高齢化社会が進むにつれて、より必要性が増してきている老人ホーム。
最近では、「高級老人ホーム」と呼ばれる、豪華な設備・サービスを提供する施設も展開されています。
では、高級老人ホームとは、一般的な老人ホームと比べてどのような特徴があるのでしょうか?
今回の記事では、高級老人ホームについて、以下のポイントを中心に解説していきます。
- 高級老人ホームの優れた特徴
- 費用と入居条件について
- 高級老人ホームを選ぶ時の注意点
これから入居を検討している方は、高級老人ホームについて理解を深めるためにもぜひ最後までお読みください。
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高級老人ホームとは
有料老人ホームの中でも、より充実した手厚いサービスを提供している施設のことを「高級老人ホーム」と呼んでいます。
近年では、高級志向の高まりが話題となっていますが、介護施設においても例外ではありません。
「老後の生活は綺麗な施設で、安心に楽しく暮らしたい」
「親孝行として、良い施設に入れてあげたい」
と考え、高級老人ホームを利用している人が増えているのです。
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高級老人ホームの特徴
高級老人ホームでは、普通の老人ホームでは体験できないようなサービス、充実した医療体制が整えられています。
では、詳しく高級老人ホームの特徴についてご紹介します。
立地条件が最高!リゾート地にある施設も
高級老人ホームは一般的な老人ホームと比較すると、都市部に建てられています。
駅・バスといった交通の利便性が良く、付近に商業施設もあるなど、本人はもちろんご家族の方にも便利な立地条件です。
最近では、自然豊かで景色の美しいリゾート地に、高級老人ホームを建てる事業者も増えてきています。
都会を離れ、ゆっくりした老後生活を送りたい方には、ピッタリな施設であるといえます。
綺麗な建物・優れた設備
高級ホテルと間違えてしまいそうな、綺麗な居室・共有スペースを、高級老人ホームに入居すると利用できます。
温泉や娯楽施設、トレーニングルームなど豪華な設備もあり、充実した日常生活や新たな趣味を見つけることもできるでしょう。
医療・介護のサポートが充実
多くの高級老人ホームは、外部の医療機関と連携する、クリニックを内部に併設するなどして、毎日24時間の医療体制を整えています。
一般的な老人ホームと比べ、医師や看護師、介護福祉士を数多く配置しており、医療介護サポートが充実しているのです。
リハビリ
「リハビリ」に注力している高級老人ホームも、数多くございます。
基本的には、機能訓練指導員(理学療法士・作業療法士など)と呼ばれる専門スタッフと「マンツーマン」でリハビリを実施いたします。
イベントやレクリエーションが充実
老人ホームでは、イベントやレクリエーションがよく行われていますが、高級老人ホームではさらに独自性のあるイベントが多くあります。
名高い著名人を講師に招いたサービスや、国内外への旅行といった、高級老人ホームでしか体験できないようなイベントが行われています。
高級レストランのような食事
施設に入所すると、毎日似たような食事で飽きてしまうということも珍しくありません。
しかし、高級老人ホームでは高級レストランのような食事を楽しめます。
和食・洋食・中華など、様々なジャンルの料理が提供される施設もあります。
個人のニーズ、また健康状態に配慮した食事提供は、大きなメリットといえるでしょう。
運営会社が大企業で安心
高級老人ホームは、その多くが大企業によって運営されています。
そのため、充実した設備・サービスを継続して受けられるという「安心感」があります。
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高級老人ホームで提供されるサービス例
一般的な老人ホームと比較しても、食事・生活空間・設備・サービスなどがあらゆる面でハイクラスな高級老人ホーム。
「コンシェルジュ」が駐在している高級老人ホームも多くあり、 ホテルの様に充実した空間の中で、自分らしい生活をお楽しみいただけます。
具体的な設備についても紹介していきます。
