「自律神経失調症と微熱は、いったいどのような関係があるのだろう?」
「自律神経失調症と微熱のその他の症状や治療法などについて詳しく知りたい。」
と多くの方が上記のような疑問や悩みを抱えていることでしょう。
自律神経失調症と微熱には、密接な関係があります。
そこで今回は以下の点について解説していきます。
- 自律神経失調症とは
- 自律神経失調症による微熱
- 微熱以外のその他の症状
ぜひ最後までお読みください。
自律神経について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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自律神経失調症とは
自律神経失調症とは自律神経の乱れから発症する症状を意味します。
自律神経は、昼や活動している時に活発になる交感神経と、夜や落ち着いている時に活発になる副交感神経の2種類の神経で構成されています。
交感神経と副交感神経のどちらか一方が、優位になり続けることで自律神経が乱れる可能性があります。
自律神経の乱れとなる原因は以下の通りです。
- ストレス(心身の過度な疲労)
- 不規則な生活(不眠・暴飲暴食)
- ホルモンバランスの乱れ など
自律神経失調症について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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自律神経失調症の微熱
自律神経失調症で現れる微熱の症状と対処法について解説します。
症状
症状は普段の体温が平熱よりも若干高くなります。
主に目安としてはおよそ37.0℃から37.9℃までが微熱とされます。
平熱は個人差があり、低体温の方は36℃台後半が微熱の場合もあります。
さらに日中の午後に体温があがったり、年齢や性別と時間帯によって差があります。
そのため普段の体温よりも高い温度であれば、微熱の可能性があるといえます。
体温調節も自律神経により制御されているため、自律神経が乱れると微熱の症状が現れます。
微熱が続く場合は以下の改善法を試してみることが大切です。
対処法
対処法は、運動や旅行、趣味などでストレス解消することが効果的です。
また栄養バランスの良い食事や良質な睡眠も症状の改善につながります。
自律神経の乱れの原因は、仕事や学業など普段の生活からくるストレスであることが多いです。
そのためストレスを軽減・解消・予防することは、微熱を含めた自律神経失調症の対処法として有効といえます。
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微熱以外に発生する症状
自律神経失調症の症状には微熱以外にもさまざまあります。
各症状について解説します。
倦怠感
倦怠感とは、身体的・精神的にだるさや疲れを感じる症状です。
自律神経の乱れによる倦怠感も器官の制御が上手くいかないことで起こる、慢性的な疲労が原因といえます。
また喫煙・飲酒などから現れる生活習慣病や、女性の更年期障害の影響も受けている可能性があります。
改善には適度な運動・栄養バランスの良い食事・良質な睡眠が効果的といわれています。
特に良質な睡眠は成長ホルモンを分泌させ、細胞の修繕など全身をメンテナンスする働きがあります。
規則正しい生活を送ることで、心身の倦怠感を回復する効果を得られます。
不眠
不眠とは入眠障害(寝付けが悪い)・中途覚醒(途中で目覚める)などの睡眠に関する障害といわれています。
また早朝覚醒(朝早く目が覚める)・熟眠障害(眠りが浅い)も不眠の一種とされています。
不眠がおよそ1ヵ月以上続くと倦怠感や意欲・集中力・食欲などの低下が症状として現れます。
不眠の原因は、ストレスにより副腎皮質から分泌されるコルチゾールが影響しているといわれています。
コルチゾールは交感神経を刺激し優位に働かせるため、脳が覚醒し、寝たいのに眠れない状態を引き起こします。
気分の落ち込み
気分の落ち込みは気分障害の一種です。
自分の意思や周りの出来事とは関係なく、気分が落ち込みやすくなります。
気分の落ち込みもストレスによる自律神経の乱れから発症します。
特に自分に対して厳しい性格や心配性の方はストレスをためやすく、結果的に気分が落ち込みやすくなります。
めまい
めまいは目が回っているような状態の症状を指します。
また、ゆらゆら・ふらふらとした浮動性や動揺性の立ち眩みも含まれています。
ストレスなどの自律神経の乱れからホルモンバランスが崩れたり、抵抗力の低下または血行が悪くなったりすることで引き起こされます。
また、めまいの症状が出ている時に、耳鳴り・難聴・耳詰まり・吐き気などの症状も現れることがあります。
下痢や便秘
下痢や便秘は排便が液状化していたり硬くなって上手く排便できない状態を指します。
腸管自体に異常が無いのに慢性的な下痢や便秘が続く場合は、IBS(過敏性腸症候群)のケースがあります。
IBSはストレスが原因で自律神経がバランスを保てなくなり、腸に影響を及ぼすことで起こります。
