介護業界は人手不足です。
そのような中で介護ドライバーの需要も高まってきています。
本記事では介護ドライバーについて以下の点を中心にご紹介いたします。
- 介護ドライバーの仕事内容
- 介護ドライバーに必要な資格
- 介護ドライバーの就職先
介護ドライバーについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
介護とは人の命に係わる仕事です。いろいろな専門性が求められるため、国家資格から民間の資格までさまざまな資格があります。具体的にはどのような資格があるのでしょうか?本記事では、介護の資格について以下の点を中心にご紹介します[…]
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介護ドライバーとは?
介護ドライバーとは、デイケアやデイサービスのような通所介護施設の利用者様を車に乗せて送迎する運転手のことです。
介護ドライバーは主に介護施設に雇用されており、利用者様の自宅と施設間の送迎を行います。
介護ドライバーの仕事について詳しく見ていきましょう。
ドライバーの仕事内容は?
デイケアやデイサービスで通所介護施設を利用する方の施設・自宅間の送迎を行います。
時として、施設に来られるマッサージ師や講師、イベント参加者を送迎する場合もあります。
業務で使用する車をベストコンディションに保つために、運転前点検も行います。
例えば、運転席周りのブレーキ効き具合やエンジンの音のチェック、各種機器の動きの確認、車の外側のライトやウインカーなどが正常に点灯・点滅しているか、タイヤの状態は大丈夫かなどをチェックしておきます。
1日の勤務スケジュールは?
各介護施設によって異なりますが、勤務時間は朝夕それぞれ2~3時間、1日4~6時間の勤務となる場合が多いです。
お昼の時間帯は介護施設で働く方もいれば、別の送迎の仕事を掛け持ちされる方もいます。
勤務形態は?
雇用形態としてはパート・アルバイトが多いです。
上記の通り、介護ドライバーとしての勤務時間は基本的に朝と夕方だけです。
そのため、昼間は施設でその他の業務を行う場合もあります。
介護ドライバーが正社員として受け入れてもらえるケースは、介護職員を兼務している場合です。
この場合、送迎業務よりも介護職員としての介護業務がメインとなるケースが多いです。
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介護ドライバーに必要な資格は?
介護ドライバーに求められている資格は何でしょうか。
以下で解説していきます。
必要な資格は?
普通自動車一種免許を持っていれば基本的に問題ありません。
介護保険サービスには送迎業務が含められており、送迎に対する対価を求める(運賃を請求する)ことはありません。
そのため、普通自動車二種免許を持っていなくても介護ドライバーとして働くことができます。
あると良い資格は?
介護ドライバーに必要な資格は基本的に普通自動車一種免許のみですが、取得しておくと役に立つ資格があります。
介護福祉士
通常は介護福祉士が同乗するので問題はありませんが、同乗しない場合や同乗しない施設もあります。
そうすると、本来介護福祉士が行う介助をドライバーがする必要が生じるので持っていると良い資格です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修も介護福祉士が不在の場合に必要な資格です。
介護福祉士よりハードルが低く、受験に必要な条件もないのでまずは取得しておくと良い資格です。
介護業界は人手不足なので、このような資格を持っていることにより介護職員兼介護ドライバーとして働くことができるので就職にはとても有利となります。
介護ドライバーのお給料は?
介護ドライバーの収入はどれくらいになるでしょうか。
アルバイトの場合
平均時給:約998円
派遣社員
平均時給:約1,197円
正社員の場合
平均月給:約29万円
平均年収:約347万円
全体の給与幅としては比較的狭いため、経験や求められるスキルによる差はあまりないでしょう。
ドライバーの就職先は?
