自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることで発症します。
めまいや頭痛などの症状が現れるだけではなく、強い不安や発作、いわゆるパニック障害が生じる場合もあります。
では、自律神経失調症とパニック障害にはどのような関係があるのでしょうか。
今回は自律神経失調症についてご紹介した上で、パニック障害の原因や症状、ならびに治療法などを詳しくご紹介します。
- パニック障害の原因や症状
- パニック障害と自律神経失調症の関係
この記事をご覧いただき、自律神経失調症とパニック障害についての理解を深めるための参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。
自律神経について興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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自律神経失調症とは
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自律神経失調症の原因には、ストレスや不規則な生活、更年期におけるホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。
自律神経は呼吸器や消化器などの内臓や代謝、体温などの活動を調節する働きがあり、交感神経と副交感神経の2種類で構成されています。
交感神経は日中や活動時、副交感神経は夜間や睡眠時に優位に働きます。
具体的にいうと、交感神経が優位に働くときは血液の循環や代謝が上がり、身体が活動モードになります。
反対に、副交感神経が優位に働くときは心臓や呼吸の動きが抑えられ、身体がリラックス状態へと変わります。
そのため、運動中や仕事中は交感神経、食事中や睡眠中は副交感神経が働くということになります。
双方がバランスを取りながら働いているため、私たちは健康でいることができます。
しかし、ストレスなどによってバランスが崩れると心身に様々な支障をきたしてしまうのです。
自律神経失調症について詳しく知りたい方はこちらも合わせてお読みください。
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自律神経失調症のパニック障害
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しかし、自律神経失調症の延長でパニック障害を引き起こす可能性があります。
ここからは、自律神経失調症のパニック障害についてご紹介します。
パニック障害
パニック障害の原因と症状は以下の通りです。
原因
パニック障害の明確なメカニズムや原因は解明されていません。
一方で、ノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質の乱れが関係していると考えられています。
ノルアドレナリンは、不安や恐怖などの激しい感情や肉体労働などで身体がストレスを感じたときに放出される物質です。
状況に合わせてバランスを取りながら働いており、放出されると血圧や心拍数が上昇して身体が戦闘モードになります。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、ドーパミンやノルアドレナリンの働きを抑制して精神を安定させる役割があります。
しかし、セロトニンが不足したりノルアドレナリンの働きのバランスが取れなくなったりすると、パニック障害を引き起こすとされています。
症状
パニック障害には、パニック発作、予期不安、広場恐怖の3つの症状があります。
パニック発作はパニック障害の特徴的な症状であり、激しい動悸や息苦しさ、手足の震えなどが挙げられます。
予期せぬタイミングで動悸や息苦しさなどが現れ、何度も繰り返すのがパニック発作の特徴です。
しかし、心臓や肺などの病気を疑い病院を受診しても身体に異常がみられないため、次第に発作が起こることへの不安が生まれます。
この症状を予期不安といいます。
そして、一度発作が起きた場所や起きる可能性がある場所、状況などを避けるようになる広場恐怖が現れます。
一人での外出や人混み、電車など人によって恐怖や不安を感じる場所は様々です。
広場恐怖が強くなると外出が困難になることから、仕事や人間関係などに支障をきたすようになります。
自律神経失調症との関係
自律神経失調症は、パニック障害と同様に動悸や息苦しさなどの症状がみられます。
一方で、動悸や息苦しさの他に、頭痛やめまい、イライラなどの様々な症状が現れるという違いがあります。
しかし、自律神経失調症によって現れる頭痛やめまいなどの症状が続くと、強い不安や恐怖が生じる場合があります。
自律神経と感情は深く関わっており、不安や恐怖を感じると交感神経が強く働き、自律神経のバランスが崩れてしまいます。 自律神経失調症と耳にしたことがあっても、詳しい症状などまでは知らない方も多いと思います。そこで本記事では、自律神経失調症について以下の点を中心にご紹介します。 自律神経失調症となる原因として考えられるもの 自律神経失[…]
その結果、動悸や息苦しさなどのパニック発作を引き起こす可能性があるのです。
「何となく疲れやすく体調が悪い。」「イライラしたり、気持ちが落ち込んだりする。」気になって病院で検査しても異常がないと言われる。それはもしかすると、自律神経失調症かもしれません。ストレス社会では、自律神経失調[…]
自律神経失調症のその他の症状
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ここからは、自律神経失調症のその他の症状をご紹介します。
精神的な症状
自律神経失調症の精神的な症状は以下の通りです。
- イライラ
- 不安感や焦り