IBSに伴って腹痛や便通異常と腹部不快感・腹部膨満感などの症状が現れます。
パニック障害
パニック障害にはパニック発作、予期不安、広場恐怖の3つの症状があります。
パニック発作はパニック障害の特徴的な症状であり、激しい動悸や息苦しさ、手足の震えなどが挙げられます。
予期せぬタイミングで動悸や息苦しさなどが現れ、何度も繰り返すのがパニック発作の特徴です。
しかし、心臓や肺などの病気を疑い病院を受診しても身体に異常がみられないため、次第に発作が起こることへの不安が生まれます。
この症状を予期不安といいます。
そして、一度発作が起きた場所や起きる可能性がある場所、状況などを避けるようになる広場恐怖が現れます。
一人での外出や人混み、電車など人によって恐怖や不安を感じる場所は様々です。広場恐怖が強くなると外出が困難になることから、仕事や人間関係などに支障をきたすようになります
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併発する可能性のある病気
自律神経失調症で併発する可能性のある病気もさまざまです。
各症状について解説します。
うつ病
うつ病は、心身共に気分の落ち込みからさまざまな症状を起こす病気です。
意志と関係なく気分が落ち込んだり、何をしても楽しめない精神的症状が現れます。
また眠れない・食欲不振・慢性的な疲労などの身体的症状も含まれます。
主な原因は、心身の過度な疲労からくる慢性的なストレスによる自律神経の不調などです。
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不眠症
不眠症は、眠ることが上手くできない睡眠障害といわれています。
睡眠時に寝つきが悪く何度も目覚めてしまうなど良質な睡眠がとれない状態となります。
上手く睡眠がとれないことで、日中の寝不足状態から注意力や集中力、記憶力の低下により日常生活に支障をきたします。
また疲労や倦怠感、やる気・気力・自発性の減退などの症状が伴って現れます。
自律神経失調症の治療法
自律神経失調症の治療法は根本的な解決ができないため、非薬物療法が中心となります。
各治療法について解説します。
生活リズムを整える
自律神経の乱れには、生活リズムを整えることが効果的といえます。
生活リズムを整えるために以下のことに気を付けてみましょう。
- 毎日決まった時間に起きる(朝日を浴びる)
- 朝昼夜の食事(起床後1時間以内に水または栄養バランスの良い食事をとる)
- 適度な運動をする(ストレッチ・ウォーキングなど)
- 適度にリラックスをする(音楽・読書・入浴など)
交感神経と副交感神経をバランスよくコントロールすることで、自律神経の乱れを改善します。
しっかりと睡眠をとる
しっかりと睡眠をとると高いリラックス効果を得られます。
日中は活動している時に交感神経が刺激され、身体の器官が活発になります。
そして夜には良質な睡眠をとることで副交感神経を活発にし、身体の器官や心を落ち着けます。
睡眠は規則正しい生活に含まれる要素であり、成長ホルモンの分泌や細胞の修繕などの働きが期待できます。
疲労した心身を効果的に回復させるための方法として有効です。
運動を行う
適度な運動は交感神経を刺激し、心身ともに活発となります。
運動中は負荷がかかり辛いですが、ストレスを解消し抵抗力も上がります。
リフレッシュすると副交感神経も優位に働き、自律神経の向上を図れます。
運動が苦手な方やこれから運動を始めようと考えている方は、散歩するイメージからのウォーキングがおすすめです。
そこから徐々に運動を生活の中に取り入れることで、自律神経の調整が可能になります。
自律訓練法
自律訓練法とは、落ち着いた態勢・環境と言葉の暗示から気持ちや体調の安定を図る治療方法です。
全体の流れは、環境(姿勢)の準備・背景公式を含めた7つの公式・消極運動(動作)の手順で行われます。
瞑想や座禅とヨガ、そしてマインドフルネス瞑想との共通点があり、自律神経失調症などの病気の治療効果が期待できます。
そもそも強迫性障害・過敏性腸症候群など、神経症や心身症などの治療法として編み出されました。
認知行動療法
認知行動療法とは認知と行動の両面から自律神経失調症を改善していく治療方法です。
認知行動療法における認知とは思考・考え方のことを指し、マイナスな思考を徐々にほぐしプラスに転じる方法です。
また行動とは実際に行う・試してみることを指し、できることから実行していく方法です。
認知行動療法は自律神経失調症をはじめ、うつ病・パニック症・強迫性障害・不眠症・薬物依存症・摂食障害・統合失調症に効果があり、投薬治療にも引けを取らない治療方法といわれています。
自律神経失調症の薬について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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漢方を使用した治療法
微熱には漢方による治療法も効果的と言われています。
