ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>介護お役立ち記事>在宅介護>夜間対応型訪問介護とは?サービス内容や対象者、料金など徹底解説!

夜間対応型訪問介護とは?サービス内容や対象者、料金など徹底解説!

介護を必要とする方がなにかと不安を覚えるのは、やはり夜間が多いです。
夜間対応型訪問介護は夜間に定期的に巡回するだけでなく、緊急時の対応なども行う心強いサービスの一つです。

本記事では夜間対応型訪問介護について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 夜間対応型訪問介護とは
  • 夜間対応型訪問介護のメリット
  • 夜間対応型訪問介護のデメリット

夜間対応型訪問介護のためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

関連記事

現在の日本は超高齢社会を迎え、在宅介護が増えてきました。在宅介護は、施設入居より費用の面では安いですが、介護者への負担は大きくなります。在宅介護する方、される方への負担を軽くするにはどうしたらいいでしょうか?本記事では在宅介[…]

スポンサーリンク

夜間対応型訪問介護とは


夜間対応型訪問介護とは、夜間にのみ利用できる在宅型介護サービスです。

ホームヘルパーが利用者の自宅を巡回し、必要な生活支援や医療支援を行います。
具体的な対応時間は事業者やサービスによって異なりますが、おおむね18時~翌朝8時に設定されています。

夜間の緊急時にもすぐにスタッフが駆け付けてくれるため、一人暮らしの方や老々介護のご家庭の心強い味方となってくれます。

夜間対応型訪問介護の対象者と入居条件

夜間対応型訪問看護を利用するには以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 要介護認定で1~5の認定を受けていること
  • 利用したい事業所と同じ市区町村に居住していること

上記2つの条件を満たさない場合は、基本的に夜間対応型訪問介護は利用できません。
また、在宅介護サービスであるため、自宅以外で介護を受けている方も利用対象外です。
具体的には、特定施設に入所中の方やショートステイ中の方があてはまります。

【利用するための条件】

  • 要介護認定で1~5と認定された方
  • 利用したい事業所と同じ市区町村に住んでいる方

【利用できないことがある条件】

  • グループホーム・有料老人ホームなどの特定施設に入所している方
  • ショートステイ中の方
  • 小規模多機能型居宅介護を利用している方

夜間対応型訪問介護のサービス内容

夜間対応型訪問介護は、3つのサービスから成り立ちます。

定期巡回サービス

18時~翌朝8時の間で、定期的にホームヘルパーが自宅を訪問するサービスです。
具体的な訪問時刻は、あらかじめケアプラン作成時に決めておきます。

定期巡回サービスでは、以下のようなケアが行われます。

  • 就寝準備
  • 体位変換
  • おむつ交換・トイレ介助
  • 安否確認など

定期巡回サービスは、短時間のサービスを一日複数回受けることができます。

たとえば、夕食の食事介助と就寝前の安否確認を依頼したとしましょう。
ホームヘルパーは夕食時に利用者宅を訪問し、食事が終わると一度退去します。
そして就寝時間前に再び利用者宅を訪問し、安否確認と就寝準備を手伝ってから退去します。

一回あたりの訪問時間は30分程度です。

利用者の生活リズムにあわせて必要なサービスだけを組み合わせられる点が大きな特徴です。

随時対応サービス・随時訪問サービス

緊急時などに、利用者のSOSに応えてホームヘルパーなどが自宅を訪問するサービスです。
緊急時とはたとえば、転倒時や体調が急変したときなどが代表的です。

駆けつけたホームヘルパーは、救急車の手配や通院の手続きなどを行います。
ときには、連携する医療機関から看護師などが急行し、その場で医療的なケアを行うこともあります。

随時対応サービスを利用するときは、あらかじめ事業者から、専用の携帯電話や通報装置を借り受けることが一般的です。
いわゆる病院の「ナースコール」のようなもので、緊急時にすぐにオペレーターにつなぐことができます。
利用者から通報を受けたオペレーターは、聞き取り調査を行ったうえ、必要なスタッフを派遣します。
ただし、緊急性が低いと判断された場合は、スタッフの派遣を断られることもあります。

