いざ、介護保険のサービスを使おうと思ったときに介護保険証を紛失していることに気付くということもありますよね。
紛失したときに、介護保険証を再発行してもらう方法が分からなくてお困りの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、介護保険証の紛失について以下の点を中心にご紹介します。
- 介護保険証とは
- 介護保険証を紛失した場合の再発行について
- 介護保険証の再発行に必要なもの
- 後期高齢者保険証と介護保険証の併用について
介護保険証の紛失の対策のためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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介護保険証とは?
介護保険証とは、65歳になると第1号被保険者として発行されるものです。
また40〜64歳でも第2号被保険者として特定疾病に該当する場合は、申請をして通れば発行されます。
65歳以上の場合は特に制限なく発行されますが、介護サービスを利用する際には介護保険の申請をして要支援・要介護の認定が必要になります。
どの場面で介護保険証を利用する?
介護保険証は、介護サービスを利用する際に必要になります。
主な介護サービスとしては、
- 訪問介護(ヘルパー)
- 訪問看護
- 通所介護(デイサービス)
- デイケア(通所リハビリ)
- ショートステイ(短期入所)
などがあります。
そのほか、ケアマネージャーにケアプラン(介護サービスの調整)を作成してもらう際にも必要です。
ケアマネージャーへのケアプラン作成は全額公費負担のため、自己負担はありません。
また、介護保険証について詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。
40歳以上の方に支払いの義務が課せられる介護保険は、介護が必要となったときに役立つ制度です。特に、介護サービスを利用する方は介護保険の「被保険者証(介護保険証)」をよく使いますが、実はある条件をクリアしていないと交付してもらえない場合が[…]
有効期限は存在する?
この介護サービスを利用するための要介護認定(介護保険証)には有効期限があります。
令和3年4月から期限が変更され、36ヶ月(3年)から48ヶ月(4年)になりました。
この有効期限を過ぎると使えなくなるため、更新が必要になります。
また、介護保険証の有効期限が切れた場合について詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。
65歳以上になると、すべての方に介護保険証が各市区町村から送付されます。介護の必要のない方は、使うことなく保管されることでしょう。 介護サービスを受けるために必要な介護保険証ですが、有効期限はあるのでしょうか。ここでは、[…]
介護保険証の保持によって受けられるサービス
介護保険証を持っていることで受けられるサービスの種類としては大きく分けて、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの3つになります。
それぞれの介護サービスについて紹介していきます。
居宅サービス
居宅サービスとは、利用者が自宅で生活しながら受けられるサービスのことです。
訪問サービス、通所サービス、短期入所サービスの3つに分かれます。
訪問サービスとは、介護が必要な方の元に訪問して身の回りの世話や体調管理、薬の管理などをするサービス(訪問介護、訪問看護)のことです。
通所サービスは、施設で半日もしくは一日過ごし、そこで食事や入浴、レクリエーションやリハビリなどを提供するサービス(デイサービス、デイケア)です。
短期入居サービスは、短期間施設に泊まり、食事や排泄、入浴、リハビリなどを提供するサービス(ショートステイ)を指します。
施設サービス
介護保険で利用できる施設サービスには、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」があります。
特別養護老人ホームとは、利用者の食事、排泄、入浴などを長期的に施設に入所して介護してくれる施設のことを言います。
介護老人保健施設は、医療施設に入院するほどではないが、まだ医療的な処置や介護が必要な状態の人が入所する施設です。
基本的に、リハビリをして在宅復帰を目指す施設ですが、ここ最近の介護施設不足で実質的には特別養護老人ホームと同じような扱いになっている部分もあります。
介護療養型医療施設・介護療養院は、医療・介護の両方が長期的に必要な高齢者を対象に医療処置や介護をしてくれる施設です。
介護療養型医療施設が2017年度末で廃止になり、代わりに介護療養院ができました。
看取りやターミナルケアをしてくれる施設もあります。
※介護療養型医療施設の前面廃止までは、6年の猶予があり2021年現在ではどちらの施設も存在していることになります。
地域密着型サービス
地域密着型サービスは、身近な地域に済んでいる高齢者がその地域で生活していけるように提供されるサービスです。