漢方の考え方では、1人1人の症状や体質などを「証」という言葉であらわし、一般的にはそれぞれの証に合わせて漢方の薬を選びます。
自律神経失調症に効く漢方の薬は以下の4つと言われています。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
・半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
・半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
・桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)
微熱が続く場合や自ら生活リズムを改善することが難しい場合は漢方を処方することも1つの治療法として良いかもしれません。
自律神経失調症と発達障害の違い
自律神経失調症と発達障害には明確な違いがあります。
自律神経失調症とは、ストレス・不規則な生活・ホルモンバランスの乱れからくる後天的な症状です。
交感神経と副交感神経がストレスなどの原因により上手く機能せず、身体の調整機能や精神的にさまざまな症状が現れます。
心身のリフレッシュによるストレス排除や、規則正しい生活とホルモンバランスの調整により、改善することができます。
その一方で発達障害とは生まれついての脳の障害で、先天的な症状といわれています。
発達障害は自閉症・アスペルガー症候群・注意欠如やADHD(多動性障害)・学習障害・チック障害・吃音症などのタイプで分類されます。
幼少期の内から、マイペースでコミュニケーションが苦手などの特徴があり、また個人差があるため大人になってから気が付くという方もいます。
したがって、知らぬ間に社会からつま弾きにされ、二次障害としてうつ病・不安障害などを併発する恐れがあります。
治療としては、患者の特性や状態に合わせた治療が必要となり、発達障害のタイプに合わせた薬物治療やセルフケアなどがあります。
これらの違いから自律神経失調症と発達障害のタイプごとの症状や二次障害と比較し、類似している部分から同じ症状と思ってしまう方がいると思います。
ぜひ上記を参考にし、医師の診療を受けてください。
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自律神経失調症による微熱のQ&A
自律神経失調症によって微熱が引き起こされるのですか?
自律神経失調症は体の機能を正常にコントロールするための神経系統が適切に機能していない状態を指します。
これにより体温調節がうまくいかないこともあり、それが微熱として現れることがあります。
しかし、微熱が自律神経失調症の唯一の原因ではありません。
他の可能性も含めて、医療機関で診断を受けることを推奨します。
自律神経失調症による微熱はどのくらいの期間続くことがありますか?
自律神経失調症による微熱は個々の症状や体調により異なります。
一部の人々は数日から数週間にわたって微熱を経験するかもしれませんが、他の人々は数ヶ月にわたって微熱が続くこともあります。
症状が長期間続く場合は、医療専門家に相談することをお勧めします。
自律神経失調症の微熱を自宅でどのように管理できますか?
自律神経失調症の微熱を管理するためには、まずは十分な休息とバランスの良い食事を確保することが重要です。
また、ストレスを軽減するための手段を見つけることも有効です。
これには瞑想、深呼吸、適度な運動などが含まれます。
しかし、症状が悪化したり長期間続く場合は、医療専門家に相談してください。
自律神経失調症による微熱は病気の進行を示すものですか?
自律神経失調症による微熱は、体がストレスや疲労に対処しようとしている一部と解釈できます。
しかし、微熱が自律神経失調症の進行を直接示すわけではありません。
症状の変化や持続する微熱については、医療専門家と相談することが重要です。
自律神経失調症の微熱はどのように診断されますか?
自律神経失調症の微熱自体は体温を測ることで確認できます。
しかし、それが自律神経失調症によるものであるかどうかを特定するには様々な検査が必要です。
具体的には、医師による詳しい診察や他の症状の確認、必要に応じてさまざまな診断テストが必要になることがあります。
微熱が他の病気の症状でないことを確認するため、詳しい医療的評価が重要です。
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自律神経失調症の微熱まとめ
こちらの記事では、自律神経失調症と微熱はどのような関係なのか、また自律神経失調症と微熱のその他の症状と治療法などについて詳しく解説しました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 自律神経失調症とは自律神経の乱れによる症状
- 自律神経失調症の微熱は体温調節が機能しない症状
- 微熱以外のその他の症状は倦怠感・不眠・気分の落ち込み・めまい・下痢や便秘など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。