随時対応サービスは、24時間365日利用できる点が大きな特徴です。

一回あたりの利用時間は30分程度で、一日のうち何度でも利用できます。

ただし、利用料金は一回の利用ごとに発生します。

オペレーションセンターサービス

随時対応サービスに対応したサービスです。

具体的には、利用者からの通報を受けたオペレーターが、スタッフの派遣や救急車・医療機関の手配を行うサービスを指します。

オペレーターは、事業所内に設置されているオペレーションセンターに在籍します。
オペレーターを務めるのは、看護師や介護福祉士、ケアマネージャーなどの有資格者です。

事業所によっては、オペレーションセンターを設置していないところもあります。
ただしオペレーションセンターがないところでも、利用者には専用の通報装置が配布されるのが一般的です。

料金

夜間対応型訪問介護の利用料金は、オペレーションセンターの有無によって異なります。
今回は自己負担一割の場合の利用料金を紹介します。

オペレーションセンターがある場合

オペレーションセンターがある場合はこちらです。

基本利用料1025単位(一ヶ月あたり)
定期巡回サービス386単位(一回あたり)
随時対応サービス(ヘルパー1人の場合)588単位
随時対応サービス(ヘルパー2人以上の場合)792単位

オペレーションセンターがない場合

利用料金は一ヶ月あたり2800単位です。

夜間対応型訪問介護の利用料金は、円ではなく「単位」であらわされます。
実際の利用料金は、単位×決められた金額で計算されます。
利用料金が円ではなく単位で設定されている理由は、地域間の利用料金などの不公平を解消するためです。

たとえば大都市と過疎地域では、物価も人件費も異なります。
そのため、同料金のサービスを利用したとしても、大都市と地方都市では家庭の負担が大きく異なります。

つまり介護サービスの利用料金を全国一律に設定すると、地域間でさまざまな不公平が生じてしまうのです。
そのため、大都市圏では1単位当たりの割り増し料金が高めに設定されています。

大都市圏でも地方都市でも家庭の負担はほぼ同等となるため、利用料金の地域間の不公平が解消されます。

参照:「 厚生労働省告示第百一号介護保険法(平成九年法律第百二十三号 )」

医療ケア/看取りの程度/有無

訪問介護においては、看取りのサービスといったものはありません。
定期巡回や安否確認といったサービスが近いものに当たります。

医療ケアについては治療が目的ではない「医療的ケア」はおこなえます。
医療的ケアは、日常生活に必要な医療的な生活援助の範疇であることが前提です。

介護施設や障害者施設での医療的ケアのニーズが高まりつつあるため、医療従事者ではない人がおこなえる行為も明確化されました。

訪問介護で行える医療行為の具体的な例を紹介します。

  • 軟膏の塗布
  • 湿布の貼り付け
  • 点眼薬の点眼
  • 内服薬の介助
  • 座薬の挿入
  • 鼻腔粘膜への薬剤噴霧介助

夜間対応型訪問介護の人員配置基準と設備基準

役職必要人数必要人数
管理者1人
面接相談員1人以上(兼務可)
オペレーター1人以上
定期巡回サービスを行う訪問介護員等サービス提供に必要な人数

(介護福祉士または訪問介護員)

※都道府県の判断により看護師でも可

設備基準

  • 事業を行うために必要な広さ専用の区画

事務室:職員、設備備品が収容できる広さを確保すること
相談室:訪問介護を受ける利用者、およびその家族のプライバシーに配慮されていること(パーテーションでの仕切りも可)

利用者が円滑に通報し、迅速な対応を受けることができるよう、オペレーションセンターには、利用者の心身の状況等の情報を蓄積し、随時適切に利用者からの通報を受けることができる通信機器等を備えなければならない。

指定夜間対応型訪問介護の利用者に対しては、当該利用者が援助を必要とする状態になったときに適切にオペレーションセンターに通報できる端末を配布しなければならない。

スポンサーリンク

夜間対応型訪問介護のメリット・デメリット


夜間対応型訪問介護には、メリットがある一方、デメリットも存在します。
利用を検討する際は、メリットとデメリットを理解したうえで、自分のニーズにあわせた選択をしましょう。