事業所のある市町村の要介護者・要支援者が利用できます。
地域密着型サービスの中にも、訪問サービスや通所サービス、入所サービスがあります。
- 小規模多機能居宅介護:訪問、通所、短期入所をひとつの拠点で提供している
- 認知症対応型サービス(デイサービス、グループホームなど)
- 地域密着型入居者生活介護(有料老人ホームやサ高住など)
- 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介(利用者人数29人以下の特別養護老人ホームなど)
地域密着型サービスには、上記のようなサービスが挙げられます。
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介護保険証を紛失しても再発行はできる
介護保険証を紛失してしまった際には、再発行をしてもらうことは可能なので介護サービスを受けるのに問題はありません。
ここでは、介護保険証を紛失してしまったときに再発行してもらえる場所や、再発行までに要する時間などについて分かりやすく解説していきます。
住んでいる地域の市役所に行く
介護保険証は地域の市区町村から発行されています。
したがって、紛失してしまった際にはまず地域の役所に行き、介護保険証を紛失してしまった旨を伝えましょう。
そして、介護保険被保険者証の再交付の申請書をもらいます。
窓口まで行くことができない方は、郵送での申請も可能です。
郵送で行いたい場合は、市区町村の介護保険の管轄をしている課に連絡し、介護保険証を紛失し再発行してもらいたい旨を問い合わせてみてください。
介護保険証の再発行を依頼する
介護保険被保険者証の再交付申請書に記入をし、身分証明書(マイナンバーカードや個人番号が記載されている住民票、運転免許証など)を準備した上で市区町村へ再発行の依頼をしに行きます。
必要な身分証明書は市区町村によって異なるので、再発行の依頼前にきちんと確認しましょう。
再発行にかかる時間は?
窓口で再発行を申請した場合、当日その場で受け取ることができます。
郵送の場合は、手続き終了後に後日再発行された介護保険証が送られてきます。
また、郵送の場合は書類に不備などがあると送り返されることがあり、手続きが遅れてしまう可能性もあるので注意が必要です。
高齢化が進み、要介護者の増加や介護期間の長期化などがみられるようになりました。また、老老介護という言葉もあるように介護する家族も高齢化しています。そういった現状を踏まえ、介護の負担を減らすために作られた制度が介護保険です。[…]
再発行には何が必要?
介護保険証が紛失してしまった際の再発行には、再発行を依頼するための申請書とともに本人確認書類が必要になります。
本人が申請する場合と、代理人が申請する場合で必要書類が変わってきます。
それぞれ以下に必要書類についてまとめてみました。
再発行依頼時の参考にしてみてください。
本人が申請する場合
紛失時に本人が申請する場合には、以下のものが必要になります。
- 介護保険証再交付の申請書
- 印鑑(自治体によっては必要がないところもあります)
- 本人確認書類
1点で本人確認できるもの:顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、障害者手帳、マイナンバーカード、パスポートなど)
2点で本人確認できるもの:健康保険の保険証、年金手帳、預金通帳、キャッシュカード、診察券など顔写真がついていないが、本人の名前が確認できるもの
代理人が申請する場合
紛失時に代理人が再交付の申請をする場合は、以下のようなものが必要です。
- 介護保険証再交付の申請書
- 委任状
- 代理人の本人確認できるもの(本人確認書類については、本人が申請する場合と同様1点で出来るものと、2点必要なものがあります)
1点で本人確認できるもの:顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、障害者手帳、マイナンバーカード、パスポートなど)
2点で本人確認できるもの:健康保険の保険証、年金手帳、預金通帳、キャッシュカード、診察券など顔写真が付いていないが本人の名前が確認できるもの
郵送での申請時も同様の書類が必要になります。
自治体によって、本人確認書類など必要な書類は多少違う場合もあるので必ず自治体のホームページや電話などで確認しましょう。
介護保険負担割合証も無くさないように
要支援・要介護認定が出ると、介護保険証とは別に介護負担割合証が管轄の市区町村から送られてきます。
これは介護サービスを利用するにあたって、何割の自己負担があるか知らせるものです。
前年度の収入に応じて1〜3割で算出されます。
毎年5月の時点で要介護認定を受けている場合、7月に自動更新で新年度の介護負担割合証が届きます。
介護サービスを利用するときには、介護保険証とともにこの介護負担割合証も確認するので介護負担割合証も紛失しないようにしましょう。
万が一紛失してしまった場合はこちらも再交付できるので、すみやかに市区町村の介護保険課に連絡して再交付の申請が必要です。
後期高齢者保険証と介護保険証は似てる?
