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健達ねっと>健康お役立ち記事>高次脳機能障害>高次脳機能障害で記憶障害は起こる?症状からリハビリ法まで解説!

高次脳機能障害で記憶障害は起こる?症状からリハビリ法まで解説!

高次脳機能障害では、しばしば記憶障害を伴います。
記憶障害は日常生活に重大な支障をきたしますが、リハビリ次第では改善も期待できます。

記憶障害の具体的な症状やリハビリ方法は一体どのようなものでしょうか?

本記事では、高次脳機能障害と記憶障害について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 高次脳機能障害による記憶障害の症状
  • 高次脳機能障害による記憶障害のリハビリ

高次脳機能障害と記憶障害の対処の対処にご参考いただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

高次脳機能障害に興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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高次脳機能障害

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高次脳機能障害とは


高次機能障害は何らかの原因で脳が損傷し、認知機能などに重大な支障が出る状態です。
脳が損傷する原因とは、脳卒中や脳腫瘍、脳炎のほか、打撲などの頭部外傷が代表的です。

高次脳機能障害の主な症状は以下の通りです。

  • 記憶障害(同じ話を何度も繰り返すなど)
  • 注意力障害(注意力が低下し、ミスが増えるなど)
  • 遂行機能障害(計画を立てて実行できないなど)
  • 失語症(言語機能にまつわる障害)
  • 半側空間無視(視界のうち半分の空間を認識できない)
  • 社会的行動障害(怒りっぽい・わがまま・自己中心的など)

高次脳機能障害の原因について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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高次脳機能障害で起こる記憶障害


高次脳機能障害では、記憶障害があらわれることが多いです。
高次脳機能障害による記憶障害の具体的な症状を解説します。

数秒前の言動を覚えていない

高次脳機能障害による記憶障害では、つい最近の出来事を忘れるのが特徴です。

通常の物忘れと異なる点は、体験をまるまる忘れたり、忘れたこと自体を忘れたりする点です。

たとえば、数分前に食事したことを忘れたとしましょう。
通常であれば、「さっきカレーを食べたでしょう」と指摘されると、食事したことやメニューをはっきり思い出せます。

一方、高次脳機能障害では体験がまるごと記憶から消えているため、本人の認識の中では食事は済んでいません。
メニューを指摘されたり、ヒントをもらったりしても、思い出せないのが通常の物忘れと異なる点です。

あるいは、物の置忘れが増え、しょっちゅう探し物をするのも、高次脳機能障害による記憶障害の代表的な症例です。

ちなみに、上記の例のように短期間の記憶が失われるケースは、「短期記憶障害」と呼ばれます。

見当識障害が起こる

見当識障害は、時間・場所・人が分からなくなる障害です。

時間の見当識障害が起こると、今日の日付や時間だけでなく、季節の感覚もなくなります。
具体的には、真夜中に仕事に行こうとしたり、真夏に真冬の格好をしたりするケースがみられます。

場所の見当識障害が起こると、今いる場所の把握が難しくなります。
近所や自宅で道に迷うことが多くなり、自室からトイレにたどりつけないこともあります。

人の見当識障害では、家族や親しい人を認識するのが困難になります。
配偶者を親と間違えることや、子供をヘルパーと思い込むことが多くなります。

事実と違う話をする

高次脳機能障害による記憶障害が起こると、事実と異なる作り話をすることがあります。
たとえば朝食を食べていないのに、「もう食べた」と主張するケースなどがあります。

作り話をする理由は、欠落した記憶をとっさに補おうとするためです。
そもそも高次脳機能障害による記憶障害では、多くの場合、本人に記憶障害の自覚はありません。

しかし、記憶に違和感があることは漠然と感じています。
そして、自分の記憶障害をごまかそうとして、とっさに作り話をしてしまうのです。

矛盾点を指摘されればされるほど、作り話を重ねるため、話の内容が支離滅裂になることもしばしばあります。
本人には決して悪気はありません。
むしろ作話は、記憶障害へを隠すため一種の自己防衛反応です。

病気になる前のことを忘れる

高次脳機能障害による記憶障害は、障害後の記憶が難しくなるケースが多いです。
しかし中には、障害が起こる前の出来事、つまり過去の記憶を忘れるケースもあります。

過去の記憶を忘れる障害は「逆行性健忘」といいます。
反対に、障害後の記憶が困難になる場合は「前向性健忘」と呼ばれます。

逆行性健忘では、障害が起こった後の記憶には問題ありません。
よって、障害が起こった後に出会った医師やヘルパーは正確に覚えられます。
一方、過去の出来事は忘れてしまうため、自分の家族の顔や名前が思い出せないケースがあります。

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高次脳機能障害で起こる記憶障害のリハビリ


高次脳機能障害による記憶障害は、リハビリ次第である程度の回復が期待できます。

主なリハビリについて解説します。

反復訓練

新しいことを覚えるとき、繰り返し反復する方法です。
一つの事柄を繰り返し覚えることで、自然と記憶に定着させることを目的としてます。

たとえば病院に行く日付を覚える場合は、日付を繰り返し復唱します。
あるいは、家族が協力して、「病院はいつだった?」という質問を定期的に投げかけると、記憶が安定しやすくなります。
メモやカレンダーを使って、視覚情報を活用するのも良い方法です。