居室スペースが広い
居室スペースの広さは基本「20㎡以上」と、一般的な老人ホームの居室面積(約18㎡以下)に比べ「ゆったりとした広さ」になっています。
空間が広いため、自分好みのレイアウトに出来るのも高級老人ホームの特徴と言えます。
カラオケやエステサロン、スパ・大浴場などを完備
施設によっては、「カフェ&バー、ルーフガーデン、エステサロン、スパ、カラオケ」なども完備されています。
充実した設備環境の中で自分らしく楽しい毎日を送ることが出来ます。
高級老人ホームの人員体制と施設について
高級老人ホームの人員配置基準と設備基準を詳しく見ていきましょう。
人員基準
高級老人ホームは、厚生労働省の定義では有料老人ホームに区分されます。
そのため人員基準は、有料老人ホームと同様に以下の通りとなります。
管理者 | 一人(兼務可) |
生活相談員 | 要介護者等:生活相談員=100:1 |
看護・介護職員 | 要支援者:看護:介護職員=10:1 要介護者:看護・介護職員=3:1 |
機能訓練指導員 | 1人以上(兼務可) |
計画作成担当者・介護支援専門員 | 1人以上(兼務可) |
設備基準
人員基準と同じく、有料老人ホームでの設備基準となり、以下の通りになります。
- 1)廊下の幅は、片廊下1.8m以上とすること。
中廊下の幅は、2.7m以上とすること。
一定の用件(居室面積18m²以上、トイレ・洗面設備付=高齢者向け優良賃貸住宅並み)を満たす場合、廊下幅員を片廊下1.4m、中廊下の幅は1.8mとする。 - 2)廊下、トイレその他必要な場所には常夜灯を設けること。
- 3)廊下および階段には手摺を設けること。
- 4)階段の傾斜は緩やかにすること。
- 5)居室等が2階以上の階にある場合は、1カ所以上の傾斜路を設けること。
ただし、エレベーターを設ける場合はこの限りではない。
高級老人ホームにかかる費用の相場
立地条件も良く、充実したサービスを受けられる高級老人ホームですが、やはり気になるのは費用のことです。
では、入居にはどのくらいの費用が必要なのかご紹介します。
高級老人ホームにかかる費用
費用の内訳には、入居時に必要な「入居一時金」と、月ごとに発生する「月額利用料」があります。
一括りに高級老人ホームといっても、サービス内容は施設によって異なる為、費用も変わってきます。
入居一時金
老人ホームでは、入居時の初期費用として入居一時金が必要になります。
一般的な施設であれば「入居一時金0円」というケースもあります。
しかし、高級老人ホームでは「数千万円〜数億円」とかなり高額になっています。
月額利用料
月ごとに発生する食費・水道光熱費・施設管理費などが月額利用料として発生します。
入居一時金と同様、施設・利用者ごとに費用は変わってきます。
30万円台から高いところでは数百万円かかる施設もあり、施設選択の際はしっかり調べておきましょう。
なぜこんなに高額なのか?
高級老人ホームは、一般的な老人ホームと比べ、費用が倍以上必要になります。
立地条件もよく、充実したサービスと豪華な設備が整えられている為、それ相応の金額が必要になります。
しかし、高級老人ホームであっても、入居一時金がかなり安く設定されている施設もあります。
このような施設は、月額利用料が高めに設定されている場合があるので、入居一時金と月額利用料、どちらもしっかり確認することが大切です。
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高級老人ホームの入居条件は?
老人ホームの入居には、身元引受人・保証人が必要です。
高級老人ホームの場合もまた同様です。
ある程度以上、生活が自立した人のみ受け入れている施設もあれば、軽度の介護状態でも入居可能な老人ホームもあります。
高級老人ホームに限っては、やはり高額な費用が発生するため「継続した支払いが可能であるか」というポイントを重点的に審査されることもあるようです。
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高級老人ホームで提供される医療ケアと看取りケアについて
高級老人ホームではどのような医療ケアや看取りケアが提供されているのでしょうか?
