100人に1人が発症すると言われている「統合失調症」。
最近では、精神障害を持つ方に対する支援を行う介護施設も数多く作られています。
「介護施設を利用することで症状が改善してきた」との声もインターネット上ではみられ、気になって利用を検討している方もいるかと思います。
そこで今回の記事では、統合失調症の方の介護施設利用について、以下のポイントを中心に解説していきます。
- 統合失調症の方の介護施設受け入れ事情
- 適した施設を選ぶポイント
- 介護施設を利用することのメリットは何か
統合失調症の方が利用できる、精神障害者グループホームについても説明しております。
ぜひ最後までお読みください。
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統合失調症とは
統合失調症は精神疾患の1つで、はっきりとした原因は分かっていません。
主な症状として陽性症状・陰性症状・認知機能障害が挙げられます。
陽性症状
- 幻覚、幻聴
- 妄想(被害妄想や関係妄想など)
- 興奮状態
陰性症状
- 意欲低下
- 感情鈍麻
- 思考能力の低下
認知機能障害
- 記憶力の低下
- 集中力、注意力の低下
これらの症状はあくまで一例であり、見られる症状は個人差があります。
統合失調症について知りたい方はこちらもお読みください。
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統合失調症の方の施設受け入れ事情
統合失調症を含む精神疾患を持つ方は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの対象です。
原則として、65歳以上の方であれば介護保険の対象になり統合失調症の方も介護施設を利用することができます。
しかし、介護施設によっては、統合失調症の方の受け入れが困難な場合もあります。
理由としては幻覚・幻聴などの陽性症状が、他の介護施設利用者に、影響を与えてしまう可能性があるからです。
しかし、症状にも個人差があります。
ある程度自立した生活能力を持ち、対人交流などに著しい問題がなければ、入所を受け入れてくれる介護施設も多くあります。
統合失調症などの精神症状は、おかれる環境によって大きく影響されるといいます。
病状に合った環境・施設を選ぶことが、より重要となってくるのです。
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統合失調症の方に適した施設は?
では、統合失調症の方に適した介護施設を探すためには、どうしたら良いのでしょうか。
探す際のポイントと、統合失調症の方を受け入れている施設について説明します。
統合失調症の方に適した施設のポイント
まずポイントとして挙げられるのが、その施設が精神科・心療内科のある医療機関と連携しているか、という点になります。
利用していたかかりつけの病院に、継続して通うことができれば良いのですが、困難な場合は施設と連携している医療機関を頼ることになります。
その他、今まで統合失調症の方の受け入れ実績があるか、ということもチェックしましょう。
看護・介護スタッフが精神症状への対応に長けていることは、本人はもちろんご家族にとっても安心材料になります。
精神障害者グループホーム
精神障害者グループホームは、精神に障害がある方の自立支援を目的としている施設です。
統合失調症に悩む、若い世代から高齢者まで利用できます。
支援内容には次のようなものが挙げられます。
- 日常生活、家事など生活能力に関する支援
- 通院、服薬管理、金銭管理に対する支援
- 就労移行支援
ある程度の生活能力を有し、他者との共同生活が可能な精神障害者の方が利用対象となります。
入居には障害者手帳が必要
精神障害者グループホームの入居には「精神障害者福祉保健手帳」が必要です。
精神障害者福祉保健手帳には1~3級の等級があります。
1級 | 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 精神障害であって、日常生活の著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの |
出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳」
精神障害による初診日から6か月以上経過していることが、手帳交付の条件となります。
申請するにはいくつか書類が必要であるため、各自治体にある窓口で相談してみましょう。
統合失調症の方が施設を利用するメリット
統合失調症の方が介護施設を利用する主なメリットとして、本人の精神症状改善と、ご家族の負担軽減が挙げられます。
専門的なケアで症状改善が期待できる
精神に障害のある方を多く受け入れている介護施設であれば、症状対応に長けたスタッフが配置されています。
施設内では日常生活支援のほかにも、レクリエーションイベントなどが開催されており、精神・認知症状の改善が期待できます。
家族の負担軽減に
介護をしている家族が体調を崩してしまう、というお話は珍しくありません。
介護者の負担が大きくなってしまうと、介護生活そのものの質の低下を招いてしまいます。
特に統合失調症の方に対する介護の場合、「コミュニケーションがとれない」「正しい接し方が分からない」という理由で、多くの時間と労力を消費している人も多いです。
介護施設を利用することで、ご家族自身の時間を確保することができ、介護のアドバイスをもらえるなど、介護生活の負担軽減にもつながります。
介護施設利用にかかる費用
精神障害者グループホームは、障害者福祉サービスに分類されています。
ここでは介護施設利用にかかる、障害者福祉サービスの自己負担割合について説明します。
障害者福祉サービス料金は、自己負担額の上限が設定されており、ひと月利用したサービス量に関わらず、上限金以上の金額を支払うことはありません。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満)※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3) | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(注1)3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象となります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
種別 | 世帯の範囲 |
18歳以上の障害者(施設に入所する18、19歳を除く) | 障害のある人とその配偶者 |
障害児(施設に入所する18、19歳を含む) | 保護者の属する住民基本台帳での世帯 |
出典:厚生労働省「障害福祉サービスの 利用について」
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統合失調症の方の介護施設利用まとめ
ここまで統合失調症の方の介護施設利用について紹介してきました。
本記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 介護施設によっては統合失調症の方の受け入れが困難な場合もある
- 統合失調症の方に適した施設のポイントは、医療機関と連携し、精神疾患の受け入れ実績があるかどうか
- 精神障害者グループホームは、精神疾患の方の自立支援を目的とした施設で、入所には精神障害者福祉保健手帳が必要である
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。