・介護負担軽減目的で利用できる
介護サービスとして特養などで提供されるショートステイ。
特養以外でもさまざまな施設から提供されていますが、そのような特徴があるのでしょうか?
本記事では、特養で利用できるショートステイについてご紹介します。
介護サービスを利用するときのためにも、ご参考いただけますと幸いです。
是非最後までご覧ください。
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特別養護老人ホームのショートステイの特徴は?
ここから特養で提供されるショートステイについて説明します。
ショートステイの対象者とは?
特養のショートステイ対象者は要介護認定を受けている方です。
ただし、ショートステイの枠に空きがなければ利用できないため事前の予約が必要となります。
ショートステイの居室タイプは?
特養が提供するショートステイの居室タイプには従来型個室、多床室、ユニット型個室、ユニット型個室的多床室があります。
従来型個室
従来型はユニットが組まれていない個室です。
基本的に居室の前は廊下になっており、リビングスペースや食堂などと離れている作りになっています。
多床室
多床室は2~4人部屋の居室です。
プライバシー保護の点では劣りますが、介護スタッフが集団ケアを行うことができ、効率的なケアやサポートの提供が可能になります。
ユニット型個室
ユニット型個室は10人程度を1ユニットとしたユニットケアを提供する個室です。
各個室の前には廊下ではなくリビングスペースがあり、共有スペースで利用者やスタッフが集い交流できるようになっています。
ユニット型個室的多床室
ユニット型個室的多床室は、元々は大部屋だった居室を個室化させたもので、簡易的な壁によって仕切られている作りになっています。
プライバシー面では通常の個室よりは劣ってしまいます。
ショートステイについて詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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ショートステイにかかる費用とは?
以下、特養のショートステイを利用する場合の費用です。
単独型 | 併設型 | |||
従来型個室/多床室 | 従来型個室/多床室 | |||
要介護1 | 638円 | 596円 | ||
要介護2 | 707円 | 665円 | ||
要介護3 | 778円 | 737円 | ||
要介護4 | 847円 | 806円 | ||
要介護5 | 916円 | 874円 |
参照:「介護報酬の算定構造」
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短期入所のサービス?
主に介護保険サービスとして、施設に宿泊しながら介護を受けられるサービスにショートステイがあります。
ショートステイは2種類にわけられ、その内訳は「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」です。
短期入所生活介護と短期入所療養介護について説明します。
ショートステイ(短期入所生活介護)とは?
短期入所生活介護は介護保険サービスの一つで、特養などの施設に宿泊する形で介護を受けられるサービスです。
在宅生活を送る要介護者が自身の能力に応じて日常生活を継続していくため、施設に短期入所をしてもらい、日常生活上の介護や機能訓練を行うサービスです。
自宅への引きこもりの防止や家族の介護負担軽減を図るのも、短期入所生活介護が担う役割になります。
ショートステイ(短期入所療養介護)とは?
短期入所療養介護はその名のとおり、医学的療養管理が必要な方を対象としたショートステイです。
そのため、サービスを提供する施設は介護老人保健施設(老健)や介護医療院などの医療機関になります。
ショートステイが利用される場面とは?
ここからは介護者の立場と被介護者の立場からみた際のショートステイ利用について説明します。
介護者の場合
介護者の立場で考えた際に、ショートステイを利用する主な目的は介護負担の軽減です。
日常的な介護の継続により介護者は心身ともに大きなストレスを抱えてしまう恐れがあります。
在宅介護の継続には介護者自身の休息やプライべートな時間の確保も考えなければなりません。
ショートステイを定期的に利用すれば、介護負担軽減をはかることも可能になります。
被介護者の場合
被介護者としてはプロの専門職からの手厚い介護・看護サービスを受けられるメリットがあるほか、自宅への引きこもり防止にもつながります。
要介護状態となれば外出の機会も減り、他者とコミュニケーションを図る機会も少なくなってしまいます。
ショートステイはそのような方に対する社会的交流機会の場としても活用が可能です。
また、将来的に施設入所を希望される方であれば、施設生活を体験する機会にもなります。
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ショートステイを提供している施設は?
ショートステイと一括りにいっても、短期入所生活介護や短期入所療養介護のいずれかでサービスを提供する施設が異なります。
また、中には介護保険外のサービスとしてショートステイを提供している施設もあり、混同しないためにもそれぞれの提供施設を知っておく必要があります。
ここからはショートステイを提供する施設について説明します。
短期入所生活介護を提供している施設
施設に短期入所し日常生活介護を提供する短期入所生活介護の場合、サービス提供施設は以下になります。
- 特別養護老人ホーム
- 一部の有料老人ホーム
- ショートステイ専門の施設
短期入所療養介護を提供している施設
前述しましたが、短期入所療養介護では医学的療養管理が必要な方を対象としているため、提供施設には医師や看護師の配置が必要です。
短期入所療養介護を提供する施設は以下の通りです。
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
介護保険適用外のショートステイを提供している施設
多くのショートステイは介護保険サービスとして提供されていますが、中には介護保険適用外のショートステイを提供する施設もあります。
介護保険外のショートステイを提供する施設としては、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームが挙げられます。
介護保険外であることから、要介護認定を受けている必要や年齢による縛りはありません。
ショートステイの利用手順とは?
ショートステイを利用するためには、ケアプランへ利用計画を追加する必要があるため、まずは担当のケアマネジャーへの相談が必要です。
そのうえで、特養をはじめとした利用希望施設へ問い合わせを行い、利用予約をします。
その後、サービス担当者会議を開催し施設との契約後にサービス利用開始となります。
ショートステイは予約が大切?
ここからはショートステイ利用時に必要な事項について説明します。
ショートステイは予約が必須
ショートステイは利用したいからといっていきなり利用できるものではありません。
前述した手順を踏むことは勿論のことですが、ショートステイ利用枠に空きがなければ利用できません。
予約し利用希望日を抑えておく必要があります。
必要な持ち物
以下、ショートステイの際に必要な持ち物について説明します。
衣類系
数日間の利用をされる場合には衣服や下着の準備が必要です。
書類系
施設ごとに利用契約書やケアに関する同意書が必要になります。
また、短期入所療養介護を利用される場合には、かかりつけ医からの診療情報提供書による情報提供が必要になることもあります。
薬系
日頃から内服されている薬は忘れず持参しなければなりません。
持参忘れや内服薬違いを防ぐためにも、お薬手帳や医療機関から渡されている薬剤情報などがあれば施設側へ渡しておくと安心です。
その他日用品
その他施設によっては必要な備品が異なります。
オムツ、洗面用具、タオル類、髭剃りなど施設ごとに異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
ショートステイに必要な持ち物について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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ショートステイの利用上の注意とは?
ここからはショートステイ利用時の注意点について説明します。
体調次第では利用できないこともある
ショートステイはあくまでも介護サービスです。
とくに特養など十分な医療体制のない施設の場合、利用者の体調がすぐれないときには利用できない可能性があります。
集団生活の場になるため、発熱されている場合など集団感染のリスクを避けることを理由に、利用を断られるケースもあります。
持ち物には名前を記入しておく
ショートステイは集団生活の場で提供される介護サービスのため、トラブル回避のためにも持ち物には名前を記入しておくと安心です。
個室利用の場合でも、レクリエーションや食事、入浴などは他者と交流したり共同の場を利用したりします。
中には認知症の利用者もいるため、他人の持ち物と自身の持ち物を間違って認識されるケースもあります。
知っている施設をなるべく利用する
ショートステイは、普段から身体状況などを把握してくれている馴染みの施設の利用がおすすめです。
初めて関わる施設では、一から身体状況の把握や内服薬の把握等が必要になります。
ショートステイの利用経験がある施設や、普段からデイサービスなどでも利用している施設の方が安心してケアを受けることができます。
利用日数の制限に注意する
まず、利用日数に関して注意すべきは要介護認定ごとの支給限度額です。
長期利用により利用単位が支給限度額を超えた場合には、超過分を全額自己負担しなければなりません。
また、連続利用は1カ月30日までとされています。
入居待ちにショートステイを利用するのは良くない?
ショートステイを長期利用することを、通称「ロングショートステイ」と呼び、特養に相談することで長期利用が可能な場合があります。
介護場面においてはロングショートステイの利用を余儀なくされるケースもありますが、そのデメリットについても理解しておく必要があります。
ロングショートステイとは?
前述のとおり、ショートステイを長期的に利用されることをロングショートステイと呼び、人によっては1~3ヶ月単位で利用される方もいます。
1ヶ月の連続利用は30日間と決まっていますが、途中で自費により利用する日を設定することで30日以上の利用が可能です。
ロングショートステイの利用条件
ロングショートステイの利用条件は以下の2点です。
- 利用期間が介護認定の認定有効期間の半分を超えないこと
- 1ヶ月の利用日数は30日まで
ロングショートステイの注意点
月の利用は30日目までのため、30日の満期を迎えた場合にはサービス利用終了となります。
基本は30日を超える場合には一度自宅で過ごすか、ほかの施設への入所、もしくは途中で自費によるサービス利用が必要です。
やむを得ない理由がある際には、理由届を提出することで利用継続できる場合もあります。
ロングショートステイのデメリット
ロングショートステイ利用のデメリットは費用面です。
要介護度が低い場合には支給限度額を超える可能性があり、超過分を全額自己負担するようなことがあれば金銭的負担は大きくなります。
また、あくまでも一時的な入所介護となるため、利用者としてはその都度生活の場を移さなければなりません。
とくに環境の変化に弱い認知症の方の場合、頻繁な環境変化が認知症を悪化させる原因となるケースもあります。
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特別養護老人ホーム(特養)のショートステイのまとめ
特養のショートステイに関する内容や、利用条件を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 特養では短期入所生活介護が提供されている
- ユニット型個室のショートステイのメリットは、プライバシーを守りながらも他者との交流がしやすい点
- 介護者からみたショートステイ利用のメリットは、介護負担軽減目的で利用できること
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。