後期高齢者保険証と介護保険証は似ていますが、使う場面が違います。
以下に後期高齢者保険証と介護保険証についてまとめたので参考にしてみてください。
後期高齢者保険証
後期高齢者保険証は75歳以上(障害を持っている場合は65歳以上)から発行される保険証です。
国民健康保険や社会保険などと同様に、病気や怪我で医療機関を受診した際に自己負担が1割(現役並所得者は3割)での支払いになるものです。
発行元は都道府県ですが、申請は市区町村の窓口で行うことができます。
介護保険証
介護保険を使った介護サービスを使う際に、要介護認定を受けて発行されるものです。
自己負担は1〜3割で、前年度の収入によって変わります。
発行元は市区町村で、市区町村の窓口で申請ができます。
後期高齢者保険証と介護保険証の併用について
後期高齢者保険証と介護保険証の併用はできません。
後期高齢者保険証は、医療保険で利用したときに使える保険証です。
したがって、ほとんどの介護サービスは後期高齢者保険証では使えません。
ただし訪問看護は、介護保険サービスのひとつですが医療保険でサービスを受ける方もいます。
医療保険での場合は、後期高齢者保険証を使うことはできます。
しかし、制度上介護保険の方を優先的に使うということになっているので、後期高齢者保険証を持っていても要介護認定を受けている場合は介護保険を使うことがほとんどです。
ただし介護保険での認定を受けていても、医療保険で訪問看護を利用することができる場合があります。
それは「厚生労働大臣が定める疾病等」の場合と「特別訪問看護指示書」が出た場合です。
この場合は、医療保険で訪問看護の利用が可能です。
また、医療保険での訪問看護の利用には、1回の訪問が90分で週3日までという利用制限があります。(特別訪問看護指示書が発行された場合は、利用制限が変わります)
介護保険証を悪用される心配は?
介護保険証を万が一紛失したとしても、必要書類が揃えば再発行が可能です。
ただ、介護保険証を紛失してそのままにした場合、第三者に悪用される恐れがあります。
不正利用を防止するためにも、紛失に気づいたらすぐに最寄りの警察署に届け出ましょう
民間団体である個人信用情報機関(CICなど)の本人申告制度を利用することも効果的です。
また、介護保険証は顔写真がありませんが、条件付きで本人確認書類として利用可能です。
本人確認書類として利用するためには、もう1種類特定の書類の準備が必要です。
介護保険証と組み合わせることができる書類は以下のとおりです。
- 後期高齢者医療保険証
- 年金手帳
- 官公庁からの発行・発給された、氏名・生年月日または住所が記載されたもの
- 高額医療費申請書
- 高額介護合算療養費申請書
- 基準収入額適用申請書など基本情報が印字されたもの
ただし、保険証などは全て有効期限内であることが条件です。
このように介護保険証は非常に重要な証明書なので、紛失しないように注意しましょう。
介護保険証の紛失まとめ
ここまで、介護保険証の紛失についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 介護保険証とは、65歳になると第1号被保険者として発行され、要介護認定を受けてから、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスなどの介護サービスが受けられる
- 紛失したときには、市区町村で再発行が可能
- 介護保険証の再発行に必要なものは本人が申請する場合と代理人が申請する場合で異なる
- 介護保険での訪問看護利用時には、後期高齢者保険証と介護保険証は併用できない
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。