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健達ねっと>介護お役立ち記事>在宅介護>親の介護を放棄したい?扶養義務や解決策について徹底解説!

親の介護を放棄したい?扶養義務や解決策について徹底解説!

現代の日本では、在宅介護を行っている家庭が年々増加しています。

親の介護とはいえ、辛くなってしまうことも多々あるでしょう。
実際に、介護を放棄してしまう方もいらっしゃいます。

現在介護を行っている方の中にも、「もう介護を放棄したい」と悩んだことがある方もいるのではないでしょうか?

本記事では、介護放棄について下記の点を中心にご紹介します。

  • 介護放棄が起きてしまう原因
  • 扶養義務について
  • 介護放棄の解決策

遺産相続に関することまで、両親の介護についてさまざま情報を解説しています。
ぜひ最後までお読み下さい。

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「介護放棄」が起きてしまう原因


介護放棄になるケースとして、被介護者の心身の状態が悪くなり家庭での対応が困難になる場合や、介護者が経済的に困難な場合、介護する家族のことを快く感じていない場合などが挙げられます。
それぞれの原因について解説していきます。

被介護者の状態が悪化

病気や事故によって被介護者の心身に支障が発生し、在宅介護では対応が困難になった場合です。
寝たきり状態となってしまい、体力的に限界が生じたことでそのまま介護を放棄してしまう方もいます。

介護施設への入居や訪問介護サービスの利用を検討する方もいますが、全員が全員そうではありません。

介護のゴールが明確に見えないために、途中で諦めてしまう方も多いです。

経済的に厳しい

介護をしていくなかで、生活基盤に余力がなくなるほど厳しい状態になってしまった場合です。
在宅介護の負担を軽減するためにさまざまな介護サービスがありますが、もちろんより多くの費用がかかってしまいます。

十分な生活を送れないほど経済的に困窮した場合、介護放棄という選択肢が浮かんでしまうのも無理はありません。

家族に対する心情

特殊な事例ではありますが、過去に親から虐待を受け、両親を介護することを快く感じていない場合も考えられます。

親の介護が必要になったとしても、本人が介護をしたいと思うかどうかは別の話です。
また、事情を知らない近所の方々からは、「親の介護をしない冷たい人だ」と勝手に判断される可能性もあります。

在宅介護は決して簡単なことではないので、体力的、経済的な負担だけでなく、気持ちの問題も介護放棄の原因となります。

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親の介護は放棄できない?


親の介護は放棄できるのでしょうか?

まず、民法の規定をみると、子から親の扶養義務というキーワードが出てきます。
ここでは、扶養義務の内容から介護の放棄について解説していきます。

扶養義務とは?

扶養義務は、民法877条と752条、760条において、直系血族と兄弟および配偶者は互いに扶養する義務があると記載されています。

扶養義務の範囲は、その時々のケースによって扶養者と被扶養者間での話し合いで決まります。
ここで話し合いが決裂した場合は、家庭裁判所での調停を申し立てることになります。

扶養者は誰になる?

誰が誰に対して扶養義務を負うかどうか、民法では次のような条文の記載があります。

  1. 未熟子に対する親の扶養義務(未熟子とは未成年の意味です。)
  2. 夫婦の一方に対するもう一方の扶養義務
  3. 親に対する子の扶養義務
  4. 兄弟姉妹に対する他の兄弟姉妹の扶養義務
  5. 親族(3親等内の一人)に対する他(3親等内の)の親族の扶養義務

扶養義務者はお金を払わなければならない?

子から親への扶養義務に関して、民法では、子と配偶者、およびその子の社会的地位と収入に応じた生活をしても余力がある範囲の扶養義務と解釈されます。
また、その扶養内容は、金銭的な扶養と介護の作業や生活をするうえで必要な支援と考えられます。

扶養義務を放棄したら?

法律上、親に対する子の扶養義務は放棄できません。

ただし、前述のとおり子の社会的地位と経済状況から余力のある範囲での扶養でいいと解釈されます。

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扶養や介護ができないと感じたら?


子から親への扶養や介護は法律上の義務があります。
ただし、別居による地理的な制限や、経済的な理由で扶養や介護が困難だったときのための対処法があります。

以下でさまざまな対処法を解説します。

親族を頼る

兄弟姉妹や他の親族に対して、親の扶養や介護を依頼する場を設けてみてください。
助けを求めるには勇気がいるかもしれませんが、快く応えてくれる場合もあります。

話が決裂してしまった場合は、家庭裁判所の裁定に従うことになります。

地域包括支援センターを頼る

親族が少ない場合でも、自分一人で悩む必要はありません。
各市区町村には、「地域包括支援センター」という、高齢者とその家族が支援や介護について相談できる窓口があります。

地域包括支援センターでは介護に関する相談を数多く受けているので、すぐに解決策を教えてもらえる場合もあります。

裁判所を頼る

兄弟姉妹、親族間で、親の扶養や介護の協議が決裂した場合は、家庭裁判所を頼ることになります。

弁護士を頼る

親の扶養や介護の協議で決裂する前に、まずは弁護士と相談することもおすすめです。
裁判になることを見越して、弁護士に早めに相談しておくという手もあります。

介護施設を利用する

在宅介護に限界が来る前に、介護施設の利用を検討しましょう。
健康保険制度や介護保険制度を利用すると、介護者の負担を軽減できる場合が多いです。

親の介護は遺産相続に影響する?


親の介護を行うことで、遺産相続の分配を有利にする方法はあります。
介護経験のような貢献部分を法律的には寄与といいますが、寄与は簡単には認められません。
夫婦、直系血族の介護は当然とみなされるためです。

また、民法に兄弟の相続の権利は平等に、という内容もあるため、介護の有無で遺産相続の兄弟間の分配比が変動するということはないと考えるべきでしょう。

このように、相続における介護経験等の効力はさほど強くありません。
一方で、寄与が認められて遺産相続が有利になる場合もあるため、両方の事例を以下でご紹介します。

相続人として、被相続人の介護を10年間毎日継続したケースは、介護職員を雇ったと同程度の経費を削減したと認められ、寄与分が認められる場合があります。
また、被相続人の長男の嫁などには、特別の寄与の制度が2019年7月から導入されています。

逆に、相続人でも被相続人と同居して2年間、週1~2回の通院や入院時に対応したケースは、同居人の当然の介護作業とみなされ寄与は認められない場合があります。

また親が存命であれば、遺言書に「世話を多くしてくれた相続人に遺産を多く遺す」と記載すると、特定の相続人への遺産分配を多くできる場合がありますが全額の供与は認められません。
各相続人に対して、遺留分という最低限の金額を受け取れる内容があるためです。

親が遺言書なしで亡くなってしまった場合は、相続人全員による遺産分割協議で遺産相続の分配を決めます。
話がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停や審判を頼ることになります。
その場合、介護が寄与と認められるケースは少なくなります。

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介護と放棄のまとめ

まとめ
ここまで、介護放棄や扶養義務についてお伝えしました。
要点は以下の通りです。

  • 介護放棄は、体力的や経済的な負担、被介護者に対する気持ちの問題によって起きてしまう
  • 民法では、「直系血族と兄弟および配偶者は互いに扶養する義務がある」と記載されている
  • 在宅介護の負担が大きいときは、親族や地域包括支援センターへの相談や介護施設の利用を検討する

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

薬の使い方

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
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  • 学研グループと融合したメディア
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  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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