高次脳機能障害は外見からはわかりづらく、障害への理解が得られにくいです。
介護方法は、その人の症状や障害によって違う方法を求められます。
この記事では以下について解説していきます。
- 高次脳機能障害とは
- 症状別の介護方法
- 症状別の治療方法
- 高次脳機能障害の方の手帳
ぜひ最後までお読みください。
高次脳機能障害に興味がある方は下記の記事も併せて読み下さい。
高次脳機能障害に興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。
高次脳機能障害は、外見上分かりにくく、本人にも自覚症状が無いことが多いです。今回は、そんな高次脳機能障害の症状や原因を以下のポイントに沿ってご説明します。高次脳機能障害になった場合に失われる機能はどのようなも[…]
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高次脳機能障害とは
事故やケガなどで頭部に強い衝撃を受けたり、脳梗塞や脳卒中などの脳血管性障害になる事で、脳に損傷を受けてしまいます。
損傷によって性格が変わった、うまく会話が出来なくなったなど、それ以前には見られなかった症状が出ることを高次脳機能障害と言います。
高次脳機能の症状について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
病気やケガが原因で脳に損傷を負うと、高次脳機能障害を発症することがあります。高次脳機能障害は、ほかの障害のように目に見えるものではありません。そのため周りの方に理解されず、「離職」や「離婚」など社会的に孤立して苦しむケースも少なくあ[…]
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症状別の介護方法
高次脳機能障害には5つの障害に分けることができます。
それぞれの症状を解説し、どのように対応していくか介護の視点で解説します。
注意障害
注意障害には、周りの音や環境などの影響を受けて集中する事が出来ない、または一つのことに集中しすぎる症状があります。
介護方法は、話すときは相手がこちらに気づいているのを確認してから、目を見てジェスチャーを交えながら会話することです。
作業や指示も一気に伝えず、一つずつ簡潔に伝えると良いです。
記憶障害
記憶障害には、目的や道を忘れてしまう、スケジュールや仕事の流れを忘れてしまう症状があります。
介護方法は、会話や指示は短く伝えることです。
メモで記憶する、タブレット端末で記憶するなど本人にとって覚えやすい方法で記憶してもらうと良いです。
遂行機能障害
遂行機能障害は、何をするか決めることが出来ない、段取りが組めない症状です。
介護方法には、作業はあいまいな指示はせず、簡潔に伝える、しっかりしたパターンを作り実行してもらう方法があります。
失語症
失語症には、うまく話せない、言葉に詰まる、相手の話が理解しにくい症状があります。
介護方法は、会話をするときにはっきり、ゆっくりと本人が理解しやすいように話すことです。
「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしたり、ジェスチャーやイラストを使って伝える方法もあります。
半側空間無視
半側空間無視には、視野の左右どちらか半分に注意が向けれず、体をぶつけてしまったり認識できない症状です。
介護方法は、半分の空間は見えていないため、本人が見えている方から会話することです。
食事の時に見えていない方を残してしまうため、見えやすい場所に置く事で認識しやすくなります。
高次脳機能障害の対応について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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症状別の治療方法
高次脳機能障害には薬物での治療は特に無く、リハビリによる治療がメインとなります。
症状別のリハビリ方法を説明します。
記憶障害
記憶障害リハビリ方法は、大事な約束やルールをメモする、環境を整えて混乱しにくいよう配慮する、規則正しい生活をする方法があります。
繰り返し反復することで少しずつ記憶出来ます。
注意障害
注意障害のリハビリ方法は、集中できない方であれば、周りの音や物を減らすことで集中できる環境を作る、作業は一つずつ行う方法があります。
一つの事に集中しすぎる方であれば、こまめな小休憩を取る、あらかじめ終了時間を決めておく方法があります。
遂行機能障害
リハビリ方法は、スケジュールや仕事の手順を忘れてしまう方であれば、仕事の手順をメモした張り紙をつける、障害が出る前に慣れていた手順を試す方法があります。
何をするか決めることが出来ない方であれば、「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問をする、何をしたいか訪ねて最初の行動を助言する方法があります。
段取りが組めない方であれば、作業の優先順位や予定の組み方を一緒に考える方法があります。
失語症
失語症のリハビリ方法は、短い文章の音読や、挨拶、言葉を復唱してもらう方法があります。
イラストや物を見せて名前を言ってもらう方法もあります。
ゆっくり、はっきりと伝える事、簡単な単語や表現を使う事が重要です。
半側空間無視
半側空間無視のリハビリ方法は、無視してしまう側を意識して確認するように習慣づけてもらう方法があります。
目印に目立つテープをはり障害物に気付きやすい環境を作る、生活する環境の障害物を減らす方法があります。
高次脳機能障害の治療について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
みなさんは、高次脳機能障害について、ご存じですか?高次脳機能障害はケガや病気で脳に損傷を負い、日常生活に様々な支障をきたす病気です。高次脳機能障害になってしまった場合、どのような治療を進めていけばよいのでしょうか?この記事で[…]
高次脳機能障害の方の手帳
障害者手帳には、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、身体障害者手帳の三種類があります。
精神障害者福祉保健手帳とは、日常生活を送るのが難しい精神障害の方に交付される手帳です。
等級は1級から3級までがあります。
症状には統合失調症やうつ病、薬物やアルコール依存症などが認められています。
高次脳機能障害の方は精神障害者保健福祉手帳が該当します。
療育手帳とは、児童相談所や、知的障害者更生相談所にて知的障害があると判定された方に交付される手帳です。
等級は障害が重いAと、それ以外のBで分けられています。
自治体ごとに障害の分け方や手帳の呼び方に違いがあります。
身体障害者手帳とは、身体の欠損や障害などで日常生活を送るのが難しい方に交付される手帳です。
等級は1級から7級までの等級があります。
1級から6級までは1つの障害で認められますが、7級は2つ以上の障害が重複した場合認められます。
高次脳機能障害の介護まとめ
ここまで高次脳機能障害の情報や、障害者手帳について書いてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 高次脳機能障害は事故や脳血管障害などで脳に損傷が残ることで発症する
- 高次脳機能障害の介護方法は、症状によって異なり、ジェスチャーを利用した会話や指示の仕方を工夫する
- 高次脳機能障害の薬物治療はなく、主にリハビリを行う
- 高次脳機能障害者は精神障害者保健福祉手帳が該当する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。