環境調整

記憶障害とうまく共存できるような生活環境を整えましょう。

たとえば、1日のスケジュールをルーティン化すると、毎日すべきことを覚えやすくなります。
スケジュール表を目につく場所に貼ったり、アラームを設定したりして、次の予定を思い出しやすい環境を整えるのも有効です。

また、財布やメガネなどよく使うものは、置き場所を決めておきましょう。
置き場所を固定化しておけば、探し物の頻度が減ります。

あわせて、使ったものは必ず元の場所に戻すことを習慣づけましょう。

内的記憶戦略法

内的記憶戦略法のリハビリの種類と内容について解説します。

視覚イメージ法

視覚イメージと記憶を結びつける方法です。
視覚イメージは、自分なりのイメージでかまいません。

新しい情報を覚えたいとき、視覚イメージに変換することで、記憶の中から取り出しやすくします。
視覚イメージ法には、「顔―名前連想法」や「ペグ法」などがあります。

顔-名前連想法

記憶したい相手の外見イメージと名前を結びつけて覚える方法です。

たとえば、「佐藤さん」という方の顔と名前を顔ー名前連想法で覚えるとします。

佐藤さんは、ややぼっちゃり気味で、色白な男性です。
甘いものが好きそうなイメージがあるため、シュガーさん=砂糖さん=佐藤さんと覚えます。

ペグ法

ペグは釘のことです。
ペグ法では、釘で物を打ち付けるように、対象と対象を固定化して覚えます。

代表的な方法として、手の指を使う方法があります。

たとえば出勤時の持ち物について、手の指を使ったペグ法で覚えるとしましょう。
親指はネクタイ、人差し指はパソコン、中指はスマホ、薬指は家の鍵とします。
出勤前に親指から順番に追っていくと、仕事に持っていくべきものを思い出せます。

外的補助手段

メモや付箋を使い、記憶を外から補う方法です。
手帳やスマートフォンのスケジュール機能を利用して、必要な情報を記録しましょう。
記録を何度も見直すことで、その日の予定やスケジュールを達成しやすくなります。

ただし、メモや手帳を見返すこと自体を忘れては無意味です。
外的補助手段を利用する場合は、補助具の使用を習慣づけるための練習も必要です。

【外的補助具の例】
・メモ
・付箋
・カレンダー
・手帳
・スマートフォンのアラームやスケジュール機能
・作業カード

その他

高次脳機能障害による記憶障害のそのほかのリハビリ法について解説します。

領域特異的な知識の学習

覚えるべき領域に限定して知識・技能の学習を行う方法です。
情報を限定することで、効率のよい記憶が可能になります。

一般的には、日常生活に必要な情報や知識の獲得に利用されます。
たとえば、病院の医師や看護師の顔・名前を覚えるときなどに有効です。

手がかり漸減法

用語の定義を示したのち、その用語を一文字ずつ追加しながら覚えます。
次に一文字ずつ消去していきます。
一文字も見ずに用語を思い出せるまで、上記の工程を繰り返します。

高次脳機能障害のリハビリについて詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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高次脳機能障害のその他の症状


高次脳機能障害では、記憶障害の以外の症状もあらわれます。
代表的な症状を解説します。

注意障害

注意力が著しく低下する状態です。
日常生活や仕事で些細なミスが増えたり、一つのことに集中するとその他に気を配れなくなったりします。

遂行機能障害

物事の計画を立てて、効率よく行えなくなる状態です。
一度に複数の情報を処理するのが難しくなるため、作業の同時進行もできなくなります。

社会的行動障害

社会的規範に則った行動ができなくなる状態です。

たとえば些細なことに怒り狂ったり、他人に配慮できなくなったりします。
また、万引きや痴漢といった軽犯罪行為を平気で犯すことも少なくありません。

高次脳機能障害の症状について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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高次脳機能障害になると子供っぽくなる?

疑問
高次脳機能障害になると、子供っぽい振る舞いが増えることがあります。

子供っぽい行動が増える原因として、以下のような症状があげられます。

記憶障害

記憶障害が起こると、記憶の欠落を埋めようとして作り話をすることがあります。
明らかに矛盾している作り話をすることも多く、周囲からすれば子供っぽいと捉えられる可能性があります。

注意障害や遂行機能障害

また、注意障害や遂行機能障害も子供っぽく見える原因です。

注意力障害や遂行機能障害が起こると、日常生活や仕事で些細なミスが増えます。
たとえば人と会う約束を忘れたり、頼んだ作業を途中で投げだしたりするケースが代表的です。

社会行動障害

加えて高次脳機能障害は怒りっぽい傾向があり、ミスを指摘されると逆上することも少なくありません。
自分がミスをしたのに他人に怒るのは、周囲からすると子供っぽく、わがままな行動に見えてしまいます。

原因は脳の損傷によって理性が効かなくなることです。

他に、衝動性やモラルに欠けた行動なども目立ちます。

高次脳機能障害のわがままについて詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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薬の使い方

高次脳機能障害と記憶障害のまとめ

まとめ
今回は、高次脳機能障害と記憶障害についてご紹介しました。

要点を以下にまとめます。

  • 高次脳機能障害による記憶障害の症状は「つい最近の出来事を覚えてない」「作話」「過去の記憶がなくなる」など
  • 高次脳機能障害による記憶障害のリハビリには「視覚イメージ法」「メモなどの代替手段の活用」などが有効

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
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  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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