- 記憶力・集中力の低下
- 感情の起伏が激しい
- 落ち込みやすい
- 憂鬱になる
- 何事にも興味がなくなる
肉体的な症状
自律神経失調症の肉体的な症状は以下の通りです。
- 胸やけ
- 吐き気や嘔吐
- 耳鳴り
- 肩こり
- 腹痛や下痢
- 口や目の渇き
- 多汗
- 頻尿や残尿感
- 微熱
- 冷えやほてり
- めまいや立ちくらみ
自律神経失調症の症状について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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自律神経失調症と併発する恐れのある病気
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うつ病
うつ病とは、落ち込みや意欲の低下、倦怠感などの症状によって日常生活に様々な支障をきたす気分障害です。
誰でもなり得る病気ですが、中でも完璧主義や真面目な方がなりやすい傾向があります。
うつ病を発症するはっきりとした原因は分かっていません。
一方で、脳に何かしらの不調が生じることに加え、性格や環境変化などの要因が絡み合って引き起こされると考えられています。
大切な人との死別、離婚や失恋などの辛い出来事のみならず、結婚や妊娠などの嬉しい出来事の後にも発症するケースがあります。
うつ病を発症すると、気分の落ち込みや集中力・意欲の低下、不安感などの様々な精神症状が現れます。
また、睡眠障害や倦怠感、頭痛などの身体症状もみられます。
「生きている意味がない」「死にたい」などと悲観的な考えが現れる場合もあるため、心療内科や精神科への早めの受診が重要です。
不眠症
不眠症とは、寝つきが悪くなったり何度も目が覚めたりするなどの状態が続き、日中の強い眠気や倦怠感を引き起こす病気です。
不眠症には以下の4つのタイプがあります。
- 入眠障害:ベッドに入ってから眠りにつくまでに30分~1時間以上かかる
- 中途覚醒:眠りについても夜中に何度も目が覚める
- 早朝覚醒:起床予定の時間よりも早く目が覚め、その後眠ることができない
- 熟眠障害:十分な睡眠時間を確保できたのにも関わらず、寝た気がしない
上記が不眠症の主な症状であり、同時に複数現れる場合があります。
不眠症を発症する原因は、ストレスや生活リズムの乱れ、うつ病など様々です。
一方で、睡眠時間は個人差があるため、毎日3時間程度の睡眠で十分だという方もいます。
そのため、不眠症の症状がみられても日中の活動に支障がない場合は不眠症とは診断されません。
睡眠時間の長さ問わず、日中に不調がみられた場合は心療内科や精神科への相談が必要です。
パニック障害の治療方法
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そのため、早めの治療が重要になります。
ここからは、パニック障害の治療法をご紹介します。
薬物療法
パニック障害の治療には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、通称SSRIをはじめとする抗うつ薬が中心的に用いられます。
また、抗不安薬の一つであるベンゾジアゼピン系の薬を使用する場合もあります。
SSRIの特徴として挙げられるのは、副作用が少なく依存性が低いことです。
しかし、自己判断などで突然服用をやめると、めまいや吐き気などの症状が現れる可能性があります。
また、抗不安薬は即効性がある一方で、長期間の服用によって依存性が生じやすくなります。
薬物療法はパニック障害の治療に効果的ですが、医師と相談しながら薬の増減や変更を行うことが重要です。
認知行動療法
認知行動療法とは、ものの見方や考え方に対して働きかけ、不安や恐怖心、ストレスなどを軽減する心理療法です。
パニック障害の治療では、薬物療法に加えて認知行動療法も行われます。
パニック障害の方は、再度発作が起きる不安や死ぬかもしれないという恐怖を抱えています。
認知行動療法では、医師や臨床心理士の指導のもとで不安や恐怖などのマイナスな考えを前向きな考えに変えていきます。
また、不安や恐怖によって今まで避けていた場所や状況に身を置くというのも治療法の一つです。
薬物治療と同様に、医師などの専門家と相談しながら治療を進めていくことが重要になります。
パニック障害と全般性不安障害の違い
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全般性不安障害とは、あらゆる出来事に対する過度な不安や心配を長期間にわたって持ち続ける病気です。
不安や心配に加え、めまいや立ちくらみ、動悸などの症状が現れるケースも少なくありません。
自分や家族に何か不吉なことが起こるのではないかと考え、物事に集中することができなくなります。
また、不安や心配を自分でコントロールすることは困難です。
パニック障害と全般性不安障害を併発するリスクもあるため、長期間続く不安やめまいなどの症状が現れた際は医師への相談が必要です。
自律神経失調症のパニック障害まとめ
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要点は以下の通りです。
- 自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れることで頭痛やめまいなどの症状が現れ、日常生活に支障をきたす状態
- パニック障害には、激しい動悸や息苦しさが現れるパニック発作をはじめ、予期不安、広場恐怖の3つの症状がある
- 自律神経失調症の延長でパニック障害を引き起こす場合がある
- パニック障害の治療では、SSRIをはじめとする抗うつ薬や抗不安薬、認知行動療法が用いられる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。