メリット

まずは夜間対応型訪問介護のメリットについてみていきましょう。

夜間でも呼ぶことができる

なにかと不安が多い夜間に対応してもらえることは、利用者にとって大きな安心材料です。
とくに一人暮らしの高齢者の方や、老々介護のご家庭などには心強いサービスです。

夜間は、体調の急変や転倒などのトラブルがあっても、すぐに病院やタクシーの手配ができないこともあります。

夜間対応型訪問介護では、専用の通報装置からすぐに事業所に連絡できます。
通報を受けたオペレーターは豊富な知識と経験に基づいて必要な判断を下すため、すぐに的確なケアを受けることができます。

また、夜間の定期巡回は、定期的な安否確認にもなります。
異変があればすぐに対応してもらえるため、手遅れの事態というリスクを減らせるのも、夜間対応型訪問介護のメリットの一つです。

家族の介護負担が軽減される

夜間の介護は、同居・別居に限らず、家族の大きな負担となります。
介護を一部でも肩代わりしてくれる夜間対応型訪問介護は、家族の精神的・身体的疲労の軽減に役立ちます。

デメリット

次に、夜間対応型訪問介護のデメリットを見ていきます。

利用料金が高額になる可能性がある

とくにオペレーションセンターありのサービスでは、利用料金が高額になりやすいです。

月額基本料金に加え、訪問一回ごとに利用料金が発生するためです。
つまり訪問回数が多いほど、利用料金は高額になります。

一方、オペレーションセンターがないサービスでは、月あたりの利用料金は固定制です。
ただし、オペレーションセンターがないサービスは、ある場合に比べると、手厚いサービスが受けられない可能性があります。

昼間に利用すると割高になる

夜間対応型訪問介護のうち、オペレーションサービスは昼間でも利用可能です。
ただし随時訪問サービスの料金は、定期巡回サービスに比べて高額な設定です。
そのため、何度も利用すると、利用料金が想定外に高くなることがあります。

関連記事

自宅で受けられる介護サービスについて、インターネットで探していると「居宅介護」「訪問介護」というキーワードが目につくかと思います。この居宅介護と訪問介護、似た言葉ではありますがどのような違いがあるのでしょうか?そこで今回は、居宅[…]

介護をする画像
おすすめ記事

自宅での自立した生活を援助することを居宅介護支援と言います。少子高齢化が進む日本で、居宅介護支援は重要な役割を担っています。居宅介護支援事業所とはどのような役割を持つのでしょうか?また、どのようなサービスを提供するのでしょうか?[…]

夜間対応型訪問介護の利用に向いている人


夜間対応型訪問介護の利用が向いている方の特徴を紹介します。

一人暮らしで夜間に見守りが欲しい方

一人暮らしの高齢者の方は、夜間にはなにかと不安があるものです。
夜間対応型訪問介護は、定期的な安否確認や緊急対応があるため、心強い味方になってくれます。

老々介護の家庭で、緊急時に手助けが欲しい方

普段の介護は家庭内でまかなえても、緊急時には誰かの手助けが必要な場合もあります。
夜間対応型訪問介護は随時訪問サービスを提供していますので、「もしも」のときにも的確なケアを受けられます。

同居家族はいるものの、家族の介護負担が大きい方

夜間対応型訪問介護は、同居家族がいる方でも利用できます。
夜間の介護はとくに負担が大きいため、専門スタッフにケアを任せられる点は、家族にとっても大きなメリットです。

夜間の仕事をしているため、親の介護を誰かに任せたい方

夜間のみ家族の介護を任せたいという方もいらっしゃいます。
夜間対応型訪問介護は、あらかじめ決まった時間のみに巡回しますので、定期的に様子を見てほしいという場合にも最適です。

必要な介護サービスだけを組み合わせたい方

夜間対応型訪問介護は、決められた時間に訪問し、依頼したサービスのみを提供します。
利用者のニーズにあわせてサービスを組み合わせられるため、なるべく自立した生活を送りたいという方にもおすすめです。

