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健達ねっと>介護お役立ち記事>介護施設>介護現場における接遇マナーとは?重要な原則やメリットを解説!

介護現場における接遇マナーとは?重要な原則やメリットを解説!

介護に従事する方は「接遇マナー」を意識する必要があります。
しかし、接遇マナーが必要な理由や留意するポイントなどを知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、介護現場における接遇マナーについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 介護現場に接遇マナーが重要な理由
  • 接遇マナーの5原則
  • 挨拶、身だしなみ、言葉遣い、表情、態度
  • 接遇マナーを実践する際に意識すること

介護現場で気を付けるべき接遇マナーついて、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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接遇とは

疑問

まず「接遇」とは、相手が必要としていることを考えながら思いやりをもっておもてなしするという意味を持つ単語です。

ホテルや百貨店をはじめとした、対人で行われるサービス業に重要視されているスキルでもあります。
相手とより信頼関係を築いたり、スムーズにコミュニケーションをとったりする際にも接遇を意識する方が多いです。

ちなみによく似ている単語に「接客」がありますが、含まれる意味は以下のように違っています。

  • 接客︰相手が必要としているサービスを提供すること
  • 接遇:相手に不快感を与えないために「マナー」を守りながら、思いやりをもった接客をすること

介護の現場でも接遇に力を入れている施設もありますので、ぜひこの機会に意識されることをおすすめします。

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接遇マナーの重要性


接遇はとても重要なスキルですが、一体なぜ介護の現場に重要なのでしょうか。
接遇マナーが重要である理由をここでは、具体的に3つ挙げながらご紹介します。

利用者の尊厳を守るため

1つ目の理由は、利用者の尊厳を守るためです。

介護現場において、利用者の尊厳を守ることは重要視されているポイントでもあります。
介護者が接遇マナーを意識することで利用者の尊厳を守ったり、自分らしく日常生活を送ったりすることをサポートすることが可能です。

正しい接遇マナーを身につけていないと、利用者に対して失礼な行動・言動となるおそれがあります。
利用者や家族を悲しませたり、辛い思いをさせたりしないためにも正しい接遇マナーを習得しましょう。

利用者との良好な関係を築くため

接遇マナーが重要である2つ目の理由は、利用者との良好な関係を築くためです。

介護者が利用者に対して介護を行うには「信頼関係」が必要となります。
接遇マナーを守りながら丁寧に接していくことで、利用者との信頼関係を築きやすくなります。

職員の対応や言動などに利用者が不快感・不信感を感じると介助を断られる可能性があります。
介護者に要因がある介護拒否がきっかけで事故や怪我などが起こるというリスクも伴いますので、注意しましょう。

そして拒否などがあった際にも決して無理をせず、利用者が安全かつ安心できるサポートを行うようにしましょう。

他の施設との差別化を図るため

3つ目の理由は他の施設との差別化を図るためです。

利用者が介護サービスを利用できる施設は、市町村などに多く存在しています。
そのため、利用できる施設の中から選んでいただくために他の施設との差別化を行う必要があります。

では、他の施設との差別化をするために一体どのようなことを行っているのでしょうか。
具体的にいうと「接遇マナーが徹底されている施設なのか」や「信頼できる施設であるか」などを挙げることができます。

やはり大切なのは、利用者にとっても家族にとっても安心して利用することができると感じていただくことです。

安心や信頼感が積み重なることで、地域社会からの評価や需要も高まっていきます。

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接遇マナーの5原則


接遇マナーには5原則と呼ばれるものがあります。
それぞれの項目が重要となる理由についても解説しておりますので、あわせてご覧ください。

挨拶

接遇マナー5原則の1つ目は挨拶です

利用者とのコミュニケーションは、挨拶からはじまります。
挨拶は利用者と関わる上で必須ともいえる工程であるため、接遇マナーを意識した挨拶を行いましょう。

具体的に挙げると相手にとって聞き取りやすい声色や声の大きさで話したり、笑顔で話しかけたりすると良いでしょう。

しかし、例えば接遇マナーを意識していてもかしこまった挨拶を行うと、利用者が親しみにくい印象を感じる場合もあります。
また元気がない挨拶や相手と目を合わさない状態で挨拶を行うと、利用者に不快感を与えてしまうので注意しましょう。

身だしなみ

接遇マナー5原則の2つ目は身だしなみです。

介護現場では、直接利用者に触れて介助を行う場面も多いです。

例えば、介護者の身だしなみが清潔ではない場合には、利用者に不快感を与える可能性があります。
利用者や家族が不快に感じないように、清潔な身だしなみを心がけましょう。

言葉遣い

接遇マナー5原則の3つ目は言葉遣いです

介護者は基本的に、利用者に対して敬語で接します。

しかし、利用者が介護者の言葉を聞き取れない場合や、介護者が過剰に謙譲語を用いる場合には利用者が安心感を得られにくくなるため注意が必要です。

相手の状態に合わせて、言葉の意味をわかりやすく伝えるなど柔軟な対応を行ってください。

一番大切なのは利用者に安心して生活していただくことです。
親しみを込めて柔軟な対応を行う際には、丁寧な言葉遣いを使って接するように心がけましょう。

表情

接遇マナー5原則の4つ目は表情です。

利用者は介護者の表情をよく見ているため、辛い表情や険しい表情をしていると話しかけにくい印象を受けてしまいます。
利用者に安心して生活していただくためには、まず介護者がどんなときでも明るく「笑顔」で対応する必要があります。

態度

接遇マナー5原則の5つ目は態度です。 

例えば、歩き方や物の渡し方、立ち方、そして姿勢など、介護者が行う態度(振る舞い)を見て利用者は様々なことを感じます。

介護者が背筋を伸ばして、明るく業務に取り組む姿を見るだけでも、利用者に良い印象を与えるでしょう。
利用者が介護者に対して良い印象を抱いていると、利用者が気軽に話しかけやすくなります。

良い印象が「信頼関係」にも繋がっていくと考えられます。

実践する際に意識すること


では接遇マナーを介護の現場で実践する際に、どのようなことを意識したら良いでしょうか。
特に意識してほしい点が6つありますので、詳しく解説させていただきます。

目線を合わせる

まず意識して欲しいのは目線を合わせることです

利用者と会話をする際には介護者がしゃがみ、利用者と目線を合わせることを意識しましょう。

介護者が上から見下ろす形で接すると、利用者に威圧感を与えてしまう恐れがあります。
安心できるコミュニケーションを行うためにも、介護者の目線を低くするようにしましょう。

適切な距離感を保つ

2つ目に意識して欲しいのは適切な距離感を保つことです。

利用者と介護者が信頼関係を築いたり、維持したりするためには「適切な距離感」が必要です。
特に「パーソナルスペース」は、いくら親しい間柄の相手であっても侵害されると不快な気持ちを与えてしまいます。

不快感や警戒心を抱かせないようにするためにも、介助以外の場面では利用者との距離感が近くなりすぎないように注意しましょう。

また、適切な距離感を保つためには「言葉遣い」への気配りも重要です。
親しい間柄となった場合や親しみを込めた対応を行いたい場合でも、馴れ馴れしい言葉を使うことは不適切です。
利用者を自分よりも下に見るような発言や行動も不快感を与える原因となりますので、絶対に行ってはいけません。

常に思いやりの心を持つ

3つ目に意識してほしいのは常に思いやりの心を持つことです。

接遇マナーではやはり、相手への思いやりを常に持ちながら接することが重要となります。

相手の気持ちを考えずに行うと、自分本位の介護となるため「接遇」とはいえなくなるので注意しましょう。
また、利用者への思いやりの心を常に持つことで、自然と言葉遣いや態度などが丁寧になります。

適切な接遇マナーを学ぶ必要がありますが、思いやりの心を持つことで正しい方へと進んでいきますので意識するようにしましょう。

接遇に正解はない

続いて4つ目に入りますが、ここで一つ伝えておきたいことがあります。
それは接遇に正解はないということです。

接遇マナーは、利用者ごとに違っています。
相手の性格や考え方、これまでの人生など様々な事柄に応じてその方に合っている接遇マナーは変わります。

利用者に寄り添い、相手の気持ちを考えながら丁寧に接遇を行いましょう。

スタッフ同士の会話に注意する

5つ目はスタッフ同士の会話に注意することです。

実は利用者は、介助中以外のときにも介護者(スタッフ)を見ています。
スタッフ同士で話をしているときには気が緩み、普段の言葉遣いで話している方もいるかもしれません。

いくら利用者の前で繕っていても、スタッフ同士の会話で偉そうにしている姿などを見ると利用者に不安を与える可能性があります。

スタッフ同士の会話もなるべく敬語で行うようにしましょう。
また、スタッフ同士の関係が良好でない場合、報告や連絡などがスムーズにいかなくなる恐れがあります。

スタッフ同士の雰囲気は、利用者や家族にも伝わりやすいためスタッフ同士の関係にも接遇が重要となります。
周囲から見ても、雰囲気の良い空間となるように心がけてください。

傾聴する姿勢を忘れない

そして、6つ目は傾聴する姿勢を忘れないことです。

接遇で重要となるのは、相手の声に耳を傾けることです。
なぜなら、自分の話を親身になって聞いてくれた相手に対して利用者は安心感を覚えるからです

安心感を積み重ねていくと、自然と信頼へ結びつきます。

介護の現場は忙しいため「効率」を重視する場面も多いと思います。
しかし、何よりも重要なのは「利用者の思い」です。

どんなに忙しいときでもきちんと手を止めて向き合い、まずは笑顔で対応しましょう。
介護者が「きちんと話を聞いて、理解しようとしてくれる」という姿勢でいると、利用者は安心して過ごせるようになります。