医療ケア
高級老人ホームの多くは看護師が24時間常駐しています。
そのため、「医療行為が必要な方」も安心してご入居できます。
また、病院との協力医療体制により、緊急時にも迅速な対応が可能になっています。
看取り介護
看取り介護と同じような考え方として、「ターミナルケア」というものがあります。
これは終末期医療と訳されることが多いです。
人生の最終段階においては、「死にゆく最期まで延命治療を続ける」のか「延命治療は行わずに穏やかな死を迎えられるよう見守る」のかという選択が必要になりますが、ターミナルケアも看取り介護も後者にあたります。
看取り介護は、日常的なケアが中心です。
清拭や褥瘡のケア、体位変換など、身体的・精神的苦痛を緩和する介護を行なっていきます。
一方ターミナルケアでは、上記のような介護に加えて、医師の判断に基づいた点滴や酸素吸入などの医療ケアを重点的に行います。
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高級老人ホームに入居するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
立地条件が良い | 費用負担が多い |
建物がきれい | 24時間自由に会えない |
設備が充実している | 家族で介護してあげられない罪悪感にかられる |
医療体制が整っている | いつでもすぐに入居できない可能性がある |
食事が充実している |
以上が、高級老人ホームにおけるメリット・デメリットといえます。
まとめると、「自分の親にはなるべく快適な住まいで生活してほしい」と願う子世代や多趣味な方に向いている老人ホームです。
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高級老人ホームの入居手続きの流れ
高級老人ホームに入居するまでの流れは大きく分けると、「施設検索」「見学・体験入居」「契約」になります。
入居まで順を追って解説していきます。
施設検索
まずは希望条件を確定させる必要があります。
条件としては資金や立地条件、サービス内容などがあります。
また入居する方の生活状況や心身状態、嗜好なども考慮して施設を探しましょう。
いくつかの施設に目星を付けたら、より詳しく施設の情報を確認するために老人ホームのパンフレットを請求します。
見学
見学の申し込みをするときは「何時に見学ができるか」「食事の試食はできるか」なども確認しておくようにしましょう。
施設の担当者がいる日に合わせる必要もあるため、見学予定日の直前になってから連絡しても予約は取りにくいです。
しっかりと日程調整し、早めに予約を取るようにしましょう。
体験入居
体験入居とは、お試しとして3日〜1週間ほど老人ホームに入居できることです。
実施の有無は施設により異なりますが、主に有料老人ホームで行われていて、1泊につき5,000〜1万円程度で体験入居できます。
書類の準備
準備する必要がある書類としては診療情報提供書や健康診断書があります。
なお、健康診断書は取得しなくても良い場合もあります。
時間とお金がかかる診断書は必要か否かがわからない場合は、施設に問い合わせましょう。
職員との面談
面談では、施設側が利用者の健康状態や希望条件などをチェックします。
もし、入居予定者が入院しているなどの理由により、施設に行くことができない場合は、入院先に出向いてもらえることがほとんどです。
遠慮なく希望・状況を伝えるようにしましょう。
入居審査
検討される内容は主に、要介護度や健康状態、経済状況の3つです。
特に経済状況は、身元保証人の有無に重点が置かれます。
後見人制度や民間の保証会社を利用することが可能なので、身元保証人がいない方は前もって、どのように身元保証をするか考えておくと良いでしょう。
契約・入居
施設側と入居契約を締結したら、実際に入居する日を決定します。
引越しの準備などを考慮して、無理のないスケジュールを組みましょう。
入居までの流れは以上となります。
通常の老人ホームと高級老人ホームで入居までの流れはほぼ一緒です。
唯一違う点は、やはり高額な費用が発生するため「継続した支払いが可能であるか」というポイントを重点的に審査される点です。
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高級老人ホームを選ぶときのポイント・注意点
高級老人ホームを選ぶときのポイントや注意点について説明していきます。
入居条件を確認する
自分の希望にあった老人ホームを見つけたら、まずは入居条件をチェックしましょう。
特に、自分の健康状態や生活レベルにあった施設かどうか、確認することが大切です。
退去する場合の初期償却・返還金を確認する
老人ホームによっては、「初期償却期間」を定めている施設もあります。
償却期間内に退去した場合、入居一時金の一部を返金してもらう事が可能です。
高級老人ホームの入居一時金はかなり高額になる為、返還金制度の下調べは忘れずに行いましょう。
価格が全てではない!サービス内容を重視
高級なサービスを受けられるからといって、必ずしもそれが自分に合ったサービスとはいえません。
どのようなサービスを重視するのか、自分のニーズを明らかにしておくことも重要です。
- 快適な居住スペース
- おいしい食事
- 趣味活動が楽しくできる
- 交通の利便性が良く、家族もアクセスしやすい
- 充実した医療、介護体制
支払い能力があるかよく検討を
老人ホームは、一度入居すると長い期間利用していく事になります。
入居時の初期費用以外に、毎月の月額料金を継続して払えるのか、事前によく検討しておく必要があるでしょう。
老人ホーム月額利用料の平均はどれくらい?