関連記事

24時間対応の介護・医療ケアを希望する場合は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用がおすすめです。緊急時の随時対応も含まれるため、一人暮らしの方の「もしも」のときにも心強いサービスです。本記事では、定期巡回・随時対応型訪問介護[…]

夜間対応型訪問介護の入所までの流れ

夜間対応型訪問介護を利用するには、どうすればよいのでしょうか。利用の流れを紹介します。

  • ケアマネージャーへの相談

担当のケアマネージャーがすでにいる方は、ケアマネージャーに夜間対応型訪問介護を利用したいと伝えてください。

担当のケアマネージャーがいない方は、まずは地域包括支援センターや居宅介護 支援事業所に相談し、担当ケアマネージャーを選びます。ケアマネージャーが決まったら、夜間対応型訪問介護を利用したいと伝えるようにしてください。

  • ケアプランの作成

夜間対応型訪問介護を希望することについてケアマネージャーと相談したあと、希望に合う事業所を選びます。
事業所が決まったらケアマネージャーがケアプランの作成をします。

  • 契約後にサービス利用開始

ケアマネージャーが利用者の希望に沿ったケアプランを作成し、利用者が納得できる内容になっていれば承認されます。

その後、利用者は夜間対応型訪問介護をしている事業所からサービス内容などの説明を受け、契約したら利用者はケアコール端末を受け取り、サービスの利用が開始できます。

健達ねっとECサイト

夜間の他の介護サービス

夜間対応型訪問介護の他にも以下のような介護サービスがあります。

  • ショートステイ
  • お泊りデイケア
  • 企業のサービス

それぞれのサービスについてご紹介します。

ショートステイ

ショートステイは短期間施設に入所して介護を受けることができるサービスです。
ショートステイには以下の2つの種類があります。

介護保険制度を利用できるショートステイ

介護保険適用対象のショートステイができる施設は以下の二つです。

  • 短期入所生活介護施設(特別養護老人ホーム、ショートステイ専門施設)
  • 短期入所療養介護施設(介護老人保健施設、介護療養型医療施設)

利用条件や自己負担割合、利用期間は以下の通りです。

利用条件要支援1・2の方、要介護1~5の方
利用負担自己負担1~3割(負担額は介護度、利用日数、施設の種類、サービスの内容などで異なる)
利用期間介護認定期間の半数を超えない日数

連続利用日数は30日を超えない

介護保険適用外のショートステイ

ショートステイができる施設のうち、介護保険適用対象外となるものは有料老人ホームです。
利用条件や自己負担割合、期間は以下の通りです。

利用条件自立の方から要介護5の方
利用負担・利用期間契約する施設によって異なる

お泊りデイケア

お泊りデイケアは、デイサービスの利用者がそのまま施設に宿泊するサービスです。
お泊りデイケアの概要は以下のようになります。

  • 介護保険適用外のサービス(全額自己負担)
  • 利用する施設:通所介護施設
  • 利用条件:要介護(要支援)認定を受けていること
  • 利用期間:自治体によって異なる
  • 受けられる主なサービス
    ・就寝前の補助作業
    ・食事の提供

企業のサービス

民間の企業による介護支援サービスがあります。
地域ごとの介護支援の企業や全国展開している企業もあります。

利用料金は企業によって異なりますが、1時間5,000円程度になっています。
柔軟に多くの困りごとに対応しているので便利です。
以下のような方には夜間の見守り介護サービスも提供しています。

  • 24時間見守りが必要な方
  • 体調の変化が起きやすい方
  • 夜間のトイレ介助
  • 話し相手がほしい方
薬の使い方

夜間対応型訪問介護まとめ


ここまで、夜間対応型訪問介護についてお伝えしてきました。

要点を以下にまとめます。

  • 夜間対応型訪問介護は18時~翌8時に定期的にスタッフが利用者を訪問するサービスで、さらに緊急時にも随時対応してくれる
  • 夜間対応型訪問介護のメリットは利用者や家族の不安・負担を軽減できる点
  • 夜間対応型訪問介護のデメリットは料金が高額になりやすい点

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク