歩行が困難な方がマッサージを受けることで、症状が改善される場合があります。
しかし、マッサージを受けるために通院するのは難しいという方も多いです。
「訪問マッサージ」という、自宅にいながらマッサージを受けられるサービスをご存知でしょうか?
本記事では、介護とマッサージについて以下の点を中心にご紹介します。
- 訪問マッサージのメリット
- 訪問マッサージを受けるために必要な書類
- 訪問マッサージの料金
訪問マッサージを受けたくなったときに役立つ情報を網羅的に解説しています。
ぜひ最後までお読みください。
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訪問マッサージとは
病院や治療院に行けない、歩行が困難な要介護者のためのサービスです。
国家資格を持った施術師(マッサージ師)が、自宅や介護施設に訪問し、マッサージの施術を行います。
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訪問マッサージを受けるメリット
訪問マッサージには、関節の動きや疼痛を改善するといったメリットがあります。
またマッサージを受けることで、要介護者が日常生活を続ける自信につながることも期待できます。
上記のメリットを含めて、訪問マッサージによる具体的なメリットを以下でご紹介します。
疲労回復
高齢者は筋力や身体機能の低下により、疲れやすくなってしまい体を動かす活動が減り始めます。
したがって筋肉が硬くなり、動きが悪くなってきます。
マッサージで筋肉をほぐし、血液の流れを良くすることで、疲労回復効果が得られます。
要介護者が訪問マッサージを受けることで身体機能の低下を遅らせることが期待できます。
関節機能の改善
マッサージによって、脳梗塞による筋麻痺、関節周り、筋萎縮の改善を促します。
また、筋肉を柔らかくすることで、関節の可動域を広げ関節痛の痛みを和らげます。
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医師の診断書・同意書が必要
訪問マッサージを医療保険で受けるためには、医師の診断書(同意書)が必要です。
介護施設に入る前から受けていた訪問マッサージを、施設に入って継続して受けたい場合は施設にお尋ねください。
訪問マッサージの料金
訪問マッサージでは、医療保険が適用されます。
介護保険は適用外になっているため利用できません。
マッサージ料金は厚生労働省が定めた料金法に基づいて算出されるので、全国統一料金です。
所得に応じて、個人負担の割合は1割〜3割となっています。
【訪問マッサージの料金体系】
マッサージ内容 | 料金 | |
マッサージ | 1局所につき350円 | |
温罨法 | 1回につき110円 | |
変形徒手矯正術(マッサージとの併用)を行った場合 | 1技につき450円 | |
往診料 | 4キロ以内で2300円 | 4キロを超えた場合2550円 |
施術報告書交付料 | 1回につき460円 |
老人ホームで訪問マッサージを受けられる?
老人ホームでも訪問マッサージを受けることは可能です。
ただし訪問マッサージを受けることができない場合があるので、事前に確認することをお勧めします。
老人ホームでマッサージを受ける場合、機能訓練指導員が担当します。
老人ホームに機能訓練指導員が一人しか勤務していない場合や、看護士が機能訓練指導員を兼務している場合もあります。
したがって利用者それぞれの方に、充分なマッサージの時間を確保できない場合があります。
その場合、訪問マッサージを利用することが適しています。
訪問マッサージを受けられる主な施設は以下の通りです。
訪問マッサージを必要とする人は?
訪問マッサージを必要とする人は年齢や性別などにより異なります。
在宅医療マッサージに関する調査では以下の結果が報告されています。
年齢 | 80代の希望が全体の約3分の1を占め、70代と合わせると半数を超える |
性別 | 男性と比べ女性が約2倍多い |
目的 | 関節拘縮が全体の約6割を占め、筋麻痺や筋力低下が半数を占める |
傷病 | 脳血管疾患が全体の約3分の1を占め、次いで関節疾患関連が多い |
要介護度 | 要介護2が全体の約5分の1を占め、次いで要介護5、要介護3が多い |
上記より、高齢の脳血管疾患後遺症の方が訪問マッサージを最も多く必要としていました。
また、訪問マッサージの目的は、脳血管疾患後遺症による関節拘縮や運動麻痺の改善が多いです。
介護度に関しては、中等度~重度の方が多く、施設通所が難しい方が希望していると考えられます。
訪問マッサージによる実際の効果
訪問マッサージを受けることで要介護度に変化があらわれます。
訪問マッサージを受ける方の約8割は要介護度の維持や改善できるとの報告があります。
要介護度別では中等度~重度の方は軽度の方に比べ要介護度の維持や改善ができています。
性別で比較すると男性と比較し女性は要介護度の維持や改善できる結果となっています。
また施術時間が30分以上、週2回で僅かですが改善しやすいとの報告があります。
訪問マッサージ以外に関節可動域訓練やストレッチなども併用しています。
要介護度におけるストレッチなどの併用効果はあまり変化がありません。
しかし、症状に併せた対応が期待できるため併用していると考えられます。
関節拘縮など症状別における効果の差はほとんど見られていません。
また年齢による差もほとんど見られていません。
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訪問マッサージ師になるためには?
ここまで、訪問マッサージの利用についてご紹介しました。
では、訪問マッサージ師になるためにはどうしたらいいのでしょうか?
以下で、資格と経験の面からご紹介します。
あん摩マッサージ指圧師の資格取得
訪問マッサージを行う場合は、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師が必須となります。
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するには、文部科学大臣指定の学校、厚生労働大臣指定の養成施設を終了することが必要です。
経験は不必要
訪問マッサージを行う場合「あん摩マッサージ指圧師」の資格は必須ですが、経験は必ずしも必要ではありません。
卒業時に資格をとったら、治療院、福祉施設、介護施設、病院に勤務しながら、日々の治療を通してスキルを身につけてください。
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訪問マッサージのまとめ
ここまで、介護における訪問マッサージについてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- 訪問マッサージによって、疲労回復や関節機能の改善が期待できる
- 訪問マッサージを医療保険で受けるには、医師の同意書や診断書が必要
- 訪問マッサージの料金は施術の局所の数により変動する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。