下の表は有料老人ホーム(介護付きホーム)の月額利用料の分布を示したものです。
【特定施設入居者生活介護について(月額利用料)】
10万円未満 | 5.0% |
10~12万円未満 | 5.2% |
12~14万円未満 | 4.6% |
14~16万円未満 | 10.5% |
16~18万円未満 | 6.4% |
18~20万円未満 | 4.8% |
20~25万円未満 | 12.3% |
25~30万円未満 | 18.3% |
30万円以上 | 32.8% |
※平均月額利用料は227,039円
月額利用料が30万円以上の老人ホームが多く、高級志向の方が多いことがわかります。
有料老人ホームでは高齢者の方に向けてさまざまなサービスを提供しています。そのため、入居後に支払わなければいけない費用項目も多いです。有料老人ホームではどのような費用が発生するのでしょうか?また費用はどのくらいかかるのでしょう[…]
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高級老人ホームで職員として働くには?
高級老人ホームで職員として働くために知っておくべき情報をご紹介します。
必要な資格
職員として求められるのは、リーダ介護職員初任者研修修了者(旧・ホームヘルパー2級)以上の資格になります。
給与の相場
給与の相場が年収400万以上で、有料老人ホームの相場が年収330万であることを踏まえるとやや高めと言えます。
有料老人ホームとの業務内容や働き方の違い
そもそも高級老人ホームとは有料老人ホームの一種なので必要な資格などに明確な差がある訳ではありません。
またそれぞれの施設によって独自性が強い傾向にあり、施設ごとにも働き方は大きく変わってくるでしょう。
一概に特徴を言うのは難しいですが、高い水準の接遇が求められる傾向はあると言えるでしょう。
高級老人ホームの利用者の中には高級ホテルのような対応を求められることもあります。
一日の流れ(日勤での例)
職員の日勤の1日の仕事内容の一例をご紹介します。
- 8:30 出勤、夜勤の方からの引き継ぎ
- 9:30 見回り、居室巡回
- 12:00 昼食
- 13:30 入浴
- 15:00 レクリエーション、おやつ
- 17:00 夜勤の方への引き継ぎ
- 18:00 夕食
- 18:30 退勤
働くうえで意識すべきこと
高級老人ホームは、介護サービスよりも食事や空間の提供をメインとしています。
そのため自立状態にある入居者さまが多い点が特徴です。
また、施設は好立地にある、優雅な空間です。
入居者さまだけでなく、働く側も心地よい空間で過ごせる点が嬉しいポイントでもあります。
一般的に高い接遇を求められますが、心身の余裕を持って介護施設で働きたい場合には、高級老人ホームがおすすめです。
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高級老人ホームのまとめ
ここまで高級老人ホームについて、特徴や費用、選ぶ時のポイントなどについてご紹介しました。
本記事のポイントをおさらいすると、以下の通りです。
- 高級老人ホームでは充実した設備、医療介護サービス、イベントが提供される
- 入居費用は、入居一時金(数千万円~)月額利用料(30万円〜)の支払いが必要
- 施設によっては返還金制度を設けているので、入居前に確認することが重要
これらの情報が少しでも皆様のお役に立つ事ができれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。