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健達ねっと>健康お役立ち記事>高次脳機能障害>高次脳機能障害の方の診断方法とは?基準を紹介!

高次脳機能障害の方の診断方法とは?基準を紹介!

高次脳機能障害は自分では気付くことが難しく、周囲からの理解が得られにくい障害のため、日常生活で困っている方も少なくありません。

そのような場合、高次脳機能障害の診断を受け、適切なリハビリテーションを行うことが大切です。

今回は、以下の内容を中心にお伝えしていきます。

  • 高次脳機能障害の診断基準
  • 症状別の高次脳機能障害に対するリハビリテーション方法
  • 高次脳機能障害の方の相談窓口の紹介

実際のリハビリテーションで行われている訓練内容も紹介していますので、是非最後までお読みください。

高次脳機能障害に興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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高次脳機能障害

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高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、脳外傷や脳卒中によって脳が損傷することが原因となって残るの器質性精神障害のことをいいます。
外見からは障害があることが分かりづらいため、周囲から誤解を受けたり、本人や家族の負担が大きなものになっています。
また、本人も自覚症状がないことが多く、専門機関での適切な診断が必要になります。

高次脳機能障害の症状について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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高次脳機能障害の診断基準

高次脳機能障害は、症状が多様に存在します。
そこで、厚生労働省によって高次脳機能障害の診断基準が定められました。
その診断基準を以下にまとめます。

Ⅰ.主要症状等
  • 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。
  • 現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。
Ⅱ.検査所見
  • MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されているか、あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる。
Ⅲ.除外項目
  • 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが上記主要症状(I-2)を欠く者は除外する。
  • 診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。
  • 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者は除外する。
Ⅳ.診断
  • I〜IIIをすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する。
  • 高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期症状を脱した後において行う。
  • 神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。

なお、診断基準のIとIIIを満たす一方で、IIの検査所見で脳の器質的病変の存在を明らかにできない症例については、慎重な評価により高次脳機能障害者として診断されることがあり得る。また、この診断基準については、今後の医学・医療の発展を踏まえ、適時、見直しを行うことが適当である。

(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 国立障害者リハビリテーションセンターより引用)

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高次脳機能障害の方のリハビリテーション方法

ここまでで、高次脳機能障害の概要とその診断基準について解説してきました。
ここからは、高次脳機能障害に対するリハビリテーション方法について解説していきます。
それぞれの障害ごとに詳しく解説していきます。

記憶障害

記憶障害とは、以下のような症状です。

  • 新しいことを覚えることが出来ない
  • 何度も同じことを繰り返し質問する
  • 忘れやすさが原因で日常生活に支障が生じている

記憶障害に対するリハビリテーション方法には、反復訓練、環境調整、外的代償法といった方法があります

反復訓練とは、覚えたい事柄を繰り返し練習していく方法です。
臨床的には単純な反復練習は記憶障害に対しては有用ではなく、手掛かり(ヒント)を使用した反復練習は科学的な効果が認められています。

環境調整は外的環境調整、内的環境調整に分けられます。

外的環境調整では乱雑さを取り除き騒音レベルを下げることで注意が向きやすくなります。
実際のリハビリテーションの場面では人の少ない場所や個室で訓練することが多いです。

内的環境調整では空腹、苦痛、怒り、疲労などを可能な限り少なくすることが大切です。
このような認知機能のリハビリテーションは脳疲労が激しいため、休憩を取り入れつつ行います。

外的代償法では、メモを取る、録音をする、アラームをセットする、といった方法があります。

注意障害

注意障害とは、以下のような症状です。

  • 一つの事柄に集中することができない
  • 複数の事柄を同時に行うことができない
  • ある対象から他の対象に注意を切り替えることができない

リハビリテーションは、数ある注意障害の中で、どのような注意力が困難となっているかを評価し、それに対して対処していく方法が挙げられます
具体的には、パズルや数字並べ、かなひろいなどが行われます。

遂行機能障害

遂行機能障害とは、以下のような症状です。
遂行機能は記憶力や注意力とも関連しており、様々な情報を統合することで役割が果たされます。

  • 目標を設定することができない
  • 計画を実行する事ができない

主なリハビリテーション方法として自己教示法が挙げられます

自己教示法とは、自分がこれから行いたい行動を自分で自分に言い聞かせて、その刺激をもとに行動変容を促す方法です。
手順は、以下の通りです。

  1. 認知的モデリング:療法士が課題遂行に有効な事柄を言語化しながら行って見せ、対象者はそれを観察します。
  2. セラピストの外言による誘導:対象者は同じ課題を療法士の助言のもと行います。
  3. 外言による自己誘導:対象者は自分自身にその言葉を話しかけながら課題を行います。
  4. 外言のフェーデングによる自己誘導:対象者はその言葉を自分自身に囁きながら課題を行います。
  5. 内言による自己教示:対象者はその言葉を心の中で言い聞かせ、自分の行動を誘導しながら課題を行います。

社会的行動障害

社会的行動障害とは、行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールすることができなくなる高次脳機能障害です。
リハビリテーションの方法としては行動療法があります

行動療法では、社会的行動障害の方とセラピスト(臨床心理士)が共同して行動面での治療目標を立て、様々な技法を用いて不適切な反応を修正します。
例えば、楽しい雰囲気の中で、スモールステップで、徐々に恐怖対象に近づいて慣れるようにさせたり、賞賛やご褒美を用いて、新しく適切な反応(感情や行動)を習得させます。

高次脳機能障害のリハビリ方法について興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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高次脳機能障害の方の相談窓口

日本には高次脳機能障害の方の相談窓口があることをご存じですか?

相談窓口での主な支援内容は、医療(診断・訓練)に関する相談、福祉サービスや制度利用に関する相談、復職や就労、復学などに関する相談、日常生活での困りごと等の相談です。
相談は無料で、相談内容によって各関係機関と連携を取り、解決に向けてサポートしてくれる窓口となっております。

相談窓口はほとんどの都道府県に設置されており、保健所や病院、NPO法人が窓口となっています。

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高次脳機能障害の診断方法まとめ

ここまでで、高次脳機能障害とは何か、診断基準やリハビリテーション方法、相談窓口についてお伝えしてきました。

以下に本記事の内容をまとめます。

  • 高次脳機能障害とは、脳が損傷し、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害を主因とした器質性精神障害のこと
  • 診断基準を要約すると、主要症状が存在し、且つMRIやCTで器質的な異常が確認されていること
  • 記憶障害のリハビリテーション方法は反復訓練、環境調整、外的代償法
  • 注意障害のリハビリテーション方法はパズルや数字並べ、かなひろい
  • 遂行機能障害のリハビリテーション方法は自己教示法
  • 社会的行動障害のリハビリテーション方法は行動療法
  • 高次脳機能障害の方の相談窓口が全国の都道府県に存在し、医療や福祉サービス、日常生活で困っていることなどの相談を無料で行うことができる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

薬の使い方

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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