最近同居中の祖父母が、体調不良を訴える頻度が多くて不安になりませんか?
「要介護になる前に、予防する方法があるの?」と疑問を持つことがあると思いますが、実は高齢者の自立支援を補助する介護予防サービスがあります。
本記事では、介護予防について以下の点を中心にご紹介します。
- 介護サービスの種類
- 介護予防サービスを利用するには
- 自分でできる介護予防方法
介護予防について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。
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介護予防とは
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介護予防とは、厚生労働省の資料をによると、「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」 と定義がされています。
出典: (厚生労働省)
介護予防が必要な理由は、単なる高齢者の運動機能や栄養状態を改善する取り組みではなく心身機能の改善や環境調整などを実施し、以下のようなものを目指しています。
- 個々の高齢者の生活機能や役割への参加の向上
- 1人1人の生きがいや自己実現のための支援
- 生活の質(QOL)の向上
そしてこの活動を通して、国民の健康寿命をのばし真の喜びを見出せる長寿社会を創り上げることが、介護予防の将来的な目標になります。
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介護予防サービスの種類
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介護予防サービスは、様々な種類のサービスを利用することができます。
ここでは、6種類のサービス内容を下記にまとめていますので参考にしてください。
訪問型介護予防サービス
訪問型介護予防サービスでは、利用者宅への訪問を受けてサービスを受けることができます。
サービスの内容は、以下のとおりです。
- ホームヘルパーが来訪し、掃除・買い物・身体介護や入浴介助を行う
- 疾患を持つ方の自宅に看護師が訪問し、療養上の世話や診療の補助を行う
- 医師・薬剤師などが家を訪問し、介護予防の指導・管理をする
通所型介護予防サービス
通所型介護予防サービスは2種類あり、「通所して利用するサービス」と「施設に短期間入所して利用できるサービス」があります。
通所して利用するサービスは、デイサービスセンターなどに通うことで以下のような生活介護や、介護と生活面についての相談も可能です。
- 日中の食事
- 入浴の提供
- トイレ
一方のデイケア(介護予防通所リハビリテーション)では、介護老人保健施設などでは以下のような利用者に応じた選択ができるサービスを提供しています。
- 日常生活の支援
- リハビリテーション
- 口腔機能のケア
- 運動機能のケア
短期宿泊型介護予防サービス
「一時的に家族の介護を休みたい」「事情があり、家庭内での介護が難しい」などの事情があるとします。
その場合にこの短期宿泊型介護予防サービスは、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)・老人保健施設(老健)などへ短期間入所させて、介護予防と医療上のケアを含む生活支援などを提供するサービスです。
施設に短期間入所して利用できるサービスは以下の通りで、サービスを短期間の入所日を設定して提供しています。
- 介護予防を目的とした生活支援や機能訓練
- 寝たきりや認知症の方への食事・入浴などの生活サポート
- 要介護が3以上の方のリハビリ・バイタルチェック・機能訓練
- 長期療養患者の療養上の管理・介護
- 病状が安定している方向けに、医学的管理のもとリハビリや介護・生活支援
用具貸与型介護予防サービス
「生活に便利な福祉用具がほしい」「住まいを介護に適している環境にしたい」などのニーズに合わせた生活自立のために福祉用具をレンタルします。
福祉用具の種類は下記のとおりです。
- 手すり(工事などの手間のないもの)
- スロープ(工事などの手間のないもの)
- 歩行器
- 歩行補助つえ
自宅改修型介護予防サービス
「トイレ・浴室を使いやすくしたい」「玄関や廊下の改修をしたい」などの自宅環境を整えるために保険の1割から3割負担で住宅改修を行えるサービスです。
保険の対象となる工事は、下記のような多様なサービスを受けることができます。
- 手すりの取り付け
- 段差の緩和
- すべり防止
- 扉の交換
- 便器の取り替え
地域密着型介護予防サービス
地域密着型介護予防サービスは、下記のようなサービスがあります。
- 通所をベースに利用者の希望に合わせた、訪問やお泊まりのサービス
- 認知症高齢者を対象とした、食事・入浴・専門ケアを受ける日帰りのサービス
- 認知症高齢者が、共同の施設で介護・支援・機能訓練を受けるサービス
期間や宿泊か日帰りなどを選択できる介護予防サービスです。
介護予防サービスについて知りたい方は以下の記事もお読みください。
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介護予防サービスを利用するには
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介護予防サービスを利用するためには、どのような手順を踏めば良いのか分からない方もいらっしゃると思います。
ここからは、サービスの利用方法と条件について解説していきます。
利用方法
まずサービスを受ける手順として、地域包括支援センターに相談しましょう。
このセンターは、地域に住む高齢者へ保険・福祉・介護予防サービスなどを紹介してくれる総合窓口です。
在籍しているケアマネージャーに現状をヒアリングしてもらい、そのうえで、ケアプランを作成してもらいます。
