼吸困難・動悸など
- 自律神経を刺激する腹式呼吸は、新鮮な酸素を体内に取り込みリラックス効果を得る
- 眠れない時の478呼吸法は良質な睡眠効果を得る
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。