介護ドライバーにはどのような就職先があるでしょうか。
事業所などに所属する場合と、個人で開業する場合のそれぞれを見ていきましょう。
事業所などに所属する場合
主にデイサービス施設・デイケア施設といった通所介護施設が就職先となります。
デイサービス施設とは介護を必要とする方が日帰りで利用する施設のことです。
一部宿泊可能な施設もあります。
またデイケアとは通所リハビリテーションのことをいい、デイケア施設では要介護者が通所でリハビリテーションを受けられるサービスを提供しています。
事業所に所属した場合、そのような施設と利用者様の自宅の間を送迎する業務を行います。
個人で開業する場合
介護ドライバーとして経験を積むと、介護タクシーを運営する会社を立ち上げる道も見えてきます。
個人で開業する場合、介護保険の適用外のタクシー会社か、介護保険の適用を受けるタクシー会社かを決める必要があります。
介護保険の適用を受ける場合は、訪問介護事業所としての指定を受ける必要があります。
また、普通自動車二種免許の取得が必要なだけではなく、必要な装備が整っている車両、人員、事務所、車両保管所などを準備する必要があります。
以下の記事では介護タクシーで開業する方法について詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
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介護ドライバーのやりがいとは?
運転が好きな方にとっては、この業務自体がやりがいとなります。
安全に送り迎えを行い、利用者や家族から感謝の言葉をもらえるときに「この仕事をして本当に良かった、仕事を頑張ってよかった」とやりがいを実感できます。
また施設の利用者の送迎を繰り返すため、利用者の相談に乗るようになることも少なくありません。
送迎以外で利用者の役に立てたと感じたときにも大きなやりがいを感じることができます。
更により良いドライバーになるためには
利用者にとってより良いドライバーになるために役立つ研修や資格があります。
以下でご紹介します。
ユニバーサルドライバー研修
バリアフリー研修推進実行委員会が開発、推進している研修です。
タクシー乗務員として高齢者や障がい者の皆様への接遇や介助を向上させるために実施されています。
利用者と上手にコミュニケーションを取る方法、車いすの取り扱い、乗降時の介助方法等についての知識やスキルを身につけることができます。
ハートフルアドバイザー研修
利用者への適切な接客サービスを行えるように、心構えや必要な知識・技術を身に着けるための研修です。
サービス介助士
介助をする際の心構えや知識・技術を身につける資格です。
介助する利用者それぞれに適した方法でケアを行えるようにすることを目的としています。
普通救命講習
心肺蘇生法やAEDの使い方、気道異物除去法などについて学ぶ講習です。
送迎中に利用者様に何か異変が生じた際にも、応急処置・緊急処置を行うことができ、安心のサービスを提供することができます。
介護職としての運転手は3つある?
介護職としての運転手の仕事は、介護ドライバー、介護タクシーの運転手、福祉タクシーの運転手の3種類です。
それぞれどのような仕事内容でしょうか。
介護タクシーの運転手とは?
介護タクシーの運転手は、訪問介護サービスにおける通院等のための乗車・降車の介助を行います。
介護タクシーの運転手は普通自動車二種免許取得が必須となります。
そして、介助をするので介護職員初任者研修の取得も必須となります。
介護タクシー会社や個人事業主として開業することもできます。
開業の場合は、一般乗用旅客自動車運送事業の認可が必要です。
福祉タクシーの運転手とは?
福祉タクシーは主に身体障がい者がサービスの対象となります。
病院や買い物など利用者様の行きたいところへの送迎をします。
介護保険の適用外のため、介護タクシーのドライバーに求められているような資格は必要ありません。
ただし、普通自動車二種免許は必要です。
3つの職種の違いはなにがある?
3つの職種は雇用元・利用者・サービス内容などに違いがあります。
- 介護ドライバー:介護施設に雇用される。基本的には施設利用者の施設と自宅間の送迎のみ。しかし、介助を伴う場合もある。
- 介護タクシー:タクシー事業者などで雇用される。介護保険の適用を受ける要介護者が利用する。
- 福祉タクシー:タクシー事業者などで雇用される。介護保険は適用外。身体に障害を持つ方だけが目的に縛りなく利用できる。
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介護ドライバーのまとめ
今回は介護ドライバーについてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- 介護ドライバーの仕事内容は、デイケア・デイサービス施設利用者の送迎や運転前の車両点検など
- 介護ドライバーに必要な資格は、普通自動車一種免許。それに加え介護福祉士や介護職員初任者研修の資格があると有利
- デイサービス施設・デイケア施設・在宅診療所・在宅サポートサービス施設への就職が可能
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。