ケアプランがそのまま介護予防サービスの計画書になるため、今後受ける介護サービスの内容はケアプランで決定します。
利用できる条件
利用できる条件については、日常生活上の基本動作がほぼ自立し、状態の維持もしくは改善の可能性が高いと決められております。
この条件に該当しており、本人が実施することが難しい家事全般・家族のサポートや他の福祉施策等の代替サービスを利用できない場合にサービスの提供を受けることができます。
自分でできる介護予防
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介護予防は、介護サービスを利用しないとできないわけではありません。
自分で行動習慣を変えるだけでも、介護予防は十分に可能です。
ここからは自分でできる、介護予防を4点お伝えしていきます。
普段から運動する
予防介護として、普段から運動する習慣を身に付けていきましょう。
強度の高い運動は、逆効果になるため散歩・ストレッチ・軽い筋力トレーニングがおすすめです。
運動を怠ると、加齢による心身機能の低下と筋肉量の減少や筋力の維持が困難になり、転倒による骨折・寝たきりになるリスクが増大します。
また、糖尿病・脂質異常症・高血圧になる健康リスクも生じます。
一方で適度な運動を実施した場合、運動することで足腰が強くなりケガの回避・寝たきり防止、そして生活習慣病である「糖尿病・高血圧・脂質異常症・脳血管疾患」の予防につながり一石二鳥です。
バランスの良い食事を取る
予防介護として、栄養バランスの良い食生活は重要です。
なぜなら加齢による偏食で低栄養を招くと、筋力の低下や体力の衰えから感染症や転倒・骨折によるリスクも考えられるからです。
一方バランスの取れた食生活を継続できれば、筋力と体力面を維持し健康的な生活を送ることができるようになります。
また、粗食を控えることは生活習慣病の防止にもつながり糖尿病・高血圧・脂質異常症・脳血管疾患を防ぐことにもつながります。
そのため、メニューを考えるときには栄養バランスの配慮が必要です。
- 主食:ご飯、パン、麺
- 主菜:肉類、魚、卵、大豆製品、大豆
- 副菜:野菜、海藻類
これらを揃えている「定食形式」を意識した食生活を目指しましょう。
口腔ケアを心がける
口腔ケアを心がけることも、重要な介護予防のひとつです。
歯科医の定期的な受診・毎食後の歯磨き・うがいで口の手入れをしましょう。
口腔ケアを怠ると、飲み込む機能が弱まり喉に詰まらせて窒息死するリスクが生じます。
また、アゴの筋肉が弱まり、固い食材を食べることができなくなります。
その一方で口腔ケアを継続している場合は、食べ物を良く噛んで栄養を供給でき、喉に詰まるというリスクも低減可能です。
人と交流を楽しむ
人と交流を楽しむことも介護予防として大切なことです。
交流を絶った状況でいると、孤独な生活になり精神的に弱ってしまい孤独死のリスクも生じます。
しかし、交流を楽しむことで、孤独感も緩和され精神面にもゆとりが生まれ、コミュニケーション能力の維持と認知症の予防にも効果的です。
そのため、身近なことを話せる友人・家族・高齢者の集まりを探しておき交流を深めていきましょう。
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地域における介護予防の取り組み
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少子高齢化に伴い、今後も65歳以上の高齢者は増え続けていきます。
このような状況に対して、各地域でどのような取り組みをしているのかについて一例を紹介していきます。
- 東京都:地域包括ケアシステムを支える介護予防や生活支援、住民が互いに助け合える基盤として「通いの場」を位置付けています。
加齢とともに孤独になりがちな、生活圏域での範囲内で無理なく「役割」と「出番」を獲得できるようにすることも東京の通いの場の狙いです。 - 山形県:「やまがた長寿安心プラン(第6次山形県介護保険事業計画)」を実施しており市町村での通いの場の立ち上げを行ってきました。
自立支援型地域ケア会議・総合事業・認知症施策などに結び付くようなニーズにつながる通いの場づくりを目指しています。 - 奈良県:県内全域に通いの場を立ち上げて、住民の意見を取り入れながら各市町村での通いの場に対する取り組みや、総合事業・生活支援サービスとの連携を目標にしています。
- 沖縄県:地域づくりは地域包括ケアの土台づくりと捉えて、通いの場づくりを総合事業・生活支援体制整備事業・地域ケア会議などと関連性を紐付けることにより介護予防全体の仕組み作りに力を入れています。
- 鹿児島県:通いの場が地域包括ケアシステムにおける自立支援と介護予防の重要な機能を担うことで、全市町村での住民全体の通いの場づくりを目標にしています。
- 大分県:通いの場を含む介護予防の実施を第6期介護保険事業支援計画に基付いて推進しています。
通いの場づくりでは大分県の体操である「めじろん元気アップ体操」の実施を推奨しており、ご当地体操がある市町村には両方の実施を推奨しています。
このように、それぞれ通いの場を設けて介護ニーズに関わる活動がされています。
これからも地域における介護予防の活動は、広がり続けるでしょう。
介護予防まとめ
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今回は、介護予防についてご紹介しました。
介護予防についての要点を以下にまとめます。
- 介護サービスは、訪問型・通所型・短期宿泊型・用具貸与型・自宅改修型・地域密着型がある
- 介護予防サービスを利用するには、地域包括支援センターに相談し、条件を満たせばサービスを受けられる
- 自分でできる介護予防として適度な運動・食生活の改善・口腔ケア・人との交流を増やす事が大切
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。