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接遇マナーの理解のメリット


介護の現場において、どのような接遇を実施する必要があるのかについてご紹介してきました。
しかし、実はその他にも接遇マナーを理解することで介護者が得ることができるメリットがあります。

ここでは具体的に5つのメリットを挙げていますので、ぜひあわせてチェックしておきましょう。

職場の雰囲気が良くなる

つ目のメリットは職場の雰囲気が良くなることです。

スタッフ同士で接遇を意識することで、コミュニケーションがスムーズに行われるようになります。
スタッフ同士の関係が良くなると、利用者や家族が安心することができる良い雰囲気となります。

自身のスキルアップに繋がる

接遇マナーは、挨拶や身だしなみなど、介護の現場で働く上で「基本」と呼ばれるものです。
しかし、この基本が当たり前にできることで利用者や家族と良い関係を築くことができます。

接遇マナーを身につけ、そして実施することができる介護士は、利用者からだけでなく職場からの評価も高くなります。

自分のスキルアップだけでなく評価に繋がる可能性の高いものですので、ぜひこの機会に身につけることをおすすめします。

仕事の効率が良くなる

接遇マナーを実施すると利用者の不安感や不快感が生じにくくなるため、困りごとも相談してもらいやすくなります。
また、利用者と信頼関係を築きやすくなり、スムーズに介助を行えるようになるため仕事の効率が良くなるといえます。

介護者の心にも余裕が生まれやすくなるため、接遇を意識する前よりも質の高いサービスを提供できる可能性があります。

スタッフ間のコミュニケーションが改善する

接遇マナーを身につけ、スタッフ同士が丁寧な言葉遣いや思いやりのある行動をすることで、スタッフ間の雰囲気が良くなります。
スタッフ間の雰囲気が良いと、相談や連絡、そして報告などもスムーズとなるため、チームワークが生まれます。

チームワークが良い職場だと、スタッフ間で協力して質の良いサービスを提供できるようになります。
介護の現場の雰囲気や人間関係なども良くなるため、介護者にとって働きやすい環境を作ることができます。

利用者や家族の信頼を得られる

スタッフ同士の雰囲気が良いと、利用者や家族は安心してサービスを利用できるようになります。
また、信頼感が積み重なっていくことで介護者と利用者が良い関係を築きやすくなると考えられます。

利用者の心に寄り添いながら接遇マナーを実施することで「尊重した介護」を提供できるようになります。

それぞれの利用者に合っている介護を提供するためにも、利用者目線のケアを徹底しましょう。

薬の使い方

介護現場では絶対に使用してはいけない?


最後に、介護現場では絶対に使用してはいけない言葉について紹介します。

接遇マナーを実践する際は、適度な距離を保ちながら親しみやすい対応を行う必要があります。

しかし、親しみやすい対応は気をつけないと「馴れ馴れしい」対応となってしまう恐れがあります。
特に、タメ口や赤ちゃん言葉、若者言葉、そして専門用語などを使わなように注意しましょう。

堅苦しい印象を与えないために、意図的にタメ口を使用している方もいるかもしれません。
しかし、介護士として接する場合、どんなに親しくても不適切にあたります。

加えて、利用者を子供扱いしたり、赤ちゃん言葉を使用したりすると、利用者だけでなく家族にまで不快感を与えるでしょう。
基本的に敬語を使用するようにし、伝わりにくい場面でも丁寧な言葉遣いを心がけてください。

また、若者言葉や専門用語などは分かりにくい言葉は、利用者を混乱させたり、不安にさせたりする可能性があるため注意が必要です。

利用者を命令するような威圧的な言葉遣いは、コミュニケーションを阻害し、相手を怖がらせる恐れがあるため、絶対に使わないようにしてください。

まずは自分の立場が介護士であることを理解しましょう。
そして、相手を決して見下さず、尊敬・尊重する発言を心がけてください。

介護において使っていけない言葉についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

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介護における接遇マナーのまとめ


今回は、介護における接遇マナーについてご紹介しました。
介護における接遇マナーについての要点を以下にまとめます。

  • 接遇マナーは利用者の尊厳を守ったり、利用者と良好な関係を築いたりするために重要なスキル
  • 接遇マナーを実践するには、5原則と呼ばれる挨拶、身だしなみ、言葉遣い、表情、態度を理解する必要がある
  • 実践する際には、目線を合わせること、適切な距離感を保つこと、常に思いやりを持ち、傾聴する姿勢を忘れないことが重要
  • 接遇マナーには正解がないが、スタッフ間の会話にも